フランチャイズ事業

時に査定商談1件ごとに改善提案をして、業務改善の良きパートナーとなるカーセブンSV(スーパーバイザー)の役割とは?

2023.04.06
導入

カーセブンのFCは、加盟した後が非常に重要です。むしろ、FCに加盟した後は、日々の継続的な改善を一緒に取り組んでくれるカーセブンSV(スーパーバイザー)の方が長い付き合いとなります。この記事では、FC加盟店の店長やスタッフの方に対して、業績改善のための様々な取り組みを行うカーセブンSVが、店舗の営業成績向上のためにどのような仕事をしているか、統括責任者を務める西川氏に聞きました。

マネージメントから基本的な接客まで親身になった指導

SVの体制を教えてください。また、どんな人がSVになっているのですか?

西川:
現在、私を含めて6名で108店舗(2022年11月現在オープン済み店舗)を分担して担当しています。私は責任者なので担当は持たずに、SV全体の管理と担当SVでは解決しない案件が起きたときの対応が主な業務内容ですね。

SV6名のうち4名は直営店出身者、それ以外の2名は新車ディーラーと中古車販売の経験者。つまり買取や販売の現場を経験してきた者たちですが、将来的にはマニュアル化・システム化を進めて、現場の経験がない人でもSVとして活動できるようにしたいと考えています。

SVが加盟店に対して受け持つ役割は何ですか?

西川
売上などから現状の分析を行い、店舗が抱えている課題が何なのかを見つけることが最初の仕事です。そのうえで当社が持つノウハウから解決策を考え、指標に基づいてアドバイスや指導を行なっていきます。たとえば100 件の一括査定の配信があったら20件のアポイントを取れることが指標。その店舗がもしも8件しかアポが取れていないとしたら指標に届いていないので、まずその現状を変えなければなりません。なぜアポ率が低減しているのか、成約率が伸び悩んでいるのかを分析します。

現状で足りていないことは何なのか、すぐに直せることはその場で修正できるよう指導しますし、それが難しいのなら「研修を受けましょう」といった提案をします。課題解決のフローをきちんと作り込んであるので、たとえ現場の経験がまだ浅い店長であってもフロー通りにマネジメントしてもらえれば、一定の業績を上げられる仕組みになっていますよ。

具体的にはどのような指導を行っているのですか?

西川
FC加盟当初の店舗に対しては、まずカーセブンとしてのポリシー、目的を共有することが主体ですね。そのうえで買取業界の現状を伝え、配信からアポ、成約につなげていくことがいかに大切か、といった考え方を学んでいきます。展示車両のラインナップからシステムに基づいて適切に営業管理する方法まで、かなり細かく指導しています。

お伝えするのは店舗全体のマネージメント業務だけではありません。商談を振り返りながら決まらなかった要因を分析するなど、接客の基本姿勢やお客様からのヒアリング手法、応酬話法の習得やシチュエーション別提案方法といった接客方法にも踏み込んでいきます。例えばアポイントにつながらなかった案件に対して「ここに問題があったので、今後はこのように電話対応していきましょう」といったケーススタディも含めて、ですね。

お客様からの配信情報を得るにはコストがかかっています。そのコストを回収し、利益に結びつけていくためには一件でも多くアポを取り、成約につなげる必要がありますよね。着実に成果を上げることが最終的な目的です。

買取営業を伝える上で重視していることは何ですか?

西川
査定時に「安心宣言」を説明することの重要性については、どの加盟店に対しても常に強調しています。「安心宣言」はお客様に対して、単に5項目を読み上げれば良い、というわけではありません。これがカーセブンの武器なんだ、という意識で、熱意を持ってお客様に伝える必要があります。

私たちは2012年に特定商取引法が改正される以前からこの業界に在籍しており、「安心宣言」がなぜ必要になったのか、業界団体であるJPUC(日本自動車購入協会)がなぜ発足したのか、という経緯を体験してきました。そのときの情熱を最近FC加盟された店舗の皆さんにも伝えていくことが使命であり、業績向上にもつながっていくと感じています。

業績アップの種を見逃さないSVならではの観察眼

買取を車両販売につなげる重要性を教えてください

西川
コストをかけずに売上を伸ばすには、査定依頼の案件を買取で終わらせず、車の販売につなげていくことが大切です。実際、査定依頼をいただくお客様の約6割は乗り換えなのです。そして、その半分である約3割の人は次に買う車がまだ決まっていないんですよ。

決まっていないということは、販売商談の土俵に乗る好機ということです。また、他事業で車検や整備などを手がけている加盟店なら、そのお客様も買取や車両販売の対象になります。一部の加盟店には買取事業と新車販売、整備など他事業の連携施策を導入いただいており、既に成功事例も出ています。

買取営業でよく見られる問題点は何ですか?

西川
さまざまなケースがありますが、買取でアポからの成約率が低い、という課題がある人の場合は、査定能力の低さに原因があることも少なくありません。本来は5点満点のうち4点つくところを、査定金額が高くなってしまうのを恐れて3.5点にしておこう、といった判断です。確かに、できるだけ安い金額で買い取った方が利益は上がるのですが、成約できなければ元も子もありません。

初度登録から30年近く経過し、10万km以上走っている車両であっても、オークションで100〜150万円といった価値のつく車種も一部には存在します。そうしたケースに対応するには、査定能力はもちろん、お客様からヒアリングする能力、店長に相談する際の正確さといったスキルも求められます。店舗スタッフ間で経験や情報を共有することも大切ですね。

もう一個の事例をご説明します。

査定依頼をいただいたとき、売却のみなのか、乗り換えかを確認する作業は多くのスタッフが行います。乗り替えと答えたお客様に対して「次の車はもうお決まりですか?」と尋ねたとしましょう。すると、ほとんどの方はイエスかノーで答えますよね? イエスと答えた場合、それで車両販売の商談はおしまい、と考える人が多いのですが、お客様によくよくヒアリングしてみると「車種は決まっているけど、具体的にどの車を買うかは決めていない」「目星はついているけど、契約はしていない」ということが多いんです。

契約していないなら、まだチャンスはあるわけです。SVの指導要領では「契約済みなのか否かを最後まで確認してから店長に報告すること」まで細かくマニュアル化されています。

一年で、月間粗利が120万円もアップ! SVによる業績改善指導の効果

SVが介入したことによる成功事例を教えてください

西川
SVによる指導を正しく実践いただいた加盟店の多くが、大きく業績を伸ばしています。たとえば新車ディーラーを本業とする会社で買取事業に参入した某店舗の場合、それまでの8年間は平均アポ率8.0%、平均成約2.0%という状態で低迷していたところを、数年で年間のアポ率18.2%、成約率6.4%まで引き上げることに成功しました。

商談一件ごとのマネジメントを徹底し、活動管理表を毎日更新・共有することでスタッフひとりひとりが数字を意識する、到底達成できない目標設定だったものを現実的な数字に変更する、査定時に安心宣言を必ず説明する、といった基本的なことを徹底した成果です。本部が設定している指標ではアポ率18%、成約率8%となっていますので成約についてはまだ改善の余地がありますが、大きな進歩と言えるでしょう。

また別の店舗では、一年間における月間総粗利が291.6万円から407.2万円へと120万円近くも上がったケースもあります。その店舗では以前からアポ率、成約率とも指標を大きくクリアしていましたが、買取商談から販売商談へとつながっていないこと、店舗運営、営業活動とも属人的になっていたことで伸び悩んでいました。各プロセスの活動をマニュアルに沿うよう徹底し、販売商談の機会を増やした結果が業績アップにつながったのです。

そのとき正念場となった2〜3か月間は私も店舗と綿密に連絡をとり、一件ごとの商談に対して「こういう風に対応を変えてみたら?」といった提案をしていたところ、少しずつ数字が上がってきたんです。業績改善の結果、契約更新いただいただけでなく、2店舗目の出店を決めていただいたときは本当に嬉しかったですね。

SVと加盟店は共に歩んでいくパートナー

SVは加盟店にとってどんな存在でありたいですか?

西川
以前まで、加盟店にとってSVは「手本となる存在」でないといけないと思っていたのですが、経験を積んだ現在では「頼られる存在」でありたいと思っています。

社内の上司にはちょっと相談しにくいことも、SVになら気軽に相談できる、とにかく話してみたいと思ってもらえる存在が理想です。店長やスタッフとの良好な関係性、個別具体的な対応が求められる職業だけに、気兼ねなくコミュニケーションを取れる人間味が大切だと思っています。

FC加盟を検討している企業様にメッセージをください

西川
SVと各加盟店は何かを一方的に押しつける関係でなく、互いにウィンウィンの関係になりたいと日頃から思っています。店舗を出店するのには相当なコストがかかりますし、スタッフの教育やシステムの導入などオープン準備にも多大な労力を要します。多くの企業にとって買取事業への新規参入は、容易ならぬご判断でしょう。

FC加盟を決めていただけたならとても有り難いですし、できる限りお役に立ちたいと思っています。投資いただいたコストはしっかり回収し、将来的に何倍にもなるよう、全力でサポートします。ただ、そこでご理解いただきたいのは、競争が熾烈な業界だけに実績を上げるためには業務改善の意欲や努力が不可欠だということです。健全な経営体制を作り、スタッフひとりひとりがスキルを身に付けるには、ある程度の時間が必要になるかもしれません。私たちは根気良くサポートいたしますので、ぜひ共に歩んで参りましょう。

担当店舗の業績が順調に上がり、皆がハッピーな状態になればSVの意欲も上がる。そのために統括責任者として力を尽くしていきたい……と語る西川さん。FC加盟店とSVはまさに一心同体、一蓮托生の関係にあると言えそうです。