車の傷の修理代の相場はどれくらい？修理代の決まり方や修理代を安くする方法も解説

車に傷をつけてしまうと、修理代がいくらぐらい掛かるのか気になる方も多いでしょう。車の傷は、傷の大きさや場所、範囲によって大きく異なります。

この記事では、車の傷の修理代の相場について詳しく解説します。また、修理代の決まり方や修理代を安くする方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

車の傷の修理代はどのように決まる？

車の傷の修理代は、一体どのようにして決まるのでしょうか。ここでは、車の修理代が決まる5つのポイントについて解説します。5つのポイントは以下のとおりです。

それぞれ詳しくみていきましょう。

傷の深さ

傷の深さは、車の修理費用に大きく影響を及ぼします。表面のクリア層に限定された軽微な傷は比較的安く修理可能です。しかし、面積が広がったり、金属層に達する深い傷は、修理費が高くなる傾向があります。

傷の数と発生場所も費用に影響し、複雑な場所の傷は高額になりやすいです。たとえば、フェンダーやドアなど、複雑な形状の部分に大きな傷がある場合、修理費は大幅に高くなるでしょう。

傷の場所

傷の場所も、車の修理費用に大きな影響を与えるポイントです。たとえば、修理が難しい箇所に傷がついた場合、ボディの分解が必要となるため工賃が高くなることがあります。

特に、バンパーのように樹脂製のパーツは、へこみや傷が付きやすいです。金属製のドアパネルなどは、板金塗装で修理ができます。しかし、バンパーは板金修理ができず、交換が必要なケースが多いです。

さらに、衝突被害軽減ブレーキを搭載した車では、バンパーの取り外しにエーミング作業が必要です。エーミング作業とは、車の電子制御装置が正しく動作するかどうかを確認し、調整する作業になります。この作業が更なる費用の上昇を招くことがあります。

傷の範囲

傷の範囲は、車の修理費用に直接影響を与えます。広範囲に傷がある場合は、修理に必要な手間が増え、それに伴い薬剤や塗料などの材料消費も大きいです。傷が大きいほど修理にかかる時間と材料が多くなり、修理費用も高くなる傾向にあります。

また、傷の範囲が広がると複数のパーツにまたがる修理が必要になることもあるため、さらに修理費用が上がるでしょう。

へこみや歪み

へこみや歪みは、車の修理費用に大きな影響を与えます。単純な傷であれば、下地処理や塗装での修理が可能です。しかし、へこみや歪みがある場合、地処理や塗装に加えて板金作業が必要になります。そのため、傷のみの修理に比べて高額な費用が必要です。

さらに、へこみや歪みの程度が深刻な場合、パーツの交換が必要な時もあります。特に、車体の構造に影響を与えるような深いへこみや歪みの場合、修理ではなく全体の交換が必要になることがあり、大幅なコスト増につながるのです。

ボディカラー

ボディカラーも、車の修理費用に影響を及ぼす重要なポイントです。通常のホワイトやブラックなどのカラーは、修理費用が大きく跳ね上がることはありません。しかし、角度によって色が変わる偏光カラーや、特殊な調色技術を必要とするボディカラーは、高額になります。

また、クリア層に色付きのクリア塗料を使用しているような特殊なカラーを採用している車種も、高額になりがちです。修理費用は修理の依頼先によっても大きく異なるので、どれくらいの費用がかかるか事前に確認すると良いでしょう。

【業者別】車の傷の修理代の相場

車の傷の修理は、ディーラーや、板金塗装業者、カー用品店・ガソリンスタンドで依頼可能です。しかし、車の傷の修理代は、修理を依頼する業者によって異なります。ここでは、業者別の車の傷の修理代の相場について解説します。

ディーラーでの車の傷の修理代相場

ディーラーは、メーカー指定の正規サービスを行っているため、そのブランドの車に関する専門知識と高い技術力が特徴です。純正部品やメーカーの厳しい基準に沿った修理が行われるため、品質と安心感は保証されます。また、複雑な修理や特殊な塗装にも対応可能です。

しかし、これらの高品質なサービスは修理費用に反映されるため、他の修理業者に比べて費用は高くなる傾向にあります。一部のディーラーでは、洗車や代車の提供などの追加サービスを受けることも可能ですが、費用を抑えたい方にはおすすめできません。

板金業者での車の傷の修理代相場

板金業者は、専門性の高い技術を持っているため、車の傷やへこみの修理において高い技術力が期待できます。特殊な工具や独自の修理方法を採用することでコスト削減を実現し、ディーラーに比べて修理費用を抑えることが可能です。

しかし、業者によっては設備や技術に差があり、サービスの品質にばらつきがあります。そのため、板金業者を選ぶ際には、慎重な判断が必要です。ディーラーよりもコストパフォーマンスの良い修理が期待できるため、費用を重視する方には適しています。

カー用品店・ガソリンスタンドでの車の傷の修理代相場

カー用品店・ガソリンスタンドは、日常的なカー用品の購入や給油のついでに車の傷の修理を依頼できる手軽さが魅力です。また、営業時間が長いため、多忙な方でも利用しやすいというメリットがあります。

ただし、カー用品店・ガソリンスタンドでは、車の修理を専門に扱っているわけではありません。そのため、大規模な損傷や複雑な修理に対応できない場合があります。また、仕上がりの品質にもばらつきが生じることもあるでしょう。

費用面では、ディーラーや専門の板金塗装業者と比較して低価格に設定されていることが多く、手軽さとコストパフォーマンスを求める方に適しています。

【損傷部位別】車の傷の修理代の相場

車の傷の修理代は、損傷部位によって大きく異なります。ここでは、損傷部位別に車の傷の修理代の相場を解説します。

バンパーの傷の修理代相場

バンパーの傷は、車の最もよく損傷する部分で、事故や小さな接触によって簡単に発生します。手のひらサイズの擦り傷の場合、修理費用の相場は一般的に1万円から4万円程度です。しかし、バンパーの修理では部品の交換や、脱着が必要となることもあります。その場合は、追加の工賃や部品代がかかるため、費用が大幅に上がることもあるでしょう。

また、最新の車ではバンパーに組み込まれたセンサーやカメラなどの高度な装備の修理や交換が必要になる場合もあります。そのため、修理費用がさらに高くなる可能性があるため、修理前には詳細な見積もりを取得することも重要です。

フェンダーの傷の修理代相場

フェンダーは、タイヤホイールハウスの上部にあり、バンパーとドアをつなぐ部分で、擦り傷が発生しやすい箇所です。手のひらサイズの擦り傷がある場合の修理費用は、2万円から5万円程度になります。

しかし、リアフェンダーはフロントフェンダーと異なり、簡単には取り外せない構造をしています。そのため、大規模な修理が必要になることもあり、修理費用が高くなることも多いです。フェンダーの修理では、損傷の範囲や深さによって費用が大きく変わるため、修理前に正確な見積もりをしてもらいましょう。

サイドドアの傷の修理代相場

サイドドアの傷は、車の使用中に頻繁につきやすい傷です。手のひらサイズの擦り傷における修理費用の相場は、1万円から5万円程度です。

サイドドアはガラスやゴムなどの樹脂パーツで構成されています。そのため、傷の程度によっては、これらのパーツの脱着作業が必要となることがあります。そうなると、工賃が高くなるため、修理前には損傷の範囲を把握して見積もりを取ることが重要です。

ボンネットの傷の修理代相場

ボンネットの傷は、飛び石や洗車の際のアクシデント、動物の接触などによって発生する傷です。小さい傷の修理費用の相場は、2万円から5万円程度となります。ボンネットは面積が広いため、たとえ小さな擦り傷であっても、修理には部分的な脱着作業が必要になることがあります。

さらに、ボンネットがアルミ製の場合は板金修理が適用できず、部品交換が必要です。そのため、修理費用が高額になる傾向にあります。ボンネットの傷の修理を検討する際は、損傷の程度や素材を考慮し、正確な見積もりを取ると良いでしょう。

バックドアの傷の修理代相場

バックドアの傷は、バック駐車時の障害物との衝突などによって生じます。バックドアの擦り傷の修理費用は、2万円から4万円程度が相場です。しかし、傷の大きさや深さ、修理する車種やモデルによって異なることがあります。

さらに、バックドアには後方カメラやセンサーなどの電子機器が組み込まれている場合もあるでしょう。そのため、損傷がある場合は、更に修理費用が上がる可能性があります。

【状況別】車の傷の修理代の相場

ここでは、状況部によくある車の傷の修理代の相場について解説します。

ブロック塀に擦った傷の修理代相場

ブロック塀に擦ると、バンパーやフェンダーに深いガリ傷が発生しやすく、修理範囲が広範囲に及ぶことが多いです。フェンダーの修理は、最低でも10万円以上の費用がかかります。

バンパーの交換は、軽自動車であれば約5万円から、普通車の場合は10万円から15万円程度が相場です。しかし、衝突の衝撃で周囲のパネルにも被害が及んでいる場合は、修理費用が数十万円に上る可能性もあります。

縁石で擦った傷の修理代相場

縁石に擦ると、バンパーやホイール、サイドシルなどが損傷を受けることが多く、修理費用もさまざまです。バンパーの修理には5万円から15万円が相場で、部分的な補修の場合は1万円から5万円程度です。

ホイールの擦り傷に対しては、修理または交換に5,000円から数十万円がかかり、タイヤのセットで修理する場合は1万円から数十万円となります。また、サイドシルが損傷した場合の修理費用は最低でも8万円からです。

縁石による損傷は外見上の傷だけでなく、車両の構造にも影響を与えている可能性があります。そのため、修理費用は損傷の範囲や深さによって大きく異なる場合が多いです。

ひっかき傷の修理代相場

傷の範囲や深さによって異なりますが、車についたひっかき傷の修理費用は、5万円から10万円程度が相場です。また、目立たなくするだけで良いという場合には、自分で行うタッチアップペンによる修理が適しています。

これはカー用品店やディーラーで1,000円から2,000円程度で購入可能なタッチアップペンを使用し、自分で塗装する方法です。ただし、タッチアップペンでの修理は専門的な修理に比べると仕上がりの品質に差が出やすくなります。そのため、見た目にこだわる場合はプロの修理を検討するのが良いでしょう。

車の傷の修理代を安くする方法

車に傷がついてしまった場合は、できるだけ費用を抑えて修理をしたいという方も多いでしょう。ここでは、車の傷の修理代を安くする方法を4つ紹介します。

それぞれ詳しく解説します。

複数の業者から見積もりを受ける

複数の業者から見積もりを取ることは、修理費用を抑えるのに効果的な方法です。業者によっては、同じ修理内容でも工賃の設定が大きく異なることがあります。修理を検討している場合、最初に3店舗程度の候補を選び、それぞれから見積もりを取ると良いでしょう。

複数の業者から見積もりを受けることで、価格やサービス内容を比較し、最適な業者を選ぶことができます。また、見積もり自体は無料で受けられるので、コストをかけずに情報収集が可能です。

メーカー保証期間中ならディーラーに相談する

メーカー保証期間中であれば、ディーラーに相談することをおすすめします。ディーラーでの修理費用は他の業者に比べて高額になることが多いです。しかし、保証期間内は、状況によって無償で修理してもらえることもあります。

そのため、自分の車のメーカー保証期間を確認することが重要です。保証期間中の問題であれば、修理費用を節約できるため、積極的にディーラーへ相談しましょう。

車両保険を利用する

車両保険によって車の修理費用を大きく節約できる可能性があります。特に車両保険（一般型）に加入している場合、自損事故だけでなく、他損事故に対しても、修理費用の補償を受けることが可能です。

しかし、保険を使用すると、その後の保険料が上がる可能性があります。そのため、保険を利用して増加した保険料が、補償される修理費用を上回るかもしれないことを考慮する必要があります。修理費用の規模と将来の保険料の見込みを比較し、車両保険を利用した方が良いかどうかを確認する必要があります。

部品交換では汎用部品や中古部品を利用する

修理に際してパーツ交換が必要な場合、純正品ではなく中古品やリビルド品を使用することで、修理費用を大幅に削減できます。ディーラーでは主に純正品を使用しますが、板金塗装業者などはこれら代替部品の使用をしてくれることが多いです。そのため、修理業者に対して、これらの部品を使用できるかどうか確認すると良いでしょう。

その傷本当に修理するべき？費用別に選択肢を解説

車の傷を修理する際に、高額な修理費用が見込まれる場合、修理するべきか慎重に判断する必要があります。ここでは、20万円、30万円、50万円、100万円の修理費用の場合に、どのような選択肢が考えられるかを解説します。

修理代が20万円の場合

修理費用が20万円程度の場合、車両保険に加入しているときは保険の利用を検討すべきです。しかし、保険料が上がる可能性も考慮する必要があります。

修理内容にはフロントバンパーの交換やリヤバンパーの交換、フェンダーやドアの板金修理、数パネルの塗装が含まれます。保険等級や契約内容によって最終的な判断が変わるため、保険会社との相談も重要です。

修理代が30万円の場合

修理費用が30万円の場合、新車や高価な車であれば修理すると良いでしょう。しかし、年式が古い車や走行距離が多く査定額が低い場合は、買い替えを検討すべきです。

修理か買い替えかの判断は、車への愛着度や乗り換えのタイミングや修理資金の有無、買い替え資金の有無など状況によって大きく異なります。

修理代が50万円の場合

50万円程度の修理費用がかかる場合、多くは事故に関連する重大な修理が必要になります。そのため、この金額帯での実費修理はおすすめされません。

また、高額な輸入車では、単なるバンパー交換でもこの程度の費用がかかることがあります。保険を利用した方がお得になることが多いですが、将来保険料が増加することも考慮する必要があるでしょう。

修理代が100万円の場合

100万円を超える修理代は、車両のフレームの修正や大規模な修理が必要なため、事故歴が残ることが多いです。車の価値を大きく上回る修理費用が必要な場合は、修理するよりも車の買い替えを検討した方が良いケースも多いです。

保険も利用できますが、保険料の増加や車の価値の低下を総合的に判断する必要があります。また、車がどれくらいの期間安全に乗れるのかやどのようなメンテナンスが今後必要になるのかを業者に確認しましょう。

車の傷は自分で修理できる？判断方法

車の傷の修理を自分で行うことは、コストを抑えたい場合に有効な手段です。市販の傷消しキットは500円から2,000円程度で入手可能です。しかし、自分での修理が可能かどうかは、傷の深さによります。

水をかけて傷が一時的に目立たなくなる場合は、表面のクリア層の損傷のため、市販の修理キットで対応可能です。一方、水をかけても変わらない深い傷や、爪で触れて引っかかる傷は修理業者に相談しましょう。自分で修理する場合は、修理可能な範囲を理解したうえで行うことが大切です。

車の傷を自分で修理する時の費用・修理方法

自分で車を修理するには、以下の3つの方法が挙げられます。

ここでは、それぞれの修理方法の相場や手順について解説します。

コンパウンドで車の傷を修理する

コンパウンドを使用する自己修理は、費用対効果が高く、浅い擦り傷に効果的です。市販されているコンパウンドの価格は、500円から3,000円程度で、多くのカー用品店で入手可能です。

コンパウンドによる修理手順は以下のとおりです。

コンパウンドによる修理は、表面の微細な傷を磨き、目立たなくさせる効果があります。しかし、深い傷や広範囲の損傷には適していません。また、塗り込む際の圧力や量に注意し、適切な手順を踏むことで、傷の見た目を改善できます。

ただし、失敗すると傷を広げたり深くしたりする可能性もあるため注意が必要です。自信がない場合は、専門業者に相談しましょう。

パテで車の傷を修理する

パテを使用する自己修理は、深い傷や凹みがある場合に適しています。市販のパテキットは1,000円から5,000円の範囲で購入でき、大きな凹みや傷も比較的簡単に修復することが可能です。

パテによる修理手順は以下のとおりです。

パテ修理のポイントは、塗布後に平滑化することです。研磨作業で表面を滑らかに仕上げ、塗装作業への準備を整えることが重要になります。パテは、深い傷や凹みも目立たなくすることができますが、仕上げの質が見た目を大きく左右するため、慎重に作業しましょう。

タッチペンで車の傷を修理する

タッチペンを使った修理は、小さな傷や塗装の剥がれに特に適しています。この方法は比較的簡単で、費用も抑えられるため、小規模な修理には理想的です。タッチペンはカー用品店で500円から2,000円程度で販売されています。タッチペンによる修理手順は以下のとおりです。

タッチペンによる修理のポイントは、色を一致させることです。車体の塗装色とピッタリ合うタッチペンを選ぶことが重要です。また、傷が深い場合や広範囲に及ぶ場合は、タッチペンだけでは不十分のため、専門業者に依頼しましょう。

自分で車の傷を修理する際の注意点

自分で車の修理をする際には、以下の2点を注意する必要があります。

それぞれ詳しく解説します。

場合によっては費用がかさむことがある

自分で修理を試みる際、必要となる材料や道具をすべて自分で揃える必要があります。修理に必要な道具には、磨き用のペーパーや塗料、クリアー剤、コンパウンドなどさまざまです。これらを一から揃えるとなると、思いのほか費用がかさむことがあります。

特に深い擦り傷の場合、修理に必要な道具は多くなるでしょう。そのため、単発の修理であれば専門業者に依頼する方がコストパフォーマンスが良いこともあります。

車の傷を直すには手間と技術が必要になる

車の傷を直す際は、傷の箇所や深さ、範囲に応じた適切な工具や手法が必要です。これには専門的な知識と経験が求められます。特に仕上がりのクオリティにこだわる場合、高度な技術力と複数の作業工程が必要でしょう。

また、自分で修理を試みると失敗するリスクがあり、最終的には手間やコストが増える可能性があります。そのため、最初から専門業者に依頼した方が良いことも少なくありません。プロに依頼することで高いクオリティの修理が保証され、失敗のリスクを避けることができるでしょう。

まとめ

車の傷の修理代は、傷の箇所や深さ、範囲によって異なります。軽度の擦り傷ならば、市販の傷消しアイテムやタッチペンを使って自分で修理が可能です。

しかし、傷が深い場合や自己修理に自信がない方は、プロの修理業者に依頼すると良いでしょう。修理業者に依頼することで、高品質かつ信頼性のある修理が保証され、傷を確実に修復することができます。また、修理を依頼する業者は、費用と品質のバランスを考慮して自分に適した方法を探しましょう。