更新日2024.04.23

トラックの維持費はどれくらい？税金や車検費用・維持費を安く抑える方法について解説

トラックを所有したいと考えている方いませんか。トラックを購入する多くの方は、車両購入金額のことを考えていますが、購入後の維持費を把握している方は意外と多くありません。つまり、トラックを所有する際には毎年かかる維持費を把握する必要があります。

それでは、実際にトラックの維持費はどのくらい必要になるのでしょうか。この記事では、トラックの維持費がどのくらい必要なのか解説します。

記事内ではトラックの維持費を安く抑えるコツも紹介しています。気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

またトラックの維持費を安く抑える事は大事ですが、それだけでは限界があります。維持費だけに囚われるのではなく、自動車関連の費用を抑えるには、乗り換えの際に、いま乗っている車を高く売るなどの工夫が必要です。
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この記事でわかること

・トラックの維持費
・その他必要に応じてかかる費用
・トラックの維持費を抑える方法

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トラックとは？

トラックとは、一言で解説すると「車の荷台に荷物や貨物を積載・運搬することに特化した車両」のことです。トラックは人が乗車するキャブスペースと荷物を積載する部分が区切られています。

トラックは主に引越し業者や宅配などの使用目的で使われることが多く、需要が高い車両です。トラックには数多くの種類があります。具体的には以下のとおりです。

トラックの種類

・平ボディ
・バンボディ
・ウィングボディ
・クレーン
・テールゲートトリフタ

トラックの維持費内訳

トラックを所有する際に必要な維持費の内訳を解説します。毎年必要な維持費は以下のとおりです。

トラックの維持費内訳

・自動車税
・車検費用
・法定費用
・印紙代
・自賠責保険料
・自動車重量税

上記維持費の中で車検代は毎年必要になる維持費ではありません。初度登録から3年未満の場合には3年に1回、継続車検時には2年に1回ごとに費用の負担があります。

自動車税

自動車税は、車やトラックを毎年4月1日時点で所有する全ての方に対して課税義務が発生する税金です。具体的に課税される対象者は、車検証の「所有者欄」に記載された方に納税証明書の支払い通知書が毎年5月上旬頃に自宅に届きます。

トラックの自動車税は「自家用」と「貨物用」によって課税される税金が異なります。

具体的には以下の表を参考にしてください。

車両重量	自家用	貨物用
1,000kg以下	6,500円	8,500円
1,000kg〜2,000kg	9,000円	11,500円
2,000kg〜3,000kg	12,000円	16,000円
3,000kg〜4,000kg	15,000円	2,0500円
4,000kg〜5,000kg	18,500円	25,500円
5,000kg〜6,000kg	22,000円	30,000円
6,000kg〜7,000kg	25,500円	35,000円
7,000kh〜8,000kg	29,500円	40,500円
8,000kg〜	1,000kg増えるごとに4,700円加算される	1,000kg増えるごとに6,300円加算される

トラックの場合、所有するトラックの車体重量によって自動車税が設定されます。つまり、車体重量が大きくなるほど、毎年課税される自動車税が高くなる仕組みです。

車検費用

車検は定められた期間で必ず実施しなければいけない点検作業です。初度登録から3年未満のトラックの場合3年に1回、3年目以降は2年に1回ごとに実施義務があります。車検費用の中には、車検基本料金以外に自賠責保険料や印紙代、消耗部品交換費用が含まれます。

トラックの車検費用はおよそ「5万円〜8万円」ほどです。車の状態が悪く交換する部品が発生した場合には、別途追加料金が発生します。

法定費用

法定費用とは、車検基本料金以外に「自動車重量税・自賠責保険料・印紙代」の3つの費用で構成されています。法定費用は法律に定められた点検作業であり、車検実施時に必ず作業しなければいけません。

車の初度登録からの経過年数が13年以上になると自動車税や自動車重量税が課税される仕組みになっています。

自賠責保険料

自賠責保険は、トラックを所有する全ての方に加入する義務がある強制保険です。自賠責保険では、相手の損害に対して死亡時には3,000万円、後遺障害時には4,000万円、治療費などには120万円まで補償が適用されます。

トラックを所有する際に負担する自賠責保険料は、車体重量によって異なり、重量が重くなるほど負担額が大きくなる仕組みです。

自動車重量税

自動車重量税とは、車両総重量に対して課税される税金です。支払い義務が発生するタイミングは、トラックを購入したケースと継続車検を行う場合の2つのケースです。自動車重量税は、車両総重量以外に排気ガスの数値や新車からの使用経過年数によって負担する税金額が変動します。

今後、トラックを所有する際には、まず車両総重量を確認後、自動車重量税を調べてみましょう。

印紙代

印紙代は、車検を実施する中で新しい自動車検査証を添付する際に必要になる手数料のことです。印紙代として負担する手数料は、依頼業者によって金額が異なります。指定工場の場合2,200円、持ち込み検査の場合1,600円です。

金額を少しでも安く抑えたい方は、持ち込み検査の実施をおすすめします。

車検基本料金

車検基本料金は、車検を実施するうえで自動車整備士が作業を代行する費用のことです。車検基本料金は、ガソリンスタンドやディーラーなどで基本となる金額が大きく異なります。さらに、車検を依頼する車種によっても異なり、車体サイズが大きくなるほど整備箇所も比例して大きくなるため、結果的に費用が高額になりやすいです。

ガソリンスタンドやカーショップとディーラーの車検基本料金を比較すると、1.5倍〜2倍ほどディーラーの方が高くなっています。ただし、ディーラーでは1つ1つの点検作業に対してトラックのプロの整備士が対応してくれるため、金額以上の安心感を得られるでしょう。

ガソリン費用

ガソリン費用はトラックの燃費性能によって異なります。以下の内容ではトラックの平均的なガソリン代と走行距離別のガソリン代をシミュレーションしてみました。

あくまで参考となるガソリン価格であり、車種ごとの車両スペックによって金額が異なることをまずは理解してください。

平均のガソリン代

トラックの場合、車両サイズによって燃費性能が異なります。トラックの車両サイズごとの燃費性能を以下にまとめてみました。

車両サイズごとの燃費性能

・小型トラック：4.5km/L〜6.5km/L
・中型トラック：4km/L〜5km/L
・大型トラック：3km/L〜3.5km/L

上記、燃費性能はあくまで概算数値であり、車種ごとに詳細な数値は多少異なります。

以下では走行距離別のガソリン代をシミュレーションしています。

走行距離別ガソリン代シミュレーション

走行距離別ガソリン代を以下の条件を元にシミュレーションしてみました。

ガソリン代のシミュレーション条件

・レギュラーガソリン：170円/L
・トラックの燃費性能（WLTCモード）：3km/L（大型トラック）

年間走行距離の具体的な走行距離は以下のとおりです。

具体的な年間走行距離数

・年間走行距離3,000kmの場合
・年間走行距離5,000kmの場合
・年間走行距離8,000kmの場合

それぞれの条件を詳しく解説します。

年間走行距離3,000kmの場合

年間走行距離が3,000kmの場合に必要なガソリン価格は以下のとおりです。

ガソリン代の算出

・1年で消費するガソリン：3,000km÷3.0km/L＝1000L
・年間のガソリン代：1000（L）×170円/L＝170,000円

年間走行距離が3,000kmの場合に必要なガソリン価格は約170,000円です。大型トラックの場合、燃費性能が3km/Lと低い数値であることから、ガソリン価格が高くなる傾向にあります。

少しでもガソリン価格を高額にしないためにも、強弱の少ない安全な運転を意識することが重要です。

年間走行距離5,000kmの場合

年間走行距離が5,000kmの場合に必要なガソリン価格を以下の条件を元に算出してみました。

ガソリン代の算出

・1年で消費するガソリン：5,000km÷3.0km/L＝1666L
・年間のガソリン代：1666（L）×170円/L＝283,000円

年間走行距離が5,000kmの場合、年間で負担するガソリン価格は283,000円となります。月で計算すると約20,000円の金額です。小型トラックや中型トラックであれば、大型トラックよりも多少燃費性能が優れているため、負担するガソリン価格も抑えられるでしょう。

年間走行距離8,000kmの場合

年間走行距離が8,000kmの場合に負担するガソリン価格を以下の条件を元に算出しました。

ガソリン代の算出

・1年で消費するガソリン：8,000km÷3.0km/L＝2666L
・年間のガソリン代：2666（L）×170円/L＝453,220円

年間走行距離が8,000kmの場合、1台のトラックを所有するうえで負担するガソリン価格は408,000円となります。トラックを所有する方の中でも長距離運転を中心に行う場合であれば、想定されるガソリン価格です。

少しでもガソリン価格を抑えるためにも、ディーゼル仕様トラックの購入や燃費性能を高める運転方法の実施をおすすめします。

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任意保険

任意保険とは、自賠責保険で補えない対人以外の損害費用をカバーします。例えば、車両事故に対しての対物損害や自分の車両損害、搭乗者に対しての損害費用などが挙げられます。任意保険は車両保険有りと車両保険無しの場合で年間に負担する金額が異なります。具体的には以下のとおりです。

車両保険有無に対してのトラックの任意保険料

・車両保険なしの場合：60,000円〜80,000円
・車両保険ありの場合：100,000円〜200,000円

トラックの任意保険は加入をおすすめしていますが、トラック業者によって車両保険に加入しているケースと加入していないケースがあります。仮に車両保険を付帯していない場合、トラックを運転中に発生した車両損害に対して自分が所有している車の損害費用が自己負担になることを理解しておきましょう。

メンテナンス費用

トラックのメンテナンス費用について詳しい内容を紹介します。

トラックを所有する際に必要なメンテナンス費用

・洗車費用
・消耗品費用

トラックに必要なメンテナンス費用を詳しく解説します。

洗車費用

トラックは日頃から排気ガスや砂埃、雨などにさらされる機会が多い分、どうしても車体が汚れやすいです。そのため、定期的なトラックの洗車は欠かせません。トラックを洗車する際には、大型専用洗車機もしくはセルフ洗車のどちらかで行います。

大型専用洗車機を使用する場合の費用は600円〜1,500円です。セルフ洗車の場合、費用負担だけになりますが、洗車する際に必要な道具を揃える必要があります。

消耗品費用

トラックを所有するうえで発生する消耗品費用を以下にまとめました。

トラックを所有するうえで発生する消耗品費用

・エンジンオイル
・オイルフィルター
・タイヤ
・ワイパーゴム・ブレード
・ブレーキオイル
・ウォッシャー液

それぞれの消耗品費用について詳しく解説します。

エンジンオイル

エンジンオイルの交換は、トラックを所有するうえで欠かせないメンテナンスの1つです。エンジンオイルを交換する際の費用は、自分で交換する方法と整備士に交換を依頼する方法で金額が異なります。ディーラーやガソリンスタンド、カー用品店にエンジンオイルの交換を依頼する場合で必要な費用はおよそ3,000円〜4,000円です。

一方、自分でエンジンオイルの交換を行う際には、エンジンオイルを購入する必要があります。エンジンオイルの購入費用は1缶5,000円程度です。

オイルフィルター

オイルフィルターはエンジンオイルを交換したタイミングや10,000kmに1回の交換が推奨されています。オイルフィルターの交換を自分で作業する方も中にはいますが、フィルターを取り外したタイミングでオイルが飛散する可能性が高いため、作業に慣れていない方にはおすすめしません。

オイルフィルターをカー用品店やディーラーで代行してもらう場合には、1回につき5,000円〜8,000円の費用が必要になります。

タイヤ

タイヤはトラックをあまり使用しない場合でも2年〜3年に1回の交換が推奨されています。タイヤ交換と聞くと、タイヤの表面がツルツルになることをサインにして交換される方も中にはいます。しかし、タイヤの側面がひび割れすることで交換しなければいけないケースもあります。

タイヤを交換せずにそのまま走行していると、ある日突然、タイヤがバーストしてしまうこともあります。トラックのタイヤサイズは乗用車と比べてサイズが大きいため、1回の交換に必要な費用は100,000円以上を予想しておくことをおすすめします。

ワイパーゴム・ブレード

ワイパーゴムやブレードは消耗部品の1つです。ワイパーブレードやゴムは1年ごとの交換が推奨されています。特にワイパーゴムはコツさえ掴めば自分で交換でき、ディーラーやカー用品店に代行依頼する必要はありません。

ディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドなどに交換を依頼する場合、ワイパーゴム1本につき800円〜1,500円の費用が必要です。ワイパーブレードの交換は1本につき、1,000円〜1,500円の交換費用が必要になります。

ブレーキオイル

ブレーキオイルの交換もトラックを長年所有するうえで重要な交換作業です。ブレーキオイルは2年に1回の交換が推奨されています。トラックのブレーキオイルを交換する際の費用はディーラーやガソリンスタンドに依頼する場合、4,000円〜7,000円ほどです。

自分でブレーキオイルの交換作業を行う場合、ブレーキオイル缶を購入する必要があります。ブレーキオイル缶は1缶につき、およそ3,000円〜5,000円ほどです。

エアコンフィルター

エアコンフィルターは、1年に1回の交換が推奨されています。交換しない状態のまま、使用し続ける方法も良いですが、エアコンフィルターを交換しなければ、カビ臭い臭いが車内に充満してしまうでしょう。

エアコンフィルターを交換する際の費用は、部品代を含めて3,000円〜5,000円程度です。エアコンフィルターはエンジンオイルの交換と同じく、コツさえ掴めば自分で交換作業が行えます。交換費用を抑えるためにも、YouTubeやネットの情報を元にエアコンフィルターの交換作業にチャレンジしてみることをおすすめします。

ウォッシャー液

ウォッシャー液は定期的な交換が推奨されている消耗部品です。ウォッシャー液はワイパーを動かすレバーを手前に操作することでガラスに液体が噴射します。ウォッシャー液の役割は、ガラスに付着した砂埃や汚れを取り除くことです。

ウォッシャー液を補充していなければ、必要なタイミングで液体がガラス面に噴射されません。ウォッシャー液は、ガソリンスタンドやディーラーなどで点検作業を依頼することで補充してくれます。費用としては、1回につき500円〜1,000円ほどが相場です。

その他必要に応じてかかる費用

トラックを所有する際に必要なその他の費用を以下にまとめました。

トラックを所有する際に必要なその他の費用

・高速代
・駐車場代
・修理費

それぞれの費用を詳しく解説します。

高速代

トラックの高速代は、走行距離と車両サイズ、利用時間によって算出されます。トラックを所有する多くの方は、自家用車ではなく事業用として使用されている方が多いです。そのため、高速代を節約することで維持費を節約できます。

高速代を節約するためには、高速道路を利用する時間帯を意識しましょう。高速道路は深夜や早朝の利用に対して割引制度を適用しています。割引率は利用する時間帯によって異なりますが、通常価格から約10%〜30%ほど安くなります。

駐車場代

駐車場代はトラックを自宅や職場に駐車するスペースがない場合に負担する費用です。トラックを駐車するスペースは、自家用車が駐車できるスペース以上の駐車範囲が必要です。

駐車スペースが広範囲になるからこそ、1ヶ月で必要となる駐車場代も高額になりやすい傾向にあります。具体的な費用はおよそ「8,000円〜15,000円」ほどです。

修理代

修理代はトラックが万が一の車両事故を引き起こした際や故障・不具合発生時に必要な維持費です。トラックの場合、自家用車とは異なり構成部品が多い傾向にあります。そのため、1つの不具合が発生した際に交換が必要となる部品件数も多く、費用が高くなりやすいです。

万が一の故障や不具合に対応するためにも定期的なメンテナンスを実施して、修理費用が高額になる前に対策しましょう。

トラックの維持費総額

ここまでトラックを所有する際の費用を解説してきました。上記費用を合計するとトラックに必要になる維持費は以下のとおりです。

自動車税	6,500円〜45,000円
車検費用	50,000円〜80,000円
ガソリン代（年間8,000km）	408,000円
任意保険料	60,000円〜200,000円
維持費合計（年間）	524,500円〜733,000円

上記で記載した金額はあくまで概算維持費です。トラックを所有する場合には、最低限約500,000円以上の費用が必要です。ただし、トラックの燃費性能によってガソリン価格をさらに抑えることも可能です。

トラックの維持費を少しでも安く抑えたい方は、任意保険の見直しや車検の依頼場所を変更するなどの対策をとりましょう。