更新日2025.02.02

ノアの維持費はどれくらい？税金や車検費用・維持費を安く抑える方法について解説

トヨタのノアは、ミニバン市場を牽引する1台として幅広い世代から高い人気と注目を集めています。2022年の3月には8年ぶりとなるフルモデルチェンジを実施しており、購入を検討している方も多いのではないでしょうか。

実際にノアを所有する際は、車両購入価格だけでなく、車を所有し続けるうえでの維持費を把握する必要があります。そこでこの記事では、税金や車検費用などのノアの維持費について詳しく解説します。

ノアの維持費を安く抑えるための効果的な方法もあわせて解説しているため、ノアの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

またノアの維持費を安く抑える事は大事ですが、それだけでは限界があります。維持費だけに囚われるのではなく、自動車関連の費用を抑えるには、乗り換えの際に、いま乗っている車を高く売るなどの工夫が必要です。
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この記事でわかること

・ノアの維持費内訳
・ノアの維持費総額
・ノアの維持費を抑える方法

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ノアの維持費内訳

ノアを所有する際に必要な維持費には、具体的には以下のようなものが必要です。

ノアを所有する際の維持費内訳

・自動車税
・車検費用
・ガソリン費用
・任意保険
・メンテナンス費用
・その他必要に応じてかかる費用

それぞれの維持費について詳しく解説します。

自動車税

自動車税は、毎年4月1日時点の車の所有者に課税義務が生じる税金です。自動車税は、車種ごとの排気量によって税額が算出されています。排気量ごとの自動車税額については以下の表を参考にしてください。

排気量	2019年9月30日以前の車	2019年10月1日以降の車
～1,000cc	29,500円	25,000円
1,001cc～1,500cc	34,500円	30,500円
1,501cc～2,000cc	39,500円	36,000円
2,001cc～2,500cc	45,000円	43,500円
2,501cc～3,000cc	51,000円	50,000円
3,001cc～3,500cc	58,000円	57,000円
3,501cc～4,000cc	66,500円	65,500円
4,001cc～4,500cc	76,500円	75,500円
4,501cc～6,000cc	88,000円	87,000円
6,001cc～	111,000円	110,000円

ノアの排気量は1,797cc〜1,986ccです。そのため、毎年課税される自動車税額は39,500円となります。ただし、2019年10月1日以降の車は税制改正が実施されたことにより、年間で負担する自動車税額は36,000円と減額されます。

車検費用

車検費用は「車検基本料金＋法定費用＋印紙代」の総額です。車検基本料金については、ディーラーやガソリンスタンド、カー用品店によって工賃が異なるため、一律ではありません。ノアの車検費用の相場は「総額6万円〜8万円」です。

法定費用や印紙代は金額が一律であるため、金額の変動はありません。ただし、法定費用の中でも重量税については、初度登録から13年以上経過した車に対して15％〜20％ほど課税されるため注意してください。

法定費用

車検時に必要な法定費用は、具体的には以下の3つの費用で構成されています。

法定費用の内訳

・自賠責保険料
・自動車重量税
・印紙代

それぞれの法定費用について詳しく解説します。

自賠責保険料

自賠責保険とは、車を所有する全ての方に対して加入が義務付けられる強制保険です。自賠責保険では、交通事故に遭った被害者を救済するための加害者側の費用負担を補償します。

自賠責保険の詳細な金額を以下の表にまとめました。

保険期間	金額
1ヶ月	5,870円
12ヶ月	15,520円
13ヶ月	16,380円
24ヶ月	25,830円
25ヶ月	26,680円
36ヶ月	35,950円
37ヶ月	36,780円

自賠責保険は、車検期間満了月にプラス1ヶ月追加して書類を発行する仕組みになっています。つまり、ノアの車検実施時には24ヶ月分で自賠責保険の書類を発行するため、25,830円の税額を負担する必要があります。

自賠責保険に加入せず車を運転した場合には、50万円以下の罰金もしくは1年以下の懲役のどちらかが科せられるため必ず加入するようにしましょう。自賠責保険は保険会社によって金額が変動するものではありません。

自動車重量税

自動車重量税は、車種の車両総重量ごとに課税される金額が異なります。自動車重量税を算出する際には、500kgごとに4,100円ずつ課税されます。具体的な自動車重量税は、以下の表を参考にしてください。

自動車重量	自動車重量税
～500kg	8,200円
501kg～1,000kg	16,400円
1001kg～1,500kg	24,600円
1,501kg～2,000kg	32,800円
2,001kg～2,500kg	41,000円
2,501kg～3,000kg	49,200円
3,000kg～	49,200円

ノアの車両総重量は1,670kgであるため、課税される重量税は32,800円です。重量税は、新車購入時と継続車検実施時の2つのタイミングに課税されます。初年度登録から13年以上経過すると、課税される重量税が15%〜20％ほど割高になるため注意しましょう。

印紙代

印紙代とは、車検実施時に自動車検査票を添付する印紙を発行する際に発生する手数料負担のことです。印紙代は、車検を依頼する工場が「持ち込み対応での検査実施」もしくは「指定工場での検査実施」によって金額が多少変動します。

具体的には、持ち込み検査の場合1,600円、指定工場での検査の場合2,200円の手数料負担が発生する仕組みです。それぞれの手数料を比較するとわずか600円程度ですが、車検費用を少しでも安く抑えたい方は持ち込み検査をおすすめします。

車検基本料金

車検基本料金とは、車検実施する際に整備士が代行作業する費用のことです。車検基本料金は、ディーラーやガソリンスタンド、カー用品店によって金額が異なります。ディーラーとガソリンスタンドの車検基本料金を比較すると、1.5倍〜2倍ほどディーラーの方が高めに金額が設定されていることが多いです。

少しでも車検費用を安くしたい方は、ディーラーやガソリンスタンド、カー用品店など複数の業者に車検見積をとりつつ、適正価格を提示した業者に作業を依頼すると良いでしょう。

ガソリン費用

ノアを所有するうえで、ガソリン代は必ずかかる費用です。ここでは、負担するガソリン費用について、グレードごとの燃費性能を元に走行距離別にシミュレーションします。

ノアのグレードごとの燃費

ノアの燃費性能は以下のとおりです。

	ノアの燃費
WLTCモード（km/L）	15.0km/L〜23.0km/L
市街地モード（km/L）	11.4km/L〜22.2km/L
郊外モード（km/L）	15.3km/L〜25.0km/L
高速道路モード（km/L）	16.9km/L〜22.1km/L

ノアの燃費性能をグレード別に比較すると、各グレードによって数値に多少の差があります。燃費性能は車両総重量によって変動するため、標準装備している装備類によっても燃費が変動します。

さらにノアの場合、ハイブリッド仕様とガソリン仕様で燃費性能が大きく異なります。少しでもガソリン価格を抑えたい方は、ハイブリッド仕様のグレードがおすすめです。

走行距離別ガソリン代シミュレーション

ノアのガソリン代について、走行距離別にシミュレーションしました。ガソリン代を算出する際の具体的な条件は以下のとおりです。

ガソリン代のシミュレーション条件

・レギュラーガソリン：170円/L
・ノアの燃費性能（WLTCモード）：23.0km/L

それぞれの走行距離別のガソリン代を見ていきましょう。

年間走行距離3,000kmの場合

年間走行距離が3,000kmの場合、想定される使用目的としては週末だけノアを使用するケースや、通勤距離が往復10km以内のケースが挙げられます。以下では、年間走行距離が3,000kmの場合に負担するガソリン代を算出しました。

ガソリン代の算出方法

・1年間に消費するガソリン量：3,000km÷23.0km/L＝年間130.4L
・年間負担するガソリン代：130.4L×170円/L＝22,168円

年間走行距離が3,000kmの場合、1年間で負担するガソリン代は22,168円です。

年間走行距離5,000kmの場合

年間走行距離が5,000kmの場合、想定されるノアの使用目的としては通勤距離が往復20km走行するケースや月1回〜2回ペースで遠出でノアを使用するケースなどが挙げられます。以下では、年間走行距離が5,000kmの場合に負担するガソリン代を算出しました。

ガソリン代の算出方法

・1年間に消費するガソリン量：5,000km÷23.0km/L＝年間217.3L
・・年間負担するガソリン代：217.3L×170円/L＝36,941円

年間走行距離が5,000kmの場合、1年間で負担するガソリン代は36,941円です。

年間走行距離8,000kmの場合

年間走行距離が8,000kmの場合、想定されるノアの使用目的は通勤距離が往復30km〜50kmのケースや毎週遠出でノアを運転するケースなどが挙げられます。以下では、年間走行距離が8,000kmの場合に負担するガソリン代を算出しました。

ガソリン代の算出方法

・1年間に消費するガソリン量：8,000km÷23.0km/L＝年間347.8L
・年間負担するガソリン代：347.8L×170円/L＝59,126円

年間走行距離が8,000kmの場合、1年間で負担するガソリン代は59,126円です。

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任意保険

任意保険とは、自賠責保険でカバーできない損害費用を補填するものです。任意保険料は契約者の等級や車両保険の有無、付帯する保険内容、運転者の限定などによって金額が異なります。

加入する保険会社が「ダイレクト型自動車保険」か「代理店型自動車保険」なのかによっても金額が異なるため注意が必要です。ノアの任意保険料を「15等級・車両保険有無」と「20等級・車両保険有無」ごとにそれぞれまとめました。

15等級の任意保険料

・車両保険あり：8万円〜15万円
・車両保険なし：6万円〜10万円

20等級の任意保険料

・車両保険あり：7万円〜13万円
・車両保険なし：5万円〜8万円

保険料は決して安くはないため、必要なプランをしっかり検討しましょう。

メンテナンス費用

車のメンテナンスは、ノアを長年故障や不具合なく所有していくうえで重要であるため、定期的に行うことが推奨されています。

メンテナンスの主なものとして、洗車と消耗品の交換・点検が挙げられます。ここでは、洗車費用や消耗品の交換や修理にかかる費用について詳しく解説していきます。

洗車費用

洗車は、車の外装を定期的に綺麗にするために重要なメンテナンスの1つです。洗車にかかる費用は「機械式洗車機」もしくは「手洗い洗車」によって金額が異なります。機械式洗車機を利用する場合には、1度の洗車で400円〜1,000円の費用が必要です。

手洗い洗車の場合は、車を洗車するスタッフの人件費が必要になるため、1回の洗車費用は数千円ほどかかります。車の汚れの度合いなどに合わせて、洗車方法を選ぶようにしましょう。

消耗品費用

ノアを所有するうえで必要になる消耗品は以下のとおりです。

ノアを所有するうえで必要な消耗品

・エンジンオイル
・タイヤ
・バッテリー
・ウィンドウォッシャー液
・ワイパーブレード・ゴム
・エアコンフィルター

それぞれの消耗品について詳しく解説します。

エンジンオイル

エンジンオイルの交換は、ノアを維持するうえで欠かせません。エンジンオイルの交換を長期間行わないと、エンジンの焼き付きやオーバーホール交換が必要になり、高額な修理費用が発生する恐れがあります。

エンジンオイルの交換費用は1回につき、およそ2,000円〜4,000円ほどです。ただし、エンジンオイル交換を依頼する業者によって、オイル単価や交換作業工賃が異なります。少しでも交換費用を抑えたい場合は、自分で交換することも可能です。

タイヤ

タイヤは走行距離に関係なく、経過年数によって劣化が進みタイヤのひび割れなどが発生します。また、溝が1.6mm以上無いと法律違反となるため注意が必要です。定期的にローテーションや交換を行うことで安全に走行できます。

ノアのタイヤを交換する場合に必要な費用は、18,500円〜43,600円ほどです。

バッテリー

バッテリーは2年〜3年に1回の交換が推奨されています。バッテリーの使用頻度や経過年数によって劣化スピードが早くなり、最終的にはエンジンをかける電力を補えない可能性があります。ノアに対応したバッテリーを交換する費用は、1回10,000円〜25,000円ほどです。

バッテリーの劣化状態を確認するためには、車の定期メンテナンスは重要です。おすすめは、半年に1回プロの整備士に車の状態を確認してもらうことです。普段車をあまり使用しない方でも、最低1週間に1回は車のエンジンをかけるよう意識してください。

ウィンドウォッシャー液

ウィンドウォッシャー液は、フロントガラスの汚れ拭きに利用するもので、安全に走行するためには欠かせない消耗品です。ウィンドウォッシャー液を補充する場合の費用は、本体だけであれば1,000円〜1,500円ほどです。作業工賃も液体を補充するだけの作業であるため、無料で対応してくれることが多いです。

ウォッシャー液の補充作業は、補充箇所さえ理解すれば初心者の方でも対応できます。ウォッシャー液の液体容量の確認は日々の自己点検内容の1つでもあるため、自分で管理することをおすすめします。

ワイパーブレード・ゴム

ワイパーブレードやゴムの交換は、1年に1回が推奨されています。ワイパーブレードを交換は1本につき1,000円程度、ワイパーゴムの交換費用は1つにつき800円〜1,000円ほどです。ワイパーゴムを交換せず、そのまま使用し続けるとフロントガラスに傷が入ってしまう可能性があります。

ワイパーブレードとゴムの交換も、整備士や業者に依頼せずに自分でできる作業内容です。交換作業に発生する費用負担を抑えたい方は、自分で交換する方法を動画やネットで確認すると良いでしょう。

エアコンフィルター

エアコンフィルターは、1年に1回の交換が推奨されています。エアコンフィルターを交換せずにそのまま使用し続けた場合、カビが発生し悪臭が車内に漂い、気持ちの良い運転ができません。車内に菌が充満している状態が続くと健康上も良くないため、定期的な交換をおすすめします。

エアコンフィルターの交換費用は、1回につき部品代と作業工賃を含めて3,000円〜5,000円程度です。エアコンフィルターは自分で交換することもできるため、コストを抑えたい方は試してみましょう。

その他必要に応じてかかる費用

その他にも、ノアを維持するうえで必要になる費用には以下のようなものがあります。

ノアを所有するうえで必要になる費用

・高速代
・駐車場代
・修理代

それぞれ詳しく解説します。

高速代

高速代は、通勤や遠出などで高速道路を利用する場合に必要な移動費です。高速代は区間や高速道路を利用する時間帯によって金額が異なります。

高速代を抑えたい方は、深夜割引や早朝割引が適用されるタイミングに合わせて高速道路を利用しましょう。ただし、割引が適用されるのはETCを搭載している場合に限ります。

駐車場代

駐車場代は、車を駐車するスペースが自宅にない場合に必要な費用です。駐車場代は、利用する場所や地域によって金額が大きく異なります。

駐車場代を少しでも安く抑えたい方は、自宅周辺の月極駐車場をそれぞれ比較してみましょう。屋根のあるなしや、舗装がされているかどうかなどで金額に差があります。数百円の差だったとしても、年間で考えると数千円単位も負担する金額が異なるため、しっかり検討しましょう。

修理代

修理代は、ノアに不具合や故障、板金修理が必要になった場合に必要な費用です。特に、板金修理などで車を修理する場合、自分が想像している以上に高額な費用を請求される可能性が高いです。

修理費用によっては車両保険を適用して費用をカバーすることもできますが、翌年の保険料が割高になるリスクもあります。実費負担するのか保険適用でカバーするのかをじっくり考えたうえで、支払い方法を判断してください。

ノアの維持費総額

ノアを所有する際に必要な維持費について、解説してきました。費用を合計すると以下のような金額になります。

自動車税	36,000円〜39,500円
車検費用（1年あたり）	60,000円〜80,000円
ガソリン代（年間8,000km）	59,126円
任意保険料	50,000円〜150,000円
維持費合計（年間）	205,126円〜328,626円

ノアの年間維持費を合計すると、総額は「205,126円〜328,626円」です。ノアは車両総重量と排気量が大きいことで、課税される税額が高額に設定されています。

ガソリン代はWLTCモード23.0km/Lで年間走行距離が8,000kmの場合に想定した費用であり、走行距離が少なくなった分だけ負担する費用も抑えられます。

ただし、この金額は車の使用用途や走行状況などによって変動することを理解しておきましょう。