
事故歴のある車は、修理もしくは廃車を検討する人がいるかもしれません。事故歴のある車でも、中古車買取業者などに買取してもらうことは可能です。
ただし「事故歴」と似た言葉で「修復歴」「修理歴」があり、どの分類の車かによって査定金額に与える影響が異なります。
この記事では「事故歴のある車」の意味や査定額への影響、買取を依頼する際に気をつけたいことなどを解説します。事故歴がある車を高く買い取ってもらうコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- ・事故歴のある車の意味
- ・買取を依頼できる場所
- ・高く買取してもらうコツ
- ・買取の際の注意点
目次
事故歴のある車も買取してもらえる!
事故をした経験がある車や、事故により修理が必要な状態の車でも、買取は可能です。故障や破損がある車を買取してもらえることに、疑問を感じる人もいるでしょう。
事故歴のある車は、業者により買取されたあと、解体して部品のみを売却するか海外へ輸出します。これにより利益を得ることができるため、事故を経験した車でも買取してもらうことができるのです。
「事故歴のある車」の意味と査定額への影響
「事故歴」と似た言葉として「修復歴」「修理歴」もあり、それぞれ特徴や査定額への影響が異なります。

事故歴のある車のことを「事故車」ということもありますが、これは正式な呼び方ではなく、自動車業界では使われません。
| 分類 | 特徴 | 査定額への影響 |
| 事故歴のある車 | ・交通事故の経験がある ・表示義務なし | ・フレームの修復経験の有無による |
| 修復歴のある車 | ・フレームの修復経験がある ・表示義務あり | ・大きく影響する |
| 修理歴のある車 | ・フレーム以外の修理経験がある (ボディのキズ、ヘコミなど) ・表示義務なし | ・あまり影響しない |
フレームに損傷があるかや修復歴があるかは、査定額に大きく影響します。「事故歴のある車」というのは、ざっくりとした言い方であり、「事故をした際にフレームを修復しているか否か」で分類が変わります。
査定額は車種や年式のほか、走行距離、修復歴の有無など、さまざまな要因により異なるため、金額の目安を掲示することは難しいのが現状です。具体的な金額を知りたい場合は、査定を依頼するなどして、実車を見てもらいましょう。
フレームとは
フレームとは車の骨格のようなものであり、各パーツを取り付ける土台となる重要な部分です。
フレームが損傷することで、スピードを出して走行した際に安定感に欠けたり、ハンドリングに違和感が出たりなど、操作性や快適性に影響が出てしまいます。フレームの損傷によりこれらの影響が症状として出ている場合、車検に通らなくなります。

1. フレーム(サイドメンバー)
2.クロスメンバー
3. インサイドパネル
4. ピラー
5. ダッシュパネル
6. ルーフパネル
7. フロア
8. トランクフロア

フレーム部分の1~8において損傷を修復した車が、「修復歴のある車」となります。
ローン返済中の場合は完済しなければならない
ローン返済中の車でも買取は可能です。ただし、ローンの借入先であるディーラーや信販会社などが所有者になっている場合は、勝手に売却することができません。
ローン返済中の車を売却したい場合は、以下いずれかの手順でローンを完済する必要があります。
車の売却金額がローンの残債より高い場合
売却費用をローンの返済に充てて完済する
車の売却金額がローンの残債より低い場合
売却費用をローンの返済に充てる+足りない分を現金で補うなどして完済する

車の所有者は、車検証にある「所有者の氏名または名称」という項目で確認できます。
ローンの借入先によっては、車の所有者が自分になっている場合もあります。所有者が自分であれば、ローンを完済せずに車を売却することも可能です。完済しない場合は、売却後もローンを払い続けることになります。
自分の車に「修復歴」があるかを確認する方法
自分の車に修復歴があるかどうかは、定期点検整備記録簿で確認できます。定期点検整備記録簿とは、法定点検の整備内容を記した書類のことです。
中古車の場合は定期点検整備記録簿がないこともあります。その場合は、販売店スタッフや車の持ち主に確認するか、オイル交換など定期的なメンテナンスの際に確認してもらいましょう。
事故歴のある車はどこで買取・査定してもらえる?
事故歴のある車は、おもに「中古車買取店」や「事故車や廃車を専門とする買取店」で買取や査定をしてもらえます。

大きく破損して修理していない車や、自走できない状態の車は、事故車や廃車を専門とする買取店でしか買い取れないケースもあります。
中古車買取店
中古車買取店では、修復歴のある車でも、問題なく運転できる車であれば買取可能なケースが多いです。買い取った車を修理・メンテナンスして、新たなユーザーへ売却します。ちょっとしたボディのキズやヘコミであれば、事前に修理をしなくても買取してもらえることが一般的です。

修復歴のない車と比較すると買取価格は安価になる傾向があります。
事故車・廃車買取専門店
事故車・廃車買取専門店とは、事故したままの車や自走できない車などをそのまま買取してもらえる店舗です。買取した車は、修理せずに解体して部品のみを売却するか、海外へ輸出しています。
修復歴・修理歴のある車だけではなく、自走できない車や動かない車など、幅広く買取に対応してくれることが特徴です。
事故歴のある車は買取・修理・廃車どれがいい?
事故歴がある車の対処としては、買取・修理・廃車の3パターンがあります。ここでは、どの対処を選ぶべきか判断する方法を解説します。
買取がよい場合
高額な修理代を支払うなら買い替えたい、安全性を重視したいという人は、買取してもらうことがおすすめです。
事故による破損の程度によっては、修理額に差があります。フレームをはじめ、エンジンや駆動系を修理する場合は特に高額になります。修理代に高額な費用をかけるのであれば、そのお金を新たな車の購入代金に充てたほうがいいと考える人もいるでしょう。
また、事故による破損は、修理しても見えない場所に影響を及ぼしている可能性も考えられます。事故後、車の調子がよくないというときは、専門業者に見てもらうことがおすすめです。事故による影響が車に出ているのであれば、買取をしてもらい、新たな車に買い替えるほうが安心です。
修理したほうがよい場合
車に愛着がある人は、修理をして愛車を長く乗り続ける選択もあります。フレームの修理など大がかりな事故の場合は、修理代が高額になる可能性が高いです。それでも、思い出がある車や、希少価値が高い車なら、手放したくない思いもあるでしょう。
まずは修理業者に見てもらい、修理費用の見積もりをしてもらってから検討することがおすすめです。キズやヘコミが少しできた程度で、修理代がそれほど高額ではないのなら、修理して乗り続ける選択もあります。

事故後の修理には時間を要するので、代車を借りられるかも確認しておきましょう!
廃車がよい場合
廃車は「中古車買取ができないときの業者側の選択肢」となります。車の所有者が自ら廃車を選ぶというよりは、買取業者が車の状態などをみて「買取」と「廃車」のどちらにするかを判断します。
廃車は「車をスクラップ(解体)すること」と考えがちですが、「抹消登録をする手続き」のことです。登録を抹消した車は、公道が走れなくなります。

車の所有者自身でも廃車手続きはできますが、基本的にはディーラーや専門業者が手続きをしてくれます。
事故歴があることを申告しないとどうなる?
車を買取に出す時に申告しなければならないのは「修復歴」であり、交通事故に遭い修理した経験があることは申告する義務はありません。
修復歴があるのに、ないものとして売却した場合、事実と異なるものを売却したとして契約不適合責任が生じます。売却して得たお金を返還請求されたり、損害賠償を請求されたりすることも考えられます。
トラブルにならないためにも、修復歴があることを査定士に伝え、定期点検整備記録簿を渡すなど、必ず申告することを覚えておきましょう。
事故歴のある車を高く買い取ってもらうコツ
事故歴がある車でも、現在でも乗ることができる車であれば、少しの工夫で高く買い取ってもらえる可能性があります。
車内の清掃をしておく
査定前には、車内のゴミを捨てる、掃除機でホコリや砂を取り除く、タバコなどのニオイ消しをするといった清掃をしておくと、査定によい影響が期待できます。
ただし、きれいにすれば必ず査定額が上がるわけではありません。査定のときだけではなく普段からきれいにしておくことを心掛けましょう。

車をきれいにしておくことで、査定士の車に対する印象がよくなることもありますよ!
純正パーツがあれば用意する
車のパーツは、社外品より純正品のほうが好まれる傾向があります。社外品を取り付けていて、自分で交換できるのであれば、査定前に純正品に付け替えておくことがおすすめです。
ただし、ホイールやマフラーの場合は、メーカーによっては社外品のほうが査定額がアップする可能性もあります。
相見積もりをして相場を把握する
複数の業者で査定の見積もりを取ると、査定額の相場を把握できます。スマートフォンやパソコンで複数の店舗で査定して、一番査定額が高い業者に実車を見てもらえば、大きな時間もかかりません。
インターネット上の査定は、車種や年式などのおおまかな情報しか記載していないため、実車を見てもらったあとで査定額が変更になる可能性もあります。
事故の被害者なら査定額への影響をカバーできる可能性がある
日本自動車査定協会から「事故減価額証明書」を発行してもらうことで、自分が被害者の場合において、事故により査定額が下がった金額分を加害者に請求できる可能性があります。
「交通事故による評価損」を証明する書類であり、相手方の保険会社に対して評価損分を請求する際に提出するもの
加害者側が加入している保険会社に事故減価額証明書を提出して、評価が下がった分を請求します。ただし、車両の修理費とは異なり、評価損は必ず補償されるものではありません。
新車や走行距離が短い車など、ある程度の条件が揃っている場合に請求が認められるケースがあります。ただし、補償される場合でも、事故減価額証明書に記載されている金額が100%支払われるわけではありません。正確な金額は事故の状況や相手方とのやりとりで決定します。
事故歴のある車を買取してもらうときの注意点
事故歴がある車を買取してもらう際は、トラブルを防ぐためにも以下3つの点に注意しましょう。

「修復歴」は申告しなければならない
実際は修復歴がある車を「修復歴なし」と偽って車を売却した場合、契約不適合責任が生じます。修復歴が記載された定期点検整備記録簿を渡さないなど、修復歴がバレないようにすることはトラブルの原因になります。必ず査定士に申告するか、修復歴があるとわかる書類を提出しましょう。
還付金の手続きを忘れない
廃車手続きをする場合、「自動車税」「自動車重量税」「自賠責保険」は還付金の対象となるので、還付金を受け取るための手続きが必要です。

軽自動車税は対象外になりますが、軽自動車の場合も「自動車重量税」「自賠責保険」は還付金の対象です。
自動車税:月割りで計算され、未経過分は返還される
自動車重量税:新規登録時は3年分、継続車検時は2年分の自動車重量税を納めており、未経過分が戻ってくる。自動車リサイクル法で定められた引き取り業者で、適正に解体されることで還付金が受け取れる
自賠責保険:解約日から満了日までの未経過分が返還される
業者に廃車手続きを代行してもらう場合、買取金額に還付金分が含まれているのか、きちんと還付金を受け取ったかも確認しておきましょう。
売却が完了するまで車を丁寧に保管しておく
たとえ壊れた車であっても、売却が完了するまでは丁寧に保管しておくことが大切です。たとえば、フロントが破損してエンジンルームの一部が見えてしまっているような状態であれば、雨を防げるシートを被すなどして保管しておきましょう。
事故歴のある車を買取してもらう手順
事故歴のある車を買取に出す場合と、廃車手続きをする場合の流れを紹介します。

事故歴があっても、車を買取に出す手順は、事故歴がない車と大きな違いはありません。
1. 車を売却する方法を決める
2. 査定を申し込む
3. 必要書類を準備する
4. 実車の査定をしてもらう
5. 売買契約を結ぶ
6. 必要書類を提出し車を引き渡す
7. 振込の確認をする

廃車手続きを代行業者に依頼して廃車する場合、買取の手順と少し異なります。
1. 廃車手続きの代行業者を選ぶ
2. 車を引き渡す
4. 必要書類を提出する
5. 業者による書類手続きが行われる
6. 抹消登録証明書を受け取る
車を買取してもらうときに必要なもの
通常の買取と廃車手続きを代行してもらう際に必要なものを紹介します。
▼通常の買取で必要なもの
| 普通自動車 |
| ・自動車検査証(車検証) ・自賠責保険証明書 ・自動車リサイクル券 ・自動車納税証明書 ・実印・印鑑登録証明書 ・委任状・譲渡証明書 |
| 軽自動車 |
| ・自動車検査証(車検証) ・自賠責保険証明書 ・自動車リサイクル券 ・自動車納税証明書 |
▼廃車手続きを代行する際に必要なもの
| ・自動車検査証(車検証) ・印鑑証明書 ・委任状 ・譲渡証明書 ・リサイクル券 ・免許証などの身分証明書 ・実印 ・マイナンバーカードまたは通知カード |
以上のほか、車所有中に住所変更があった場合は「住民票」、氏名の変更があった場合は「戸籍謄本」が必要になります。
事故歴のある車を買取してもらう業者の選び方

買取業者を選ぶときは、信頼できるかどうかの見極めが重要です。
ここでは、事故歴の車を買取してもらう業者選びのポイントを3つ紹介します。
事故歴のある車の買取実績が豊富であるか
事故歴の有無に関わらず、買取実績が豊富であるかはチェックしておきたいポイントです。
実績が多いということは、査定から買取までのノウハウがあるということにもなります。そういった業者は事故車の買取に関するノウハウも豊富な可能性が高く、売却の際も安心です。
業者の実績は公式サイトで確認できます。どれくらいの実績があるのか、過去にどのような車を買取、査定してきたのかを確認してみましょう。
スピーディーな対応をしてくれるか
車の買取にかかる時間は、業者によっても異なります。査定の早さはもちろん、車の引き取り、契約から振込まで、スピーディーに対応してくれるかもポイントです。
特に、少しでも早く手放したい人や、早く売却して新しい車を買いたい人は、対応スピードを重視しましょう。スピードを売りにしている業者に依頼するか、査定後の手続きなどにかかる日数を電話で確認してみるのがおすすめです。
契約後に査定額を減額しないか
業者によっては、買取が決定したあと、なんらかの理由で査定額を下げられる可能性もゼロではありません。「契約後は査定額を変えない」と宣言している店舗での買取がおすすめです。
ただし、故意に修復歴を隠しており後々発覚した場合など、売主側に責任がある場合は、査定額の減額または契約が破棄されてしまうこともあります。
カーセブンでも事故歴のある車を買取しています!
カーセブンでは、事故歴・修復歴のある車を買取しています。事故を経験した車で修理していない場合でも、自走できる車であれば基本的には買取可能です。
▼事故歴・修復歴のある車の買取要否(カーセブン)
| 車の状態 | 買取可否 |
| 事故歴あり | 買取可 |
| 修復歴あり | 買取可 |
| 事故の経験があり、 修理していない車 | 買取可 |
| 事故や故障で自走できない車 | 買取不可 |
カーセブンでは「買取安心宣言」を掲げ、お客様に安心して愛車を売却していただけるよう、不安を解消したうえでの手続きを進めております。無料査定も行っておりますので、まずは査定だけを依頼したいという場合も、ぜひお気軽にお問い合わせください。
よくある質問
事故をした経験がある車や、事故により破損した車でも買取してもらうことは可能です。ただし、業者によっては、事故により自走できなくなった車は買取できない場合があります。
事故車や廃車を専門とする買取業者の場合は、自走できない車でも買取してもらえることがあります。自走できない車は、店舗まで車を移動させることができないため、レッカーやキャリアカーで引き取りを行います。
正確な査定額は、事故の程度やフレームへの影響、車種、走行距離など、さまざまな要素が含まれるため、具体的な金額を提示できないのが現状です。
事故していない車と比較すると、査定額は下がってしまうことが考えられます。具体的な金額を知りたいときは、買取業者に査定を依頼して実車を見てもらうことがおすすめです。
「中古車買取店」あるいは「事故車・廃車買取専門店」で買取してもらうことができます。
詳しくは「事故歴のある車はどこで買取・査定してもらえる?」をチェック
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