水没車（冠水車）とは？買取の可能性や乗り続けるリスク、見極め方を解説

水没車（冠水車）とは、室内フロア以上に浸水した車のことを指します。水没車は、エンジンの故障や悪臭、部品の腐食といったトラブルが発生する可能性が高く、そのまま乗り続けるのは危険とされています。本記事を通して水没車の正しい対処法を知りましょう。

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水没車（冠水車）とは：室内フロア以上に浸水した車のこと

一般財団法人日本自動車査定協会の中古自動車査定基準によれば、水没車・冠水車とは『集中豪雨や洪水などにより、室内フロア以上に浸水したもの、または、その痕跡により商品価値の下落が見込まれるもの』と定義されています。

つまり、車内のカーペットが濡れていれば「水没車」と見なされることが一般的です。

浸水の程度にもよりますが、水没車には以下のような特徴があります。

参考：冠水車｜自動車公正取引協議会

マフラー以上の水没は点検・修理が必須

車のマフラーまで水没すると、エンジン内部に水が入る可能性が高いとされています。エンジン内部に水が入った状態で始動すると、エンジンに深刻な負荷がかかる「ウォーターハンマー現象」が発生し、破損の原因になるため注意が必要です。

水没車の疑いがあるなら点検・修理が必須

「マフラーまで水が到達していない」「エンジンが問題なくかかる」といった場合でも、浸水の可能性があるなら点検・修理が必須です。まずは専門業者に実車の状態を見てもらい、必要な対応の判断をしてもらいましょう。

マフラーより下の水没なら修理して乗れるケースもありますが、フロアシートの上まで水没すると修理は難しいです。売却や廃車を検討するほうがいいでしょう。

水没した車に乗り続けるリスク

水没車に乗り続けることには、さまざまな危険が伴います。ここでは、知っておきたい水没車のリスクを解説します。

• 電気系部品の故障
• 悪臭・部品の腐食
• エンジン・足回りの故障

電気系部品の故障

水没車は、電気系統に故障が発生する可能性が高いです。電装系部品まで水の影響が及んでいる場合、ショートして動かなくなることがあります。たとえば、ダイナモやセルモーターの作動不調、P/Wの作動不良などが挙げられます。

特にハイブリッド車や電気自動車はバッテリーを搭載しており、漏電の危険があるため、より一層注意が必要です。当初は問題なくても、数か月後に壊れる可能性があるので気をつけしましょう。

悪臭・部品の腐食

冠水で道路にあふれた水には、下水の汚水も含まれていることが多いです。そのため、車内が浸水した場合、内装の布製パーツやエアコン内部に悪臭が染みついてしまうことがあります。

海水に浸水した場合は、海水に含まれる塩分により金属パーツがさびて、腐食してしまうトラブルがあります。腐食が進行すると、車の性能や耐久性に大きな悪影響を及ぼすので注意しましょう。

エンジン・足回りの故障

エンジン・足回りに水が侵入すると、エンジンの故障が発生するリスクが高まります。

エンジンは水に弱い構造です。マフラーやボルト穴から水が入り込むと、エンジン音に異変が起きたり、ラジエターコアに目づまりが起きたりする可能性があります。

水没車の対処方法3つ

水没してしまった車の対処方法は、以下の3つです。

1. 修理をして乗り続ける
2. 買取業者に売却する
3. 廃車にする

1. 修理をして乗り続ける

浸水範囲が狭い場合は、修理をして愛車を長く乗り続ける選択ができます。とはいえ、浸水した車の修理代は高額になる可能性が高いです。まずは修理業者に見てもらい、修理費用の見積もりをしてもらってから検討することをおすすめします。

2. 買取業者に売却する

「高額な修理代を支払うなら車を買い替えたい」「安全性を重視したい」という方は、買取を検討しましょう。水没車の場合、浸水被害の状態によっては買取が難しいケースもありますが、被害が小さければ買取可能です。

浸水後に車を修理したとしても、見えない場所に水没の影響が及んでいる可能性が考えられます。水没による影響が車に出ているなら、車を買い取ってもらい、新たな車に買い替えるほうが安心でしょう。

3. 廃車にする

車内まで浸水し、エンジンが動かない場合は、廃車にするのが賢明な判断です。廃車買取業者やディーラー、スクラップ業者などに依頼すれば処理が行えます。なかでも専門の廃車買取業車は費用が安い傾向にあるためおすすめです。

水害は自動車保険が適用される？

水没車は車両保険の補償を受けられます。車両保険にはおもに「一般タイプ」と「エコノミータイプ」の2種類が用意されており、どちらも水没が補償対象となっているケースが多いです。

ただし、水没で車両保険を使った場合、保険の等級は1等級下がります。

水没車でも買い取ってもらえる？

車の状態にもよりますが、水没車でも買取可能です。ただし、なかには水没車の買取をしていない業者もあるので、水没車も対象としている買取業者に依頼する必要があります。

「車を買い取ってもらうか・廃車にするべきか」の判断に迷った場合は、まずは買取業者に相談してみましょう。車の査定を通して、買取可能かどうかを判断してもらえます。

水没車の査定への影響

水没車は、中古車取引での評価が低いため減額されるケースがほとんどです。日本自動車査定協会では、車のどのあたりまで水没したかによって、本来の取引基本価格にかける減点率を定めています。

参考：水没車の減点率（一般財団法人 日本自動車査定協会）

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また、カーセブンはJPUCの「適正買取店認定制度」を満たしている買取店です。JPUCは一般社団法人 日本自動車購入協会であり、自動車買取業界の健全化を目指す団体です。適正買取店認定制度は、「不適切な買取をしていない」など10個の項目があり、すべて満たしている店舗だけが得られる制度です。

悪質な買取業者の場合、「しつこい勧誘により仕方なく車を売却する」といったトラブルがあります。カーセブンでは、お客様が気持ちよく取引できる対応を心がけているため、不安なく査定のご依頼が可能です。

不安なく査定・売却できる5つの安心宣言

カーセブンでは、お客様が不安なく査定・売却できる5つの安心宣言を掲げています。

カーセブンの場合、なんらかの理由でお客様がキャンセルをしたい場合、売却の契約から7日間はキャンセルいただけるよう対応しています。キャンセルはお電話一本で可能、再び来店いただく必要はありません！

また、もし車の売却をキャンセルしたい場合、「キャンセル料がかかるのでは……」と不安な方もいるでしょう。カーセブンでは、売却の契約をしたあとでも、キャンセル料は一切いただいておらず、安心してキャンセルいただけます。愛車の売却は慎重に行うことが大切ですが、万が一何らかの理由でキャンセルすることになった場合でも、不安に思う必要はありません。

安心して査定を依頼したい方は、ぜひカーセブンにご相談ください。

中古車購入で知っておきたい、水没車の見極め方

ほかの車と比べて異常に安く売られている場合、水没車である可能性があります。実際に「水没車」という表記なしで水没車が販売されているトラブルもあるようです。

中古車を販売する際、水没車であるにもかかわらず虚偽の表示・説明をした場合や、「冠水車」であることを表示・説明しなかった場合は不当表示に該当し、公正競争規約に反しています。

トラブルに巻き込まれないためにも、以下のポイントに沿って水没車（冠水車）でないかを自分で確認しましょう。

車の買い替えで水没した中古車はおすすめできない！

水没車は、品質上において重大な問題が発生する可能性が非常に高いです。まれに水没車であることを知らせずに販売している中古車販売店もありますが、水没車の場合は車内のニオイや金属パーツのサビなどで判断できるケースが多いです。お得に購入できる中古車であっても、水没車と判明した場合は避けたほうがいいでしょう。

なお、当社カーセブンでは水没車の偽装販売防止に取り組んでおり、安心して中古車取引ができます。

【万が一に備えて】水没した車からの脱出方法

車がドアまで水没しはじめると、外側の水圧でドアが開かなくなります。窓が開けられればそこから脱出できますが、水で電装部品が壊れていると窓の開閉操作ができない可能性が高いです。

ここでは、万が一のために知っておきたい、水没した車からの脱出方法を紹介します。

緊急脱出用ハンマーでサイドガラスを割る

いざというときのために、緊急脱出用ハンマーを車に載せておくと安心です。車のサイドガラスには強化ガラスが使われており、簡単には割れないため、車のサイドガラスを割るのに特化したハンマーを準備しておきましょう。

ガラスを割る際は、フロントガラスではなく必ずサイドガラスを割るようにしましょう。フロントガラスは安全性に配慮して、衝撃があっても飛散せずにヒビが入るだけの加工がされているため、基本的には緊急脱出用ハンマーでも割れません。

緊急脱出用ハンマーを選ぶ際は、JIS規格かGSマークに適合しているものがおすすめです。サイドガラスを割るアイテムは手のひらサイズのコンパクトなものもありますが、持ち手が長いほうが反動により軽い力で割りやすくなります。

車内の水位が高くなってからドアを開ける

窓からの脱出が難しい場合は、車内に水が入ってから車内の水位が首か胸あたりになるまで待ってドアを開けましょう。車内に水が入ると、外との水圧差が減ってドアが開くようになります。

車内の水位が首か胸あたりに来るまで浸水している状況の場合、車外の水位はさらに高いことが想定されるため、ドアを開けると外の水が大量に流入してくる可能性が高いです。ドアを開ける前にドアロックが解除されていることを確認してから、息を大きく吸ってドアを開けましょう。

よくある質問

Q

水没車（冠水車）とはどのような車ですか？

A

水没車（冠水車）とは、室内フロア以上に浸水した車のことを指します。車内のカーペットが濡れていれば水没車と見なされることが一般的です。
詳しくは「水没車（冠水車）とは：室内フロア以上に浸水した車のこと」をチェック

Q

水没車の見分け方を教えてください。

A

水没車かどうかを見分けるときには、以下の点に注目しましょう。

• シートベルト（上部・下部）やシートに浸水の跡はないか
• 泥が乾いたような、粉末状の汚れがシートやカーペットについていないか
• 車内から泥やカビの匂いがしないか

Q

水没してしまった車の買取は難しいですか？

A

被害状況によりますが、水没車でも買取できる場合もあるので、まずは買取業者で実車を確認してもらいしましょう。買取ができない場合は廃車となります。

Q

水没した車を修理する場合、保険は適用されますか？

A

水没車の修理費用にも、保険は適用されます。加入している保険の補償条件をよく確認しましょう。