夏や冬の車で欠かせないエアコン。しかし、「冷房や暖房をつけても効かない」「そもそも風が出てこない」「嫌な臭いがする」といったトラブルはよく起きるようです。
エアコンのトラブルは、自身で解決できる場合もあれば、業者での修理・部品交換が必要になる場合もあります。本記事ではエアコンの症状別で原因と対処方法を紹介するので、思い当たるものを試してみましょう。
この記事でわかること
- ・車のエアコンが故障したと思ったら試してみること
- ・車のエアコンが効かないときの原因と対処方法・修理代
- ・車のエアコンの正しい使い方
車のエアコンの故障は、最悪の場合、熱中症など命にかかわるような事態に発展する可能性もあります。故障に気づいた時点で早めに対処しましょう。
目次
車のエアコンが故障したと思ったら試してみること
「車のエアコンが故障しているかも」と思ったら、まずは次の内容を確かめてみましょう。
・温度に変化がない場合→故障している
・あたたかくなるが冷たくならない、冷たくなるがあたたかくならない場合→故障の可能性が高い
もし上記の操作をして問題がなければ、エアコンフィルターが原因である可能性が考えられます。1年以内もしくは1万km以内に交換していなければ交換しましょう。
エアコンフィルターを自力で交換するのが難しい場合は業者に相談するのも選択肢のひとつです。フィルター交換は5,000円程度で依頼できます。
フィルター交換をしてもエアコンが効かない場合は、何らかの原因でエアコンが故障している可能性があります。業者に相談し、早めの修理を検討しましょう。
車のエアコンが効かないときの原因と対処方法・修理代
エアコンの不具合の状態と、それぞれの状況で考えられる主な原因は、以下のとおりです。
状態 | 主な原因 |
冷房が効かない | ・エアコンガスの不足や漏れ ・コンプレッサーの故障 ・エバポレーターのトラブル |
暖房が効かない | ・サーモスタットの故障 ・ラジエーターのトラブル |
風が出てこない | ・ブロアファンモーターの故障 |
エアコンが作動しない | ・リレーやヒューズのトラブル |
エアコンは、冷えない場合・あたたまらない場合で原因が異なるので、原因にあった対処を行いましょう。
なお、エアコンの故障を自分で対処するのは難しいため、業者への依頼が必要なケースが多いです。依頼先としては、以下の業者が挙げられます。
業者 | 特徴 |
ディーラー | ・自動車メーカーの特約店である ・点検や修理の品質はメーカーが認めているので、安心して任せられる ・新車購入でメーカー保証がついている場合、無償で修理が受けられる可能性がある |
整備工場 | ・整備士の技術や経験によって整備の品質に差がある ・ディーラーよりも料金は安い傾向がある |
自動車電装業者 | ・車の電装品を専門に、部品の取りつけや修理を行う業者である ・電気に関わるパーツのプロであり、エアコン修理を得意としている ・ほかの業者で対応できないトラブルでも修理できる可能性がある |
ガソリンスタンド | ・冷却水の補充など簡単な処置なら、すぐに対応してもらえる ・修理の専門業者ではないので、複雑な修理は対応できない可能性がある |
カー用品店 | ・店舗によっては点検や整備、修理も担っている ・部品の交換が必要な場合に、複数のパーツから選択が可能 ・修理費用は比較的安いが、複雑な修理には対応できない可能性がある |
ここからはエアコンの状態別に、対処法と修理費用を見ていきましょう。
冷房が効かないときの対処法と修理・メンテナンス費用の目安
冷房が効かない原因と対処法、修理やメンテナンスにかかる費用は、以下のとおりです。
原因 |
対処法 |
費用の目安 |
エアコンガス |
エアコンガスの充填 |
5,000円 |
エアコンガスの漏れ点検 |
20,000〜30,000円 |
|
コンプレッサー |
コンプレッサーの交換 |
40,000〜120,000円 |
エバポレーター |
エバポレーターの洗浄 |
6,000〜25,000円 |
費用は車のサイズや症状、業者によるので注意しましょう。
エアコンガスの不足や漏れ
エアコンの冷房には、エアコンガスを利用しています。エアコンガスは常温時には気体ですが、圧縮すると高温の液体になります。液体状のエアコンガスが気体に戻る際に発生する気化熱を利用し、空気を冷やす仕組みです。そのため、冷たい空気を作る役割であるエアコンガスが不足していると、冷房が効かなくなってしまいます。
エアコンガスは、エアコンを使用することによって減るものではありません。内部の故障や走行時の振動などが原因で、ガス漏れが発生します。
エアコンガスの量は「サテライトグラス」がついている車なら、自分で確認可能です。サテライトグラスはボンネットを開けたところにある小さな丸い小窓で、小窓のなかを見ることによってエアコンガスの量を確認できます。
1.エンジンをかける
2.エアコン温度を最低、風量を最大に設定する
3.内気循環に切り替える
4.小窓に見える気泡の量でガスの残量を確認する
・気泡の量がごくわずか → ガスは適正量
・気泡量が多い → ガスが不足
・気泡がまったくない → ガスが過重充てん状態
ただ、最近の車にはサテライトグラスがないことが多いです。サテライトグラスがない車は自分でガス残量を確認できないので、プロの業者に点検してもらうことをおすすめします。
コンプレッサーの故障
コンプレッサーとは、空気を圧縮する機械のことです。コンプレッサーでエアコンガスを圧縮して液体にし、その液体が気化するときに発生する冷気で車内を冷やしています。
コンプレッサーの寿命は約10年です。エアコンガスを定期的に補充していれば、10年以上使用できることもあります。
コンプレッサーが故障すると冷房が効かなくなるので、コンプレッサー自体の交換が必要です。自分での対処は難しいので、専門業者に依頼しましょう。
エバポレーターのトラブル
エバポレーターとは、温度が高い物体から低い物体へ、効率よく熱を伝導させる熱交換器のことです。コンプレッサーで液体化したエアコンガスは、エバポレーター内で噴射されて気化します。そのため、エバポレーターが正しく機能していないと、熱交換がうまくできないのです。
エバポレーターが機能していないときの対処法は、本体を洗浄することです。簡易洗浄や取り外し洗浄など、洗浄の種類によって費用が異なります。
暖房が効かないときの対処法と修理・メンテナンス費用の目安
暖房が効かない原因と対処法、修理やメンテナンスにかかる費用は以下のとおりです。
原因 |
対処法 |
費用の目安 |
サーモスタット |
サーモスタットの交換 |
10,000円程度 |
ラジエーター |
冷却水の交換 |
5,000円程度 |
冷却水の補充 |
2,000円程度 |
|
ラジエーターの交換 |
20,000〜80,000円 |
|
ラジエーターホースの交換 |
10,000〜30,000円 |
サーモスタットの故障
エアコンの空気があたたまらないときは、サーモスタットの故障が原因であると考えられます。
車の暖房は、エンジンの熱であたたまった冷却水を利用して、あたたかい空気を作り出しています。このとき冷却水を制御しているのが、サーモスタットです。サーモスタットが故障すると、冷却水があたたまらなくなり、暖房が効かなくなります。
サーモスタットの故障は本体や部品交換が必要なので、業者に依頼しなければなりません。1万円程度で対応可能なケースが多いです。
ラジエーターのトラブル
ラジエーターは車のエンジンを冷却するパーツであり、なかには冷却水が入っています。その冷却水や走行時の風を用いて、エンジンが熱くなりすぎるのを防いでいるのが、ラジエーターです。エアコンの暖房機能では、ラジエーターのなかにあるあたたまった冷却水に風を送ることで、室内をあたたかくしています。
そのためラジエーターが正常に機能していない場合、暖房はうまく働きません。ラジエーターが機能しない原因としては、冷却水の不足があります。適切な量の冷却水がラジエーターに入っているか確認をしましょう。
また、冷却水が充分であるのに暖房が機能しない場合は、ラジエーター自体が故障している可能性があります。ラジエーターが故障すると、エンジンがオーバーヒートしてしまい、重大なトラブルや事故に発展する恐れがあるので、できるだけ早く対処しましょう。
風が出てこないときの対処法と修理・交換費用の目安
風が出てこない原因と対処法、修理や交換にかかる費用は以下のとおりです。
原因 | 対処法 | 費用の目安 |
ブロアファンモーター | ブロアファンモーターの交換 | 20,000〜35,000円 |
ブロアファンモーターの故障
エアコンから風が出てこない、または「カラカラ」「キュルキュル」など何らかの異音が聞こえる場合は、車の室内に風を送るためのモーターであるブロアファンモーターの故障が原因です。ブロアファンモーターに汚れが詰まっていたり、カビや雑菌が発生していたりすると動かなくなります。
ブロアファンモーターは、フィルター交換やエバポレーター(熱を伝導させる熱交換器)の洗浄で改善されることがあります。まずはこれを試してみましょう。
フィルター交換やエバポレーターの洗浄で直らない場合は、ブロアファンモーターやファンの交換が必要です。個人で交換するのは難しいので、業者に依頼しましょう。
エアコンが作動しないときの対処法と修理・交換費用の目安
エアコン自体が作動しない原因と対処法、修理にかかる費用は以下のとおりです。
原因 |
対処法 |
費用の目安 |
リレー・ヒューズ |
リレーの交換 |
10,000〜20,000円 |
ヒューズの交換 |
1,000〜2,000円 |
リレーやヒューズの故障
リレーは「継電器」とも呼ばれ、電力を中継するスイッチとなるパーツです。リレーが故障すると電流が流れなくなるため、接続先のコンプレッサー(空気を圧縮する機械)が使えない状態となります。リレーを交換すれば、コンプレッサーも通常通り稼働します。
ヒューズとは、電気系のパーツやバッテリーを接続するケーブルなどの間に取りつけられる部品です。想定以上の電流が流れたときに、シャットダウンする役割があります。ヒューズが切れてしまうとエアコンは作動しなくなりますが、交換をすることで通常通り稼働します。
なお、部品交換や修理の費用が想定以上に高くなる場合は、車を売却するのもひとつの手段です。特に購入から13年以上経つと、税金が高くなったり、替えの部品がなくなったりといったデメリットもあります。
カーセブンでは「買取安心宣言」を掲げ、高価買取を実施しています。お客様に安心して愛車を売却していただけるよう、不安を解消したうえでの手続きを進めており、無理に売却を勧めることもありません。まずは査定だけを依頼したい場合でもかまいませんので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
車のエアコンの正しい使い方
車のエアコンを快適に利用するために、正しい使い方を把握しておきましょう。
前提として、家庭用エアコンとカーエアコンでは機能が異なります。家庭用は冷房・暖房・除湿の3機能がありますが、車は冷房除湿の機能(A/C)のみです(電気自動車は除く)。暖房はエンジンの熱を利用しています。
・室内をあたたかくしたい場合:A/CをOFFにして温度を上げる
・室内を涼しくしたい場合やフロントガラスが曇る場合:A/CをONにする
エアコンをONするとコンプレッサーが作動し、エアコンガスを圧縮します。
よくある質問
A.エアコンから出る空気が臭いときは、カビの発生が疑われます。カビが繁殖する際に出す老廃物のニオイが、エアコンを通して車内に排出されると、独特の嫌なニオイを感じるのです。
カビはエバポレーターやフィルターで発生しやすいといわれています。この2か所は、結露した水がたまりやすく湿った状態が続くため、カビが繁殖しやすい環境です。自分でできる対処法としては、フィルターの交換とエバポレーターの洗浄が挙げられます。
カビのニオイを消すには、エバポレーターを洗浄するのが確実です。エバポレーターの洗浄は、専用クリーナーを使用して自分で行えます。クリーナーの説明書をよく読んで作業しましょう。ただ、エバポレーターはエアコンの奥深くにあるため、慣れていないと作業が難しいかもしれません。不慣れな場合は業者に頼むのが安心です。
また、フィルター交換は簡単で効果が高いので、自分で試してみるのもおすすめです。自動車の取扱説明書に使用フィルターが記載されており、カー用品店で1,000~2,000円程度で購入できます。
エアコンからの異音はさまざまな原因が考えられますが、コンプレッサーやブロアファンモーターの故障が原因である可能性が高いです。
フィルター交換やエバポレーターの洗浄で改善されることがあるので、まずはこれを試してみましょう。洗浄だけで異物が取り切れない場合は、さらに細かな汚れを取り除くために整備工場などへの依頼が必要です。この場合は100,000円前後の費用と、修理のために数日間を要します。
また、洗浄で直らない場合はコンプレッサーやブロアファンモーター自体の交換が必要です。個人で交換するのは難しいので、業者に点検・交換を依頼しましょう。
もう乗らない…価値が下がる前が売り時
その車高く買い取ります!
ご相談・ご質問だけでもお気軽に!
WEBからのお申し込み
審査だけでもOK!
お電話からのお申し込み
営業時間8:30~20:00