更新日2025.11.05

輸入車(外車)の維持費を抑えるには?おすすめの5車種も紹介

輸入車は高級感や個性的なデザインが魅力ですが、国産車と比較して維持費が高いイメージがある人も多いでしょう。車の排気量や重量、パーツの希少性などによっては、実際に維持費が高くつく場合もあります。

ただし車選びのポイントを把握すれば、輸入車でも維持費を抑えることは可能です。

この記事でわかること

  • 輸入車と国産車の維持費の違い
  • 維持費を抑える輸入車選びのポイント
  • おすすめの維持費が安い輸入車

輸入車と国産車の維持費を比較

維持費には、税金、保険料、車検費用などが含まれます。輸入車と国産車で、どのような違いがあるか平均的な金額を確認してみましょう。

輸入車で人気の高いコンパクトSUV「フォルクスワーゲン T-Cross」と、国産車でスペックが近い「トヨタ C-HR」を比較しました。

タイプ輸入車国産車
フォルクスワーゲン T-Crossトヨタ C-HR S-T
車のサイズ全長 4,115mm
全幅 1,760mm
全高 1,580mm
全長 4,360mm
全幅 1,795mm
全高 1,550mm
車両重量1,270kg1,400kg
排気量999cc1,196cc
自動車税 ※125,000円30,500円
自動車重量税 ※25,600円5,600円
自賠責保険料27,180円(36か月分)27,180円(36か月分)
任意保険料 ※3約98,000円約75,000円
車検代、点検費用 ※4約62,000円約62,000円
ガソリン代 ※5約104,000円約107,000円
合計約321,780円約307,200円

※1 2019年10月1日以降に初回登録された自動車の場合
※2 購入後3年目までの金額
※3 車両保険つきで30代の契約者を想定
※4 参考:楽天車検
※5 年間走行距離10,000km、T-Crossは16.9km/L、C-HRは15.4km/L、ハイオク=175円/L、レギュラー165円/Lで計算

輸入車のT-Crossの維持費が、国産車のC-HRを約1万5,000円上回る結果となりました。同程度のグレード、似ている車種で比較すると、輸入車と国産車の維持費は、それほど大きな差はつかない場合もあります。

排気量や重量によって、税金が決まるのは輸入車も国産車も同じです。したがって排気量が少なく、重量の軽い車を購入すれば、輸入車、国産車ともに税金は安くなります。

スタッフ

輸入車だけに特別な税金がかかることはありません。国産車と同様に排気量や重量で決まります。

輸入車の維持費が高いといわれる理由

一般的に「輸入車のほうが、維持費が高くつく」といわれる原因について解説します。

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輸入車は維持費が高いと聞いていたけど、想像していたほどは差がないみたい。

パワーやスピード重視のため燃費性能が低め

輸入車は開発時点で、国産車ほど燃費性能に注目されていない場合があります。

海外では道幅が広く制限スピードも日本に比べると緩やかです。最高速度を追求するには、エンジンパワーが重視されるため、燃料の消費が大きくなります。

日本で走るために設計された国産車とは、根本的な考え方が異なるといえます。

以前は「輸入車は燃費がよくない」というのは定説でしたが、最近は燃費のいい車や、クリーンディーゼル車などが登場してきました。燃料にかかる費用の差は縮まっているといえるでしょう。

部品の取り寄せや修理の費用が高い

輸入車の修理や部品交換にあたって、新たに部品の輸入が必要な場合、国内で調達する場合と比べて高くつきます。エンジンオイルの交換やブレーキパッドなど消耗品にかかる費用も、基本的に国産車より割高とされます。

とくに輸入車の扱いに慣れていない修理工場では、より高い見積もりを提示される場合もあるかもしれません。

メンテナンス回数が多めにかかる

輸入車は、国産車に比べてメンテナンスの回数が多くなる可能性があります。

外国で製造された車にとって、日本の気候は特殊で厳しい環境です。1年を通して気温や湿度の変化が大きく、車両は高温多湿から低温乾燥の状態にさらされます。そのため車の精密部品は、影響を受けやすくなるのです。一方で国産車は、日本の気候変化に適応できるように設計されています。

輸入車は「電気系統のトラブルが多い」「壊れやすい」などという声も聞かれますが、日本向けに製造されたモデルと比べると、どうしても故障のリスクが高くなるのはやむを得ないでしょう。

維持費を抑える輸入車選びのポイント

維持費が抑えられる輸入車を購入するには、次のようなポイントに注意するとよいでしょう。

スタッフ

税金や修理費用、車検にかかる費用に注目してみましょう。

排気量の少ない車種を選ぶ

排気量が多くなるほど、自動車税は高額になる仕組みです。

自動車税の税額

軽自動車~1,000cc……25,000円
1,000cc超~1,500cc……30,500円
1,500cc超~2,000cc……36,000円
2,000cc超~2,500cc……43,500円
2,500cc超~3,000cc……50,000円 (以下略)

自動車税は毎年かかる費用なので、排気量の少ない車種を選べばそれだけ維持費の削減につながります。

クリーンディーゼル車を選ぶ

輸入車には、従来のディーゼル車よりも二酸化炭素の排出量をおさえたクリーンディーゼルが採用された車両が多くあります。

クリーンディーゼル車の燃料に使用される軽油は、レギュラーやハイオクのガソリンよりも燃料費を低く抑えられる点が魅力です。

丈夫で故障リスクの低い車を選ぶ

輸入車のなかでも、故障リスクの少ないメーカーから丈夫な車を選ぶのもポイントです。  

2020年に米国の調査会社J.Dパワー社が発表した故障の少ないメーカーのランキングによると、結果は以下のようになりました。

米国での調査による故障の少ない自動車ブランド

1位 レクサス
2位 ポルシェ(ドイツ)
3位 トヨタ
4位 フォルクスワーゲン(ドイツ)
5位 リンカーン(アメリカ)

これは米国内での調査結果なので、必ずしも日本国内でも故障しにくいことを表すデータではありません。車を選ぶ際は「頑丈な車か、故障が多いといわれているか」を、ディーラーに確認したり、口コミをチェックしたりするほうがよいでしょう。

国内で人気のある車種を選ぶ

輸入車の部品交換を行うたびに、海外から部品を取り寄せなければならない車種はコストが割高になります。

国内で流通の多い人気の輸入車であれば、国内でメンテナンスや修理を必要とするケースが増えるため、部品や工具などの在庫をかかえている修理工場も多いことが考えられます。

車種選びに迷ったら、日本国内の流通量が多いものをチェックしてみましょう。

車検の有効期限が残っている中古車を選ぶ

中古の輸入車の購入を検討している場合は、車検の有効期限がどれくらい残っているかを確認してみましょう。車検の有効期限が残っていれば、自賠責保険料を負担する必要がないので維持費を節約できます。

ただし中古車を選ぶ際には、これまでの走行距離や年式には注意してください。あまりに古い車はメンテナンスの頻度も高く、修理・メンテナンスにかかる費用がかさんでしまう恐れがあります。

維持費を抑えられる!輸入車おすすめ5選

輸入車のなかでも維持費を抑えやすい車種を5つ紹介します。

燃費や価格を一覧でまとめました。

中古車なら価格を抑えて購入できる場合が多いので、チェックするとよいですよ。

▼おすすめの輸入車5選、燃費と価格

車種燃費(WLTCモード・km/L)新車価格(税込)
フォルクスワーゲン T-Cross16.92,925,000円~
フィアット 500X13.43,420,000円~
ルノー トゥインゴ20.72,250,000円~
メルセデスベンツ A18015.24,270,000円~
シトロエン C417.73,273,000円~

以下で詳しく、特徴を解説します。

吹き出しアイコン_スタッフ

同じグレードの国産車と、同程度の維持費しかかからない輸入車もあります。

フォルクスワーゲン:T-Cross

T-Cross
画像引用元:T-Cross|フォルクスワーゲン公式サイト
▲SUVのなかでは輸入車としてトップクラスの登録台数を誇る

輸入車SUVで2021年に新車登録台数トップ(※)を記録したのがフォルクスワーゲン T-Crossです。

自動車税を抑えられる999ccという排気量でありながら、ダウンサイジングターボを搭載しパワーのある走りを実現しています。日本で走っている台数が多いため、修理や部品交換などの費用も抑えられる可能性があります。

※2021年 年間 モデル別 新車登録台数(JAIA 日本自動車輸入組合)をもとにフォルクスワーゲンが算出

フィアット:500X

フィアット500
▲個性豊かな独特なフォルムで人気。ターボつきで走りもパワフル

フィアット 500Xは、コンパクトタイプのSUVモデルで「SUVでスポーティーなのにかわいらしい」独特のフォルムが人気です。

日常で気軽に乗れて、かつ個性的なコンパクトカーが欲しい人は、候補に入れるとよいでしょう。ダウンサイジングターボでパワフルな走りを楽しめます。

ルノー:トゥインゴ

ルノートゥインゴ
画像引用元:トゥインゴ|ルノー公式サイト
▲フランス生まれのトゥインゴは気軽に街中で使える1台。見た目も個性的で鮮やかなカラーリングも目を惹く

「個性的な見た目のコンパクトカー」として、よく名前があがるのがルノーのトゥインゴです。輸入車としては購入価格も抑えめで、0.9Lターボエンジンを搭載するため自動車税も低額に抑えられます。

小回りが利くことから街乗りに適しており、気軽に使いたい方にはおすすめの1台です。

メルセデスベンツ:Aクラス

画像引用元:www.mercedes-benz.co.jp
▲メルセデスベンツのなかでAクラスはもっともリーズナブルだ。軽油を使うディーゼルモデルなら、ガソリン車より燃料が割安

高級車のイメージが強いメルセデスベンツですが、コンパクトな「Aクラス」は比較的お手頃価格です。

ガソリンよりも燃料価格が安くて済むディーゼルモデルもあるので、維持費を抑えつつメルセデスを購入したい人はぜひチェックしてみてください。

シトロエン:C4

画像引用元:www.citroen.jp
▲シトロエンは日本での人気が上昇中。C4は外観もインテリアも特徴的なので個性的な1台が欲しい人はチェックを。

シトロエンは年々、国内で人気が高まっています。なかでも2022年から販売の始まった「C4」は、独特の外観と特徴的なインテリアで、とくに人気の高いモデルです。

国内での部品などのストックが増えると、メンテナンス費用が抑えられる可能性もあります。さらに、ディーゼルモデルを選べば燃料費も安くなるでしょう。

まとめ

「輸入車は、国産車と比べて維持費が高い」といわれますが、自動車税や任意保険の費用は大差ありません。輸入車にもクリーンディーゼルのように燃費のよいモデルが登場しているため、以前ほどの価格差は解消されつつあるといえるでしょう。

維持費を抑えるには排気量が少なく、税負担の少ない車種や燃費のよい車を選ぶのが大切です。日本での人気が高く販売量の多いモデルを選ぶと、メンテナンスにかかる費用も抑えられる可能性があります。

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