ブレーキパッドに負担をかけずにブレーキがかけられるエンジンブレーキ。
燃費を向上させたり、部品の消耗を抑えたりする効果があるエンジンブレーキですが、使い方によっては「減速していることが伝わらず、周りの車の迷惑になる」「うまく一時停止できない」といった可能性もあります。
エンジンブレーキのメリットや使用時の注意点を理解し、普段の運転でうまく活用しましょう。
この記事でわかること
- ・エンジンブレーキとほかのブレーキの違い
- ・エンジンブレーキの使い方
- ・エンジンブレーキの使用が有効な場面
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目次
エンジンブレーキとは
エンジンブレーキとは、アクセルペダルから足を離すことでかかるブレーキです。エンジンの回転数と抵抗力を利用して減速します。
エンジンブレーキの仕組み
エンジンブレーキは、アクセルを踏み込んだ状態から足を離し、タイヤの回転だけでの走行になることで車が減速され、ブレーキ効果が現れる仕組みです。

タイヤのみの走行になると地面との摩擦などで抵抗力がかかり、結果的にエンジンの回転数が下がるため、車の速度が下がります。
さらに速度を下げたい場合は、アクセルから足を離した後にシフトダウンすると、エンジンの回転数が上がって制動力が働くため、大きく速度が下がります。

シフトダウンとは、ギアチェンジをするときに「5速から4速」「3速から2速」などギアを下げることです。
エンジンブレーキとほかのブレーキの違い
車には、エンジンブレーキのほかに「フットブレーキ」や「ハンドブレーキ」があります。
それぞれの異なる点は、主に以下になります。
フットブレーキ | ・足下にあるブレーキペダルを踏んで車を停止させる ・赤信号や踏切などでの一時停止や緊急時の停止に使用 |
ハンドブレーキ | ・駐車など、車を長時間停めておきたいときに使用 ・運転席と助手席の間にあるレバーを引くタイプや電気式のON/OFFボタンを押すタイプ、足元にあるフットブレーキとアクセル以外のペダルを踏むタイプがある ・「サイドブレーキ」や「パーキングブレーキ」とも呼ばれる |

エンジンブレーキとフットブレーキの使い分け方についてはこちらで詳しく解説しています。
エンジンブレーキを使用するメリット
エンジンブレーキを使用すると、以下のようなメリットがあります。
フットブレーキの消耗を抑える
普段であればフットブレーキを踏んでいるような場面で、代わりにエンジンブレーキを使用することで、フットブレーキに使われている部品の消耗が通常よりも抑えられます。
たとえば、フットブレーキにおいて重要なブレーキパッドは、フットブレーキを踏むほど消耗します。エンジンブレーキを併用することで、交換の頻度を減らせるでしょう。
また、フットブレーキの多用で発生する「フェード現象」や「べーパーロック現象」が起こるリスクを減らせる可能性があります。
ブレーキパッドが高熱になることで起こる、ブレーキの力が弱まる現象です。
フットブレーキは、タイヤと同期しているもの(ディスクやドラムと呼ばれる)に摩擦材を押しつけることで摩擦力を生じさせて車を減速させます。
ブレーキパッドが高熱になると、摩擦材とディスクやドラムの間にガスの膜が張られることがあり、ガスの膜によって摩擦力が弱まると同時にブレーキも弱まります。
フットブレーキの多用によって生じる、ブレーキが効かなくなる現象です。
通常、車のフットブレーキを踏むことで、ブレーキフルードというオイルが油圧を生じさせ、ブレーキがかかります。
フットブレーキを多用すると、ブレーキによって生じる摩擦熱でブレーキフルードが沸騰することで気泡が発生し、ブレーキペダルを踏んだことで生じる油圧がブレーキフルードに伝わらず、ブレーキが効かなくなります。

フットブレーキを使用しすぎると上記のような現象が起こる可能性があるため、長距離の坂道などでは適切なタイミングでエンジンブレーキを織り交ぜることが推奨されています。
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燃費が向上する
車は、アクセルペダルを踏むとエンジンに燃料が送られ、エンジンの回転数やタイヤの回転数が上がることで走行する仕組みになっています。
エンジンブレーキを使用する(アクセルペダルから足を離す)ことで、タイヤの回転数のみでの走行となり、燃料を使っていない状態(少量使用している場合あり)になるので、燃費が向上する可能性があるでしょう。
ハイブリッドカーや電気自動車の場合は、アクセルペダルから足を離すことで回生ブレーキ(車のブレーキによって失われるはずだったエネルギーでハイブリッドバッテリーを充電する仕組み)が働きます。

燃料を使わずにハイブリッドバッテリーによって走行できるため、燃費の向上がより期待できるでしょう。
エンジンブレーキの使い方
エンジンブレーキは、AT(オートマ)車とMT(マニュアル)車で使い方が異なります。
シフトレバーを「D」または「S」にした状態で、アクセルペダルから足を離します。
より強くエンジンブレーキをかけたい場合は、シフトレバーを「2」や「L」といったローギアにします。
シフトレバーを「N以外」にした状態で、アクセルペダルから足を離します。
より強くエンジンブレーキをかけたい場合は、アクセルペダルから足を離して減速した後、クラッチペダルをしっかりと踏み込んでギアを下げ、クラッチペダルをゆっくりと離すとより強い制動力を得られます。
※制動力とは、ブレーキを操作することで働く、車を減速・停止させる力のことです。

車によっては、オーバードライブスイッチやステアリング(ハンドル全体)のシフトスイッチというものが備えられている場合があり、ONにすることでエンジンブレーキをかけられます。
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エンジンブレーキが有効な場面と使用方法
エンジンブレーキは、以下のような場面で有効です。
こちらでは、使用方法も併せて解説します。
坂道(下り坂)
坂道(下り坂)走行中の前方に車があるなど、急激に速度を落とす必要がある場合は、フットブレーキでの減速が推奨されます。
しかし、ただ単に「坂を下っていてスピードが上がり過ぎてしまったので減速したい」といった場合には、エンジンブレーキで減速することでブレーキパッドなどの消耗を抑えられるでしょう。
急な坂道や長い下り坂の場合は、シフトダウンしてのエンジンブレーキがより有効になります。
AT車では、アクセルペダルから足を離すことで、坂の勾配にあわせて自動で減速するようになっていますが、さらに減速したい場合は、シフトレバーを「L」にしてください。
MT車の場合は、シフトレバーを3速や2速、1速にしましょう。

使用するタイミングとしては、「アクセルを踏んでいなくてもスピードが上がる空走状態」「前方や後方の車との距離が空いている」といった状況が挙げられます。
高速道路
高速道路では、主に「SAやPAへの侵入時」「渋滞や車両間の距離が短くなってきたとき」「高速道路の出口付近」という3つのシーンにおいて有効です。
上記3つの場面では、高速道路と同じようなスピードのままだと危険なので減速する必要があります。
フットブレーキを使用することで速度を落とすことができますが、道路状況によっては細かく何度も踏む必要があります。急なブレーキを必要としない場合であれば、エンジンブレーキを活用することで緩やかに速度を落とせるでしょう。
また、フットブレーキはブレーキランプを点灯させるため、後続車が「道が詰まっているのかな」と思ってしまい、ブレーキが連鎖されて高速道路上における渋滞の原因となる場合もあります。

「前方に車両があり、このままではぶつかる」といった緊急停止が必要な場合や後方に渋滞を知らせる必要がある場合を除いて、エンジンブレーキの使用が車にとってメリットになります。さらに減速したい場合はシフトダウンを使用するといいでしょう。
信号機付近
走行しているときに「まもなく赤になりそう」「遠くから赤信号になっているのが見えた」といった場合には、エンジンブレーキが有効です。
歩行者信号が点滅している、または赤信号になっていることを見つけた場合には、アクセルペダルから足を離しエンジンブレーキをかけます。スピードを出しすぎていた場合は、シフトダウンして調整してください。
エンジンブレーキで徐々に速度を落としていくことで、燃料を使わないまたは少量の燃料で走行できます。

最終的にはフットブレーキで停止しますが、エンジンブレーキを併用することで燃費向上が期待できるでしょう。
また、「青信号になりそうだが、このままのスピードで進むとフットブレーキを使用して一時停止しないといけない」といった状況では、あらかじめエンジンブレーキを使って減速しておくことで、停止せずに走行できるかもしれません。
「完全停止からの発進は多くの燃料を消費する」とされているので、停止せずに走行を続けることで、燃費向上につながる可能性があるでしょう。
エンジンブレーキを使用する際の注意点
エンジンブレーキにメリットがあるからといって多用してしまうと、通常よりもエンジンブレーキに関わる部品に負荷がかかってしまいます。
たとえば、エンジンやミッションに負荷がかかり、使用しすぎるとそれらの部分が消耗しやすくなる可能性があります。そのため、フットブレーキとエンジンブレーキをうまく使い分けなければいけません。
ブレーキランプは、フットブレーキを使用すると点灯しますが、エンジンブレーキの使用時には点灯しません。後部車両が自車の停止に気づかないといった危険性があります。
車両の感覚が詰まっている場合など、ブレーキランプなしでの減速が危険だと感じた際は、フットブレーキを使用して後部車両に合図しておいたほうが安全でしょう。
エンジンブレーキはフットブレーキに比べて減速力が弱いため、緊急の停止には向いていません。

「車間距離に余裕があるか」「後方に停止を知らせなくても安全か」などを確認し、状況に合わせて使用するかどうか判断しましょう。
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エンジンブレーキはうざいと思われない?
エンジンブレーキは、賛否両論ある機能です。
SNSなどでは「ブレーキランプが点灯しないから減速に気づきにくい」「エンジンブレーキで結局止まらなくて急ブレーキを踏む人がいて危なかった」といった否定的な意見もあります。
ただし、「燃費をよくする」「部品の消耗を抑える」といったメリットもあるため、エンジンブレーキは有効な手段です。また、三菱やホンダといった自動車メーカーが高速道路や坂道などの適切な場所での使用を推奨しています。

一時停止や車間距離が短いときはフットブレーキを使用し、安全が確保されている場面ではエンジンブレーキを積極的に利用しましょう。
エンジンブレーキとフットブレーキの使い分け方
エンジンブレーキは、徐々に速度を落としたいときや少しだけ減速したいときに便利なブレーキです。
そのため、高速道路でスピードを上げ過ぎたと感じたときや信号機が赤だと気づいて緩やかに減速したいときに使用するケースが多くなるでしょう。
一方で、フットブレーキはしっかりと停車するためのものです。
信号待ちでの停車や緊急時(前方の車が急にブレーキを踏んだ場合、前方に障害物や人がいた場合など)に使用します。また、以下のような一時停止が必要な場所でも有効です。
・踏切
・一時停止の道路標識がある場所

どちらのブレーキも、車を走行するうえで役立つものです。それぞれのブレーキをうまく使い分けて、効率的で安全な運転をしましょう。
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よくある質問
状況によって異なります。エンジンブレーキを使用することで車によい影響を与える場合もありますが、交通状況などによっては後続車の迷惑になってしまう可能性もあります。運転状況ごとに判断し、適切な使い方をしましょう。特に有効な場面についてはこちらで解説しています。
本当です。AT車やCVT車は、構造的にエンジンブレーキが効きにくいとされています。そのため、前に車がいないなど、余裕がある状況での使用が求められるでしょう。
エンジンブレーキはアクセルペダルから足を離すことでかけられるため、どこか特定の場所にあるものではありません。ただし、より強いエンジンブレーキをかけたいときは、シフトレバーを使ってシフトダウンする(ギアを下げる)か、オーバードライブスイッチやステアリング(ハンドル全体)のシフトスイッチをONにすることで、強い制動力が得られます。
エンジンブレーキは、アクセルペダルから踏み込んでいる足を離すことで使用できます。詳しくはこちらで解説しています。
AT車でもエンジンブレーキを使用できます。詳しくはこちらで解説しています。
エンジンブレーキにメリットがあるからといって多用してしまうと、通常よりもエンジンブレーキに関する部品に負荷がかかってしまいます。たとえば、エンジンやミッションへの負荷が考えられるため、使用しすぎるとそれらの部分が消耗しやすくなることもあるでしょう。
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