車のブレーキからキーキーと異音？理由や必要な修理と優しい運転のコツ

ブレーキは、車を停止・減速させる基本の部品でありながら、安全性に直結する重要な部品です。

ブレーキを踏む際に異音が発生したり違和感があったりするときは、消耗部品の交換時期がきた、または不具合が発生している可能性があります。

安全な運転をするためにも、定期的にメンテナンスを行いましょう。

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ブレーキの基本的な知識

ブレーキは、車を停止・減速するための装置です。「ブレーキ」は装置の総称であり、いくつかの種類があります。

ブレーキシステムは2種類ある

ブレーキシステムには、「ディスクブレーキ」と「ドラムブレーキ」の2種類があります。

ディスクブレーキとは、ディスクローターという回転する装置を、左右のパッドで挟み込み回転を制御し、停止・減速をする仕組みです。

ドラムブレーキとは、回転するパーツの内部に設置された「ブレーキシュー」という部品を広げ、摩擦で回転を制御し、停止・減速する仕組みです。

前輪にディスクブレーキ、後輪にドラムブレーキというように、1台の車に2種類のシステムを搭載した車種もあります。

車を停止・減速させる3種類のブレーキ

ここでいう3種類のブレーキとは、「ブレーキをかける方法」です。

ブレーキの種類	特徴
フットブレーキ	・足元にあるブレーキペダルを踏んで停止 ・減速する ・ペダルの踏む速度でブレーキがかかる速度も変わる
エンジンブレーキ	・アクセルペダルから足を離して減速させる ・エンジンの回転数と抵抗を利用した方法
パーキングブレーキ	・タイヤが動かないようにする方法 ・運転席の左側にあるレバーまたは足元にあるペダルを踏んで動作させる

いずれも、運転をする際に利用する方法であり、それぞれに名称がついています。

ブレーキから「キーキー」「ゴゴゴ」と異音がする理由

ブレーキペダルを踏み減速をする際、「キーキー」や「ゴゴゴ」といった異音がするときがあります。

キーキー音のなかでも、エンジンをかけた直後や冬場などに発生するものは、ブレーキが温まっていない状態であり、異常ではないと考えられます。

これ以外にも、ブレーキパッドが摩耗し「パッドウェアインジケーター」と呼ばれる部品と、ブレーキディスクが直接触れることでキーキーと音が鳴っている可能性があります。

「ゴゴゴ」という異音は、ブレーキパッドが完全に摩耗したときに発生します。「キーキー」という音を放置すると鳴ることもあるため、早急にブレーキパッドの交換する、または点検を依頼しましょう。

ブレーキが利きにくくなる理由

ブレーキが利きにくくなる理由には、さまざまなものがあります。

• ブレーキパッド（摩擦させてブレーキを制御するもの）の摩耗
• ブレーキフルード（オイル）の劣化
• ブレーキキャリパー（ブレーキパッドを挟む部品）の不具合
• ディスクローター（ブレーキパッドで制御する回転する部品）の不具合

理由はさまざまですが、車に詳しくない方の場合、見た目で判断するのは難しいでしょう。音の種類や音の発生するタイミングでの判断となるため、異音発生時は早めにディーラーや修理工場などで点検をしてもらうのがおすすめです。

雨や下り坂といった環境によってブレーキが利かなくなることがある

雨で路面が濡れているとき、長い下り坂を走行しているときも、ブレーキが利きにくくなることがあります。

雨で路面が濡れていると、乾いているときと比較してブレーキが利きにくくなることが特徴です。雨が降る日、高速で走行しているときにブレーキをかけると「ハイドロプレーニング現象」によりブレーキが利かなくなります。そうすると、前方を走行する車に衝突するなど、大きな事故を引き起こす原因になりかねません。

長い下り坂を走行中にフットブレーキを踏み続けていると、ブレーキパッドが高熱になり摩耗係数が下がった結果、ブレーキが利かなくなることがあります。この現象を「フェード現象」といいます。

フェード現象が発生した状態でさらにブレーキを踏み続けると、ブレーキフルードと呼ばれるオイルまで高温になり沸騰、「ペーパーロック現象」を引き起こし、さらにブレーキが利かなくなり非常に危険です。

ブレーキに関連する代表的な消耗品と修理代

ブレーキの異音、ブレーキの利きにくさは、関連する消耗品を交換することで解消できることがあります。ここでは、おもな部品を見ていきましょう。

ブレーキに関連する部品の交換は、ディーラーなどの販売店やカー用品店、修理工場などで実施しています。

車の制動に関する部品には、タイヤもあります。タイヤの溝が少なくなっているときや、タイヤがひび割れているときは、あわせて交換するのがおすすめです。

ブレーキパッド｜2枚1組でブレーキをかける部品

ブレーキパッドとは、「ディスクブレーキ」に付属するパーツであり、ディスクローターを挟み込む2枚一組の部品です。

ブレーキパッドはディスクローターを挟むことで摩耗するため、定期的に交換が必要です。

ブレーキを踏んでキーキー音が発生したときが、交換時期の目安になります。ブレーキキャリパーの点検口から摩耗具合を確認できますが、タイヤを外す必要があるため、音で判断するのがおすすめです。

■点検口の例

ディスクローター｜パッドに挟まれた円盤状の部品

ディスクローターは、車が走行する際に回転する部品で、停止・減速する際にブレーキパッドで挟み込んで制御する部品です。

ディスクローターの交換目安は10万kmに1回といわれていますが、異音発生時やブレーキが利きにくいときは、通常より早めに交換時期がくる可能性もあります。

ブレーキフルード｜油圧式ブレーキを作動させるオイル

ブレーキフルードは、ブレーキの動作に欠かせないオイルです。

ブレーキフルードが劣化すると水分を取り込むことで沸点が低下し、熱が発生しやすくなります。ブレーキフルードが沸騰しやすい状態になると、「ペーパーロック現象」によりブレーキが利きにくくなるため、注意が必要です。

ブレーキフルードの交換目安は、2～3年に1回の頻度といわれています。

ブレーキシュー｜押し当てた摩擦でブレーキをかける部品

ブレーキシューとは、ドラムブレーキのドラムの内側にある部品です。ブレーキを踏みブレーキシューが広がることで、回転するドラムのスピードを制御し停止・減速します。

ブレーキシューに付属する「ブレーキライニング」と呼ばれる部品が摩耗するため、定期的な交換が必要です。

急ブレーキはブレーキパッドなどの摩耗が早まる！

急ブレーキは、搭乗者に危険が及ぶだけではなく、車にも負担がかかります。

できるだけ急ブレーキを踏まないよう、スピードを出しすぎないこと、充分な車間距離をとることを意識しましょう。

「カックン」とならない優しいブレーキを心がけよう

つま先で優しくブレーキを踏むことで、停止時の「カックン」という動作が軽減します。

信号待ちなどで停止するときは、まずエンジンブレーキを踏んで減速し、そっとブレーキペダルに足を置いてゆっくり踏んでいくと、自然に停まれるでしょう。

運転をする方は、シートに深く腰をかけ体を固定すると、優しいブレーキ操作がしやすくなります。

急ブレーキ時の「ガリガリ」音・振動の理由はABS

ある程度速度を出して走行しているときに急ブレーキを踏むと、タイヤ付近から「ガリガリ」という音が発生することがあります。

これはABS（アンチロックブレーキシステム）が作動したことによるもので、急ブレーキを踏んだとき、タイヤがロックされ車の安定性が保たれます。ABSにより、急ブレーキをしたとき前方に障害物があっても、回避できる可能性が高まることが特徴です。

ABSの音は、車に異常が発生したことによるものではありません。しかし、急停止後に車の違和感があるときは早めに、点検を依頼しましょう。

ブレーキの点検・修理は自分でできる？

車のメンテナンスなどになれていない方の場合、自分でブレーキの点検・修理をするのは難しいでしょう。

しかし、日々車に乗っているのは自分自身であるため、運転時の違和感や異音に気づくことはできます。

運転をする際に、いつもとは違う音が鳴っていないか、ブレーキが利きづらくないかを確認し違和感があれば早めにディーラーなどで相談しましょう。

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よくある質問

Q

エンジンを踏むとキーキーと異音がする理由はなんですか？

A

考えられる理由としては、ブレーキパッドが摩耗していることがあります。

ブレーキパッドが摩耗したときは、交換することで対処できます。

Q

アクセルを踏むとキュルキュルという音が鳴ります。なぜですか？

A

アクセルを踏み加速をする際に鳴るキュルキュル音は、ブレーキではなく車の前方であるエンジン付近から聞こえることがあります。

キュルキュル音は、エンジンの部品の一種であるタイミングベルトの交換で軽減できる可能性があります。

走行距離が10万km近くになると、異音が発生することもあるでしょう。

Q

優しいブレーキを踏むコツはありますか？

A

エンジンブレーキで減速しながら、停止時に優しくブレーキを踏むことで、カックンといった衝撃を防ぎやすくなります。