ユーザー車検とは、ドライバー自ら運輸支局へ車を持ち込んで受ける車検のことです。
一般的な車検では、ディーラーや自動車販売店などに車を持ち込み、専門スタッフに一連の作業を依頼します。ユーザー車検は、車検費用を安くできる一方で、自ら点検をするため車の知識や整備技術、時間が必要です。
この記事では、ユーザー車検にかかる費用と一連の流れを紹介します。初めてユーザー車検に不安を持っている人は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- ・ユーザー車検にかかる主な費用の内訳
- ・ユーザー車検を受ける前に知っておきたいこと
- ・ユーザー車検の準備から当日までの流れ
目次
ユーザー車検にかかる費用
車検には「法定費用」と「整備費用」の2つの費用があります。ユーザー車検と一般的な車検の費用で差が出るのは「整備費用」です。
たとえば車両重量1.5トンの普通自動車では、ユーザー車検とそれ以外の場所で車検を受けた場合、以下の費用がかかります。
車検を受ける場所・店舗 | 費用 |
ユーザー車検 | 約47,000円 ※法定費用のみで計算 |
ディーラー | 8~15万円 |
整備工場 | 6~15万円 |
※新車登録から13年以内を想定

あくまでも一例です。車両重量や交換する部品などによって費用は変わります。
法定費用
ユーザー車検の法定費用とは、「自賠責保険料」「自動車重量税」「検査手数料」のことです。検査手数料とは、運輸支局で検査を受けるための手数料です。
これらの費用は一定の金額であるため、ユーザー車検でも一般的な車検でも金額が変わることはありません。各費用の内訳は以下の通りです。
■ユーザー車検の法定費用
項目 | 金額 |
自賠責保険料 | 【24か月の場合】 普通自動車:20,010円 軽自動車 :19,730円 ※保険をかける期間により異なる |
自動車重量税 | ・車の重量により異なる ・車両重量は車検証に記載 ※以下の表参照 |
検査手数料 | 【継続検査の場合】 普通自動車:2,200円 軽自動車 :1,800円 |
※2022年10月現在
車両重量 | 新規登録から 13年未満 | 新規登録から 13年以上 | 新規登録から 18年以上 |
軽自動車 | 6,600円 | 8,200円 | 8,800円 |
0.5トン以下 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
~1トン | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
~1.5トン | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
~2トン | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 |
~2.5トン | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
~3トン | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |

自動車重量税に該当するのは、車両総重量ではなく「車両重量」です!
整備費用
整備費用とは、ディーラーや販売店で受ける車検の際に支払う費用であり、部品代や工賃などを指します。
ユーザー車検の場合、交換する部品があればそのぶんの費用はかかりますが、自ら検査をすれば作業工賃はかかりません。交換する部品がない場合は、法定費用のみで車検を受けられるため、そのぶん費用を安くできます。
ユーザー車検を受ける前に知っておきたいこと

ユーザー車検を受ける前に、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 自分で整備・点検できる知識が必要
- 平日の日中のみ対応している
- 車検とは別に24か月点検を受けなければならない
費用が抑えられるメリットがありますが、ユーザー車検の注意点を抑えてから選びましょう。
自分で整備・点検できる知識が必要
ユーザー車検を受ける前提として、車を整備、点検できる知識が必要です。運輸支局の検査コースを走行して不適合と判断された場合、再度整備をしなければなりません。
不適合になった場合、自ら整備をする、または施設内の整備工場で整備士に修理を依頼する方法があります。整備士に修理を依頼すると、別途費用がかかるため注意しましょう。
平日の日中のみ対応している
ユーザー車検を受けられる日時は平日の日中のみで、土日祝日や夜間は行われていません。そのため、仕事などのスケジュールを調整したうえで予約をとる必要があります。
ユーザー車検では、検査コースに入場する回数が1日3回までと決められています。3回目の検査でも不適合になった場合は、後日予約を取り直したうえで再度運輸支局へ行かなければなりません。

ユーザー車検は、混雑する月や時間帯があるので、早めの予約がおすすめです。自動車技術総合機構のwebサイトでは「混雑具合」を確認できるので、こちらをチェックしてみてくださいね!
車検とは別に24か月(2年)点検を受ける
24か月(2年)点検とは、車にトラブルが起きないための点検や整備を指し、法定点検とも呼ばれています。24か月点検を整備工場などに依頼する場合には2~5万円ほどの費用がかかります。
主な検査項目は以下のとおりです。
- ステアリング、ハンドルの効き具合、オイル等の漏れの有無
- タイヤ、ホイールのナットやボルトの緩みの有無
- ブレーキ周辺の確認
- タイヤの状態、パッドの摩耗具合の確認
- エンジンオイルや燃料の漏れの有無
「24か月点検」と「車検」は似ていますが、以下のように目的が異なります。
24か月点検 | 車のトラブルを事前に防ぐため |
車検 | 保安基準に適合しているか確かめるため |
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ユーザー車検で整備・点検する項目
ユーザー車検の整備、点検する主な項目は以下のとおりです。
- 書類と車両が同一であるか
- 外観に問題はないか
- スリップの有無、ブレーキやスピードメーターに異常はないか
- 排気ガスに異常はないか
- ヘッドライトの向きは問題かないか
- 下回り(エンジン、クラッチ、排気装置、燃料装置等)に異常はないか
これらの点検は、検査員やコースの機械によって行われます。
ユーザー車検の流れ

ユーザー車検の開始から終了までの流れは、以下のとおりです。
運輸局へ車を持ち込む前の準備も必要です。忘れ物がないよう準備を進めていきましょう。
整備・点検をして記録簿に記入
ユーザー車検を受ける前に、自分で車の整備と点検を行いましょう。整備と点検の項目は、メンテナンスノートの「点検整備記録簿」に記載します。ここで行う整備や点検が「24か月(2年)点検」です。
点検整備記録簿は、新車購入時にディーラーから受け取る「メンテナンスノート」に添付されています。
検査の予約
ユーザー車検は、2週間前から予約できます。
初めてユーザー車検を受ける際は、アカウント登録が必要です。アカウント登録後、予約ページへログインして検査予約をしましょう。

ユーザー車検の予約やアカウント登録は、「自動車検査インターネット予約システム」を確認してみてくださいね。
検査申請書類を準備
ユーザー車検を受けるためには、以下の書類が必要です。
- 車検証
- 点検整備記録簿
- 自賠責保険証(新・旧どちらも必要)
- 自動車税納税証明書
車検を受けるための法定費用も忘れずに準備しておきましょう。
検査の受付
検査当日は、まず運輸局へ行き窓口に必要な書類や費用を提出し、予約確認を行います。
初めてユーザー車検を受ける人は、検査コースに入場する前に見学をしておくとよいでしょう。不明な点があれば、検査員に確認しておくと安心です。
検査の実施
検査は、検査員の指示に従いコースを走行します。
窓口で手続きを済ませたら、車検を受けるためのコースに入る指示を待ちましょう。コースに入ったら、機械や検査員の指示で検査が進んでいきます。
最後に合否判定が行われ、適合となれば書類を受け取り、窓口で手続きを済ませて終了です。不適合だった場合は、運輸局内で整備を行い再度コースへ入り検査を受けます。
まとめ
ユーザー車検は、ディーラーや販売店で受ける車検よりも、費用が抑えられる可能性があります。
自賠責保険料などの「法定費用」は、どこで車検を受けても変わりません。一方で「整備費用」は、費用が押さえられるユーザー車検であっても、充分整備ができていないとき、消耗品をたくさん交換するときは、ディーラーや販売店での費用と変わらないケースもあります。
ユーザー車検を受けるには、自分で車を整備、点検する知識が必要です。「整備が難しい」と思うのであれば、プロのスタッフに依頼するほうがよいでしょう。
車検費用だけではなく、整備や点検の手間や時間も考慮したうえで、ユーザー車検を検討してみてください。
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