中古車サイトで車を探していると、車検に関する項目として、「車検整備付き」「車検整備別」「車検なし」などと表記されていることがあります。それぞれの意味を漠然と考えることはできても、正確な意味までは理解できていない方も多いでしょう。
この記事でわかること
- ・車検整備付きとはどのような車か
- ・車検整備付きの中古車を選ぶメリットとデメリット
- ・車検整備付きの中古車とほかの中古車の違い
それぞれの差異を把握して、自分に合った中古車を選べるようにしましょう。
目次
車検整備付きとは
車検整備付き、という表記は「車検に必要な整備をするためにかかる費用が本体価格に含まれている」ことを示したものです。
つまり、中古車を購入しても、車検整備のための費用はかかりません。
契約が成立すると、中古車販売店が車検に必要な整備を行い、納車時には車検までの期間が2年取得された状態になっています。
「車検整備2年付き」と書かれている場合も、同じ意味になります。
車検整備付きの中古車を購入する際に追加で必要な費用
車検整備付きの中古車を購入する費用は、車種や年式などによって異なります。
車検整備付きの車は、車検整備に必要な費用が本体価格に含まれているため、追加でかかる費用はないと認識されるかもしれませんが、「法定費用(自賠責保険料・自動車重量税・車検に通すための代行手数料または印紙代)は別でかかる」という点を知っておきましょう。
本体価格以外で必要な3つの費用は、以下のようになっています。
自賠責保険料 | ||
自家用普通自動車 | 軽自動車 | |
12か月 | 11,500円 | 11,440円 |
13か月 | 12,010円 | 11,950円 |
24か月 | 17,650円 | 17,540円 |
25か月 | 18,160円 | 18,080円 |
自動車重量税は、自動車の重量・エコカー対象かどうか・新車登録から何年経過しているかで異なります。
例えば、新車登録から13年未満の乗用車(エコカー以外)の継続車検であれば、以下のような設定になっています。
自動車重量税 | |
0.5トン以下 | 8,200円 |
1.0トン以下 | 16,400円 |
1.5トン以下 | 24,600円 |
2.0トン以下 | 32,800円 |
2.5トン以下 | 41,000円 |
3.0トン以下 | 49,200円 |
印紙代は「指定工場か認定工場か」と「自動車の種類」によって異なります。
印紙代 | |
指定工場の場合 | 車種問わず:1,400円(証紙代として別途400円) |
認定工場の場合 | 小型自動車: 500円(証紙代として別途1,700円) 小型自動車以外の自動車(※軽自動車を除く):500円(証紙代として別途1,800円) 軽自動車:1,800円(証紙代として別途400円) |
車検整備付きの中古車を選ぶメリット
車検整備付きの中古車を選ぶメリットには以下のようなものがあります。
・車検の整備に関する追加料金がない
・次の車検までの期間が2年残っている
・購入後、車検を依頼する業者を探さなくて済む
車検の整備に関する追加料金がない
車検整備付きの中古車を購入する際、本体価格のほかに追加でかかる費用は「車検時の法定費用のみ」です。
車検がついていない、または車検までの期間が残り少ない車であれば、車検に通すために必要な整備費用などが追加でかかるため、購入する際にはそれらの費用を含めて比較検討する必要があります。一方、車検整備付きの車であればそうした整備費用が不要になり、かかる費用が明瞭です。
車検整備付きの車を選べば、費用面での検討がしやすいでしょう。
次の車検までの期間が2年残っている
車検整備付きの中古車は車検が完了した状態で納車されるため、次の車検まで2年の期間が空いています。
車検の有効期間が残っている状態の中古車を購入する場合、価格が安くなる可能性は高いですが、次の車検までの残期間が個々の車によって異なるため、確認を怠らないようにしなければいけません。
車検の有効期限によっては、半年以内に車検が必要な場合もあります。そうなると、手続きだけでなく車検の費用もかかるので、残期間をよく見ておきましょう。
購入後、車検を依頼する業者を探さなくて済む
車検整備付きの中古車には、納車までに車検整備の工程が含まれるため、契約した後に自分で業者を探す必要はありません。
また、車検にかかる費用の見積もりを取って比較する手間もかからないでしょう。
車検整備付きの中古車を選ぶデメリット
車検整備付きの中古車には大きなメリットがある一方、以下のような2つのデメリットもあります。
・車検がついていない中古車に比べて価格が高くなりやすい
・業者の車検が終わるまで納車されない
車検がついていない中古車に比べて価格が高くなりやすい
車検整備付きの中古車は、車検費用が含まれているため、車検なしや車検ありの中古車と比べると、本体価格が高く設定される傾向にあります。
また、車検整備付きの中古車では、販売業者によって車検整備の代金が決定されますが、車検なしの車を購入すれば車検を依頼する会社を自分で選べます。そのため、車本体と車検費用を合わせたトータルの費用を安く抑えられる可能性が高いでしょう。
車検を依頼する会社を探す場合は、費用を安く抑えやすい反面、手間や時間はかかるので、どちらを優先したいかによって選びましょう。
業者の車検が終わるまで納車されない
車検整備付きの中古車は、車検整備が販売業者によって行われるため、その車検が完了するまでは納車されません。
車検整備が終わるまでの期間は、一般的に1〜2日程度ですが、業者や混雑状況によって異なるため、自分が望む期間で確実に納車されるわけではないということを覚えておきましょう。
「契約終了後にすぐ乗れるわけではない」という点に注意が必要です。
車検整備付きの中古車の購入が向いている方
車検整備付きの中古車は、以下のような方におすすめです!
- 自分で車検に通すのが面倒だと感じている
- 本体価格以外にかかる費用を計算して比較するのが煩わしい
- 納車を急いでいない
- 次の車検までの期間に余裕が欲しい
一方で、以下のような方には向いていないと言えます。
- 車検に通す作業などを自分でやることに抵抗がない
- できるだけ安く中古車を購入したい
- 契約終了後すぐに車に乗りたい
車検整備付きの車を選ぶうえでは、上記のどちらが自分に当てはまっているかを確認しましょう。
車検整備付きの中古車と他の中古車の違い
中古車の車検の欄には「車検整備付き」のほかにも、「車検整備別」や「車検あり」などのさまざまな表記があります。
車検整備付きの中古車と、そのほかの中古車の大きな違いは「すぐに乗れるか」「追加でかかる費用」「次の車検までの期間」という点です。
車検整備付き | 車検あり | 車検整備別 | 車検なし | 新車未登録 | 予備車検付き | |
すぐに乗れるか | × | ◯ | × | × | ◯ | × |
追加でかかる費用 | 法定費用 (車種により異なる) |
なし | 整備費用+法定費用 | 整備費用+法定費用 | なし | なし |
次の車検までの期間 | 2年 | 表記期間まで | 2年 | 2年 | 3年 | 2年 |
それぞれの違いを把握し、自分の目的にあった中古車を選びましょう。
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「車検付き」の中古車との違い
車検付きの中古車とは、「’26/05」「2026(R06)年5月」といった日付が書かれたものや「車検あり」と記載があるものです。
数字の記載がある場合はその期間まで車検の有効期限が残っており、「車検あり」という表記であれば、期限は明記していないものの車検までの期間が残っている中古車となります。
車検整備付きの中古車との大きな違いは「すぐに乗れる」「追加費用がかからない」という点です。
車検整備のための費用がかからないため、車検整備付きの車よりも価格は安くなる傾向があります。そのうえ、車検が残っているため、契約後の名義変更が済めばすぐに乗れるでしょう。
ただし、車検満了までの期間が残り少なければ、次の車検に通すための手続きや費用がすぐに必要になります。
「価格が安いからお得!」とすぐ購入するのではなく、次の車検までの期間や追加でかかる費用などを考慮したうえで購入するか判断しましょう。
「車検整備別」の中古車との違い
「車検整備別」とは、納車までの過程で車検に必要な整備は行われるものの、本体価格とは別に整備費用がかかるという中古車です。
車検のために整備業者を探す必要はありませんが、費用は別でかかるため、全体的な費用がわかりにくいでしょう。
また、車検整備付きの中古車と同様に、法定費用(自賠責保険料・自動車重量税・車検に通すための代行手数料または印紙代)は、本体価格とは別でかかります。
「車検整備なし」「車検なし」の中古車との違い
「車検整備なし(無)」や「車検なし」は、中古車業者側では法定整備をしないことを指します。
購入者は、法定整備を依頼する業者を自分で探す必要があります。この場合、車検を受ける方法は「仮ナンバーを発行して自分で車検を受けに行く」「引き取り納車を利用する」のどちらかです。
仮ナンバーとは?
車検切れなどで行動を走行できない車に、最長5日有効期限がある運転許可を与えるナンバープレート。申請の際は、車検証、自賠責保険証、身分証明書、自動車臨時運行許可申請書を用意し、市区町村の窓口で手続きを行います。
引き取り納車とは?
家に納車された中古車を車検業者が引き取り、車検の作業が終われば再度納車してくれるという車検方法。
購入費用は安く済む傾向にありますが、追加で車検を受ける必要があるため、「全体的な価格がわかりづらく、比較がしにくい」という点を頭に入れておきましょう。
「新車未登録」の中古車との違い
「新車未登録」とは、車のディーラーで販売を開始したものの売れず、公道を運転するための登録手続きが行われずに置かれていた状態です。
一度も公道を走行していないため、新車と同じ状態ではある一方、年式やモデルが古い傾向も見られます。
さらに、自家用乗用車と自家用軽自動車であれば、新車登録後は「36か月」の車検残期間があるため、しばらく車検にだす必要はありません。
「車検整備付きの車と比べて1年も車検期間が多い」という点はお得と言えるでしょう。
「予備車検付き」の中古車との違い
「予備車検付き」の中古車は、ナンバープレートが発行されない状態で車検に合格させた車です。
購入してから、3か月以内に最寄りの運輸局で必要書類を持って本登録を行うことで、本格的に公道を走れるようになります。
予備車検は普通の車検と異なり、公道を走れるかどうかを検査するものになっているため、「エンジンオイルの量の確認」などの重要部品の消耗を確かめる検査(24か月法定点検)は基本的に行われません。
別で費用はかかりますが、確実な安全を期するのであれば、購入後に「定期点検」や「整備」を受けることが推奨されています。
予備車検付きの中古車を選ぶメリットは、車検を一から受ける必要がなく、すぐに車両登録などの手続きに移れるため、手間が省けるという点です。
よくある質問
車検に必要な整備にかかる費用が本体価格に含まれている中古車のことで、「車検整備2年付き」と同じ意味です。車検に必要な整備を自分でする必要がなく、購入すると中古車販売店が整備を行い、納車時には車検取得済みの状態になっています。ただし、法定費用(自賠責保険料・自動車重量税・車検に通すための代行手数料または印紙代)は、本体価格とは別でかかります。
「車検や整備に関する追加料金がない」「次の車検までの期間が2年残っている」「購入後、車検を依頼する業者を探さなくて済む」の3つです。詳しくはこちらで解説しています。
「車検なしの中古車に比べて価格が高くなりやすい」「業者の車検が終わるまで納車されない」の2つです。詳しくはこちらで解説しています。
主に「次の車検までどれだけ期間が残っているか」「すぐに乗れるかどうか」「追加でかかる費用」の3つで異なります。詳しくは主に「次の車検までどれだけ期間が残っているか」「すぐに乗れるかどうか」「追加でかかる費用」の3つで異なります。詳しくはこちらで解説しています。
「自分で車検に通すのが面倒だと感じている」「別でかかる費用を計算して比較するのを煩わしいと思っている」「納車を急いでいない」「車検までの期間を気にせず中古車に乗りたい」という4つの特徴に当てはまる方にはおすすめです!一方で、「車検に通す作業などを自分でやることに抵抗がない」「できるだけ安く中古車を購入したい」「契約終了後すぐに車に乗りたい」という方には向いていないと言えるでしょう。
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