ダイハツ タントとホンダ N-BOXは、幅広い世代に大人気の軽ハイトワゴンです。どちらも背の高い箱型フォルムが特徴的であり、軽自動車でありながらも居住スペースや荷室の広さが魅力です。
一見すると大差がないように感じるタントとN-BOXですが、性能や使い勝手、デザインが異なります。それぞれの特徴を押さえて、自分に合った車を選びましょう。
この記事でわかること
- タントとN-BOXそれぞれの特徴
- タントとN-BOXの価格やボディサイズなどの違い
- タントがおすすめの人とN-BOXがおすすめの人
監修・執筆
エディター ライター
高橋 満
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経て1999年にエディター/ライターとして独立し、自動車、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。また、企業の広報・販促活動のサポートも担当。愛車はフィアット500Cとスズキジムニー。
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目次
タントとN-BOXの特徴
まずは、タントとN-BOXの基本的な特徴を比較してみましょう。
※現行モデル(2022年5月現在)
タント
ボディサイズ:全長 3,395 mm×全幅 1,475 mm×全高 1,755~1,775 mm
室内寸法:全長2,060~2,180mm×幅1350×高さ1370mm
新車価格:1,243,000円〜
ダイハツ タントは、2003に登場し現行型が4代目となる軽ハイトワゴンです。タントの特徴は、センターピラーのない「ミラクルオープンドア」です。
助手席のドアと助手席側後部のスライドドアを同時に開けたときに、大開口になる造りのドア。大きな荷物の出し入れするときや、お年寄りの方が乗り降りするときに便利です。
軽自動車として初めて「助手席ドアイージークローザー」を採用し、手動で半ドアの位置まで閉めると、あとは自動で全閉します。力の弱い方でも半ドア状態になることなくドアを安全に閉めることが可能です。
また、スライドドアが閉まるのを待たずに鍵を閉めることができる「タッチ&ゴーロック機能」も搭載。フロントドアハンドルのリクエストスイッチに触れると自動ロックを予約でき、急いでいるときにもロックがかかる前にその場を離れられます。
さらに、グレードによって運転席の位置を540mmも調整できる「運転席ロングスライドシート」が導入されているのも大きな特徴です。
助手席や後部席にロングスライトを搭載している車は数多くありますが、運転席への導入はタントが初です。運転席を一番後ろまで下げれば、後部ドアから運転席に移動できます。
タントはシートアレンジが多彩で乗り降りしやすい点が魅力です。
N-BOX
ボディサイズ:全長 3,395 mm×全幅 1,475 mm×全高 1,790~1,815 mm
室内寸法:全長2,240mm×幅,350mm×高さ1,400mm
新車価格:1,448,700円〜
ホンダ N-BOXは、2021年 国内販売台数No.1(※)に輝いた軽ハイトワゴンです。※メーカー公式サイトより:2021年4月~2022年3月の登録車を含む国内新車販売台数第1位(全軽自協・自販連調べ)
N-BOXはホンダ独自の「センタータンクレイアウト」により、低床フロアと広い車内空間を実現しています。
通常は後席や荷室の下にある燃料タンクを前席下に配置することで、居住空間や収納スペースをより広く確保することができる技術。
さらに、ずらす・倒す・はね上げるといったシートアレンジができる「チップアップ&ダイブダウン機能付スライドリアシート」も魅力。大きな荷物を積み込んで旅行やキャンプに行くときにも重宝するでしょう。
N-BOXには、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」は全グレードに標準装備されています。レーダーとカメラで危険を検知する機能や、横断中の自転車や夜間の歩行者にも反応する衝突軽減ブレーキなど、運転の苦手な方にうれしい安全性能が搭載されています。
N-BOXは、室内空間の広さとグレードを問わない先進安全装備が強みです。
タントとN-BOXはそれぞれどんな人におすすめ?
タントとN-BOXは同じ軽ハイトワゴンであるものの、少しずつ特徴が異なります。ここでは、タントとN-BOXの違いを踏まえ、どのような人におすすめであるかを紹介します。
タントは子育て世帯におすすめ
タントは、ミラクルオープンドアをはじめとするドアの機能性とシートアレンジの豊富さから、車内で小さな子どもの世話がしやすいのが特徴です。車両価格の安い点からも、若い子育て世代におすすめできます。
また、タントは子育て世代はもちろん、シニアの家族が使いやすいように配慮されています。ディーラーオプションで後部座席の乗降グリップを高齢者が持ちやすい位置に設定することも可能です。車内の使い勝手のよさを重視したい人に向いています。
N-BOXは積載性を重視する方におすすめ
N-BOXは、広い車内空間と使い勝手のよい荷室が特徴です。さらに、フロアが低い造りなので荷物の積み込みやすい点も魅力でしょう。旅行やレジャーでたくさんの荷物を積み込む方や、ベビーカーや自転車など大きめの荷物を載せる機会がある方におすすめです。
また、N-BOXは初代から車全体の質感の高さを重視して造られています。洗練された外観・インテリアが特徴的です。軽自動車でありながらも高級感のあるデザインを重視したい方にも向いています。
タントとN-BOXを徹底比較!
タントとN-BOXの大きな違い
タントとN-BOXの違いをまとめると、以下の通りです。
比較点 | 違い |
ドア周りの使い勝手 | ・ミラクルオープンドアが搭載されているタントのほうが使い勝手がよい ・N-BOXはオープンドアが搭載されていない |
荷室の使いやすさ | ・どちらも荷室・居住空間の広さを誇っている ・リアシートの機能性と室内空間の広さからN-BOXが有利 ・N-BOXはフロアが低く、積み込みやすさも優れている |
安全装備 | ・ハイグレードであればタントのほう安全性能が優れている ・N-BOXはHonda SENSING(ホンダセンシング)が全グレードに装備 |
価格 | ・全体的にタントのほうが安い ・上位グレード同士(タント:Xターボ、N-BOX:EX・ターボ)で比較すると、タントのほうが16万円ほど安い |
ここでは、タントとN-BOXを以下6つの観点から比較していきます。
価格
タント | N-BOX | |
新車価格 | 1,243,000円〜 | 1,448,700円〜 |
最安グレード | タントL (スマートアシスト非装着車) | N-BOX G |
中古車価格相場(税込)※ | 950,000〜1,950,000円 | 650,000〜1,900,000円 |
※中古車販売店における現行モデル(タント:2019年/N-BOX:2017年)の相場価格
新車価格で比較すると、タントはN-BOXより安いことがわかります。
一方、中古車価格を比較してみるとタントのほうがやや高めです。この背景としては、現行型の4代目タントは2019年モデルであるのに対し、N-BOXの現行型は2代目・2017年モデルであるため、比較的新しいタントの中古車価格が高くなっていることが考えられます。ただし、N-BOXはカスタム車両やアクセサリー付きの車も多く、こういった車は中古車価格が200万円以上に跳ね上がる傾向です。
ボディサイズ・室内の広さ
タント | N-BOX | |
ボディサイズ | 全長3,395mm × 全幅1,475mm × 全高1,755~1,775mm | 全長3,395mm × 全幅1,475mm × 全高1,790~1,815mm |
室内寸法 | 全長2,060~2,180mm × 幅1,350×高さ1,370mm | 全長2,240mm × 幅1,350mm × 高さ1,400mm |
ボディサイズはN-BOXのほうがやや背が高いのが特徴です。また、室内寸法はN-BOXのほうが全長・高さの両面で勝っています。
また、最小回転半径はタントが4.4m、N-BOXが4.5mであり、タントのほうがやや小回りが効きます。
ハンドルを奥まで切った状態で旋回し、最も外側のタイヤの中心が描く円の半径。最小回転半径が小さいほど小回りが効く。
ただし、タントのカスタムRSとN-BOXの4WDおよびターボモデルは、いずれも最小回転半径4.7mであり、小回りのしやすさに差はありません。
外装デザイン
外装デザインは、タントとN-BOXでこだわりの観点が大きく異なります。
【タント】
「まあるい笑顔に、つつまれる。」というモットーで作られた現行型のタントは、親しみやすいフロントフェイスが特徴的です。ライトは薄型デザインであり、フロントウィンドウは丸みを帯びています。
タントカスタムでは、通常のタントと比べてアクティブなデザイン。大型のフロントグリルを装着し、アクセントとなるシルバーのラインも入っているため、躍動感があります。
【N-BOX】
N-BOXは、シンプルかつ上品で落ち着きのあるデザインです。愛嬌を感じる丸型のヘッドライトが特徴的で、人を選ばないフロントフェイスをしています。
N-BOXカスタムは、通常のN-BOXとは違ってスポーティーかつアグレッシブな印象になります。ヘッドライトは四角、ライトとグリルに一体感をもたせたデザインです。N-BOXと比べて全体的に勢いのあるフォルムが特徴です。
続いて、カラーバリエーションを見ていきましょう。
タントとN-BOXのカラーバリエーションは、どちらも豊富です。タントはポップなカラー展開が特徴的であり、N-BOXはベーシックで落ち着いたカラーリングが中心です。
タントとN-BOXのカラーラインナップは以下の通りです。
【タントのカラーラインナップ】
【N-BOXのカラーラインナップ】
インテリア
【タント】
標準グレードのタントでは、グレーのファブリックシートにグレーを基調にしたインテリアカラーを採用。助手席前のインパネやドア部分にはホワイトがあり、軽快な雰囲気も感じさせてくれる色彩です。
また、シートには撥水加工がされているため、汚れを拭き取ることが可能です。
タントカスタムでは、ブラック基調となっています。シートにはファブリックとソフトレザーが採用されており、上質で高級感の溢れる車内です。また、収納部分にはメッキ加飾されている箇所があり、ラグジュアリーさを感じます。
【N-BOX】
標準グレードのN-BOXは、ベージュとグレージュを組み合わせたシックなカラーで構成されています。シートの素材には、なめらかさが魅力のトリコットを採用。助手席インパネガーニッシュなどに採用されたアイボリーが差し色となり、車内に明るい印象を与えてくれます。
N-BOXカスタムは、ブラックの室内にクロームメッキが輝く、高級感ある内装です。助手席インパネガーニッシュやドアオーナメントパネルには光沢のあるブラックが採用されており、ブラックに統一された室内でも飽きのこないデザインとカラーリングになっています。
安全装備
安全装備に関しては、ハイグレードであればタントの安全性能のほうが優れていますが、標準のグレードであればN-BOXのほうが優れています。
実際に安全装備を比較してみると、以下のようになります。
▼タントとN-BOXの安全性能
タント | N-BOX |
・衝突警報機能 ・衝突回避支援ブレーキ機能 ・誤発進抑制制御機能(前方・後方) ・ブラインドスポットモニター(BSM) ・車線逸脱警報機能 ・車線逸脱抑制制御機能 ・路側逸脱警報 ・ふらつき警報 ・先行車発進お知らせ機能 ・標識認識機能(侵入禁止、最高速度、一時停止) ・オートハイビームアダプティブドライビングビーム(ADB) ・サイドビューランプ ・全車速追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール) ・レーンキープコントロール(LKC) | ・衝突軽減ブレーキ(CMBS) ・誤発進抑制機能 ・歩行者事故低減ステアリング ・路外逸脱抑制機能 ・アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC) ・車線維持支援システム(LKAS) ・先行車発進お知らせ機能 ・標識認識機能機能 ・後方誤発進抑制機能 ・オートハイビーム |
タントに搭載されているのは、次世代のダイハツの安全性能「スマートアシスト」です。スマートアシストはすべての車両に標準搭載しているのではなく、グレードによってはオプションになっています。
また、タントは2021年9月の改良後に、上記の性能に加えて「オートブレーキホールド機能」「コーナリングトレースアシスト」を上位ターボグレードに標準装備するようになりました。このような点から、上位グレードだけで比較するとタントのほうがN-BOXより装備が充実しています。
ただし、中間グレード(X、L)のタントはスマートアシストのうち全車速追従機能付ACCやレーンキープコントロールがついていないので、注意が必要です。
N-BOXは、全車にホンダの安全性能「Honda SENSING(ホンダセンシング)」が標準装備されており、グレードによる差はありません。
燃費
タント | N-BOX | |
WLTCモード | 18.8~21.0km/L | 19.0~21.8km/L |
JC08モード | 22.3〜27.2km/L | 23.0〜27.0km/L |
タントとN-BOXの燃費はほとんど変わりません。WLTCモードだけでみると、N-BOXのほうがやや燃費性能は上であることがわかります。ただし、エコカー減税には変わりません。
燃費に関してはほぼ差がないため、深く気にする必要はないでしょう。
タントやN-BOXは中古と新車どちらがいい?
・価格を抑えたい→中古車
・カラーやメーカーオプションにこだわりたい→新車
中古車の場合、年式が古いと現行型と比べて搭載された先進安全装備が少なく、性能が劣る場合もあります。たとえば、タントも2019年からのモデルでスマートアシストが強化されており、中古車だと現行に搭載された安全装備がない場合があります。安全装備の有無についてはあらかじめチェックしておきましょう。
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まとめ
今回は、ダイハツ・タントとホンダ・N-BOXの特徴、違いを紹介しました。タントとN-BOXがおすすめな人は、以下の通りです。
・シートアレンジの豊富さや乗り降りのしやすさなどの使い勝手を重視したい人
・車内空間と荷室の広さを重視したい人
車を使用するシーンや用途を踏まえ、自分に合った車を選んでみてください。
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