車のエンジンオイル漏れは、放置すると火災を引き起こす危険があるので、早めに気づいて対処することが重要です。車の下に黒い液体が溜まっていたり、マフラーから白い煙が出ていたりする症状が見られる場合、エンジンオイル漏れの可能性が疑われます。
この記事では、車がエンジンオイル漏れを起こした場合の応急処置や修理にかかる費用などを紹介します。

エンジンオイル漏れを未然に防ぐためには、定期的にオイル交換などのメンテナンスを行いましょう!
この記事でわかること
- ・エンジンオイル漏れの確認方法
- ・エンジンオイル漏れの原因
- ・エンジンオイル漏れの修理にかかる費用
目次
車のエンジンオイル漏れが発生すると起こる症状
車のエンジンオイルが漏れていると、以下のような症状が起こります。
- 駐車時にオイルによる水たまりや滲みができる
- 液体から焦げた匂いがする
- マフラーから白い煙が上がる
- エンジンオイルの減りが早くなる
これらの症状はエンジンオイル漏れが原因で起きている可能性が高いので、専門業者に点検・修理を依頼しましょう。別の症状がある場合は、エンジンオイル漏れ以外の不具合が起きていることも考えられます。

エンジンオイル漏れに限らず、車に何らかの不具合がある場合は、近くの整備業者やディーラーなどで相談してみましょう。
エンジンオイル漏れの確認方法
エンジンオイルや周辺部位に異常があると、エンジンオイルランプが点灯します。しかし、エンジンオイル漏れを未然に防ぐためには、自分でチェックすることも大切です。
エンジンオイルが漏れているか確認する際のチェックポイントには、以下の3つがあります。
どこから液体が漏れているか
まずは、どこから液体が漏れているのかを確認してみましょう。車のエンジンルームの下部分に液だまりや、液漏れの跡がある場合、エンジンオイル漏れが疑われます。特に、地面の広い範囲に滲みができている場合は早めの対処が必要です。

エンジンルームとは別の部分に液漏れがあるなら、エンジンオイル以外の液体の可能性もあります。
漏れている液体の状態はどのようなものか
車の下に漏れている液体は、必ずしもエンジンオイルとは限りません。漏れている液体の状態を観察して、エンジンオイルかどうかを確かめましょう。
液体 | 液体の特徴 |
エンジンオイル | 濁った黒や茶色 粘度がある |
ガソリン | 強い匂いがする |
冷却水 | ピンクや緑などの 色がついている |
エアコン除湿 による排水 |
匂いも色もない |
排出ガスに 含まれる水分 |
匂いも色もない |
ガソリンが漏れている場合、燃料ホースが劣化している可能性があるので、専門業者に修理・点検を依頼しましょう。
冷却水が漏れている場合は、オーバーヒートを起こしている危険性があります。安全な場所に停車したうえで、エンジンを止めずにボンネットを開けましょう。
エアコン除湿による排水や排気ガスに含まれる水分であれば、大きな問題はありません。
オイルレベルゲージの目盛りは問題ないか
オイルレベルゲージを見れば、オイルが適量であるかを一目で確認できます。オイルレベルゲージとは、オイルタンク内のオイルの量を確認する計器のことです。
1. エンジンを停止してボンネットを開ける
2. エンジンを冷ましてからオイルレベルゲージを引き抜く
3. オイルレベルゲージに付着しているオイルをウエスで拭く
4. オイルレベルゲージを元の位置に差し込み、再度引き抜く
5. エンジンオイルが付着している部分でオイル量を確認する
車種によって異なりますが、オイルレベルゲージには、2つの穴がついています。エンジンオイルがオイルレベルゲージの上限と下限の間にあれば適正量です。両方に付着していたり、どちらにも付着していなかったりする場合、適当な量に合わせる必要があります。
車のエンジンオイル漏れには2種類ある
エンジンオイル漏れには、「内部漏れ」と「外部漏れ」の2種類があります。それぞれ症状や対処法が異なるので、特徴を把握しておきましょう。
内部漏れとは
内部漏れとは、燃焼室からエンジンオイルが漏れている状態のことをいいます。内部から漏れ出ているため、見た目だけでは気づきにくく、症状が悪化するまで把握できないことがあります。

早い段階で内部漏れに気づくには、定期的なメンテナンスが欠かせません!
また、内部漏れはさらに2つに分類され、それぞれ原因と対処法が異なります。
オイル下がり | 症状:マフラーから白い煙が出て、エンジンオイルの減りが早くなる 原因:エンジン内部のピストンとシリンダーの隙間からにオイルが漏れる 対策:オーバーホール、バルブシールの交換 |
オイル上がり | 症状:エンジンを始動させると独特な匂いがする白い煙が出る 原因:エンジンオイルを密閉している部品の間から漏れ出る 対策:エンジンのオーバーホール |
エンジンを分解して内部の摩耗した部品を交換したり研磨したりする作業
エンジンオイルが燃焼室内に流入するのを防止するゴムまたは金属製のシール
外部漏れとは
外部漏れは、エンジンオイルが車の外に漏れて、水たまりのようになっている状態です。停車や駐車したときに下にしたたり落ちている液体がエンジンオイルであれば、外部漏れが疑われます。
エンジンオイルはマフラーなどに付着すると引火する恐れがあります。外部漏れを確認した場合は速やかに応急処置を施しましょう。
車のエンジンオイル漏れが起こる原因
エンジンオイル漏れは、関連部品の経年劣化や、事故による損傷が原因となっている可能性があります。
関連部品の劣化
エンジンオイル漏れは以下のような関連部品の劣化や摩擦、破損により起きていることがあります。
- バルブシールの劣化
- ピストンリングの摩擦
- ブローバイガスの液化
- ガスケットの劣化
- オイルパンの破損
- ドレンボルト摩擦
また、エンジンオイル自体も、交換せずに長期間使用していると経年劣化します。エンジンオイルが変色するだけでなく、オイルキャップなどのゴム部分の劣化が原因となりエンジンオイル漏れが起きやすくなるので、定期的にオイルを交換を行いましょう。
事故などによる損傷
過去に事故などで車が損傷していると、エンジンオイル漏れを引き起こしている場合があります。特に、オイルパンは損傷しやすい部分です。車体が地面に触れ合うことでオイルパンが損傷して、エンジンオイル漏れを引き起こしていることも考えられます。
車のエンジンオイル漏れに気づいたときの応急処置
エンジンオイル漏れは、放置すると火災を引き起こす危険があるため、早めの対処が必要です。ここでは、修理に出す前にできる応急処置方法を紹介します。

あくまでも応急処置なので、根本原因を解決するには専門業者で点検・対処を行いましょう!
エンジンオイルを補充する
少量のオイル漏れであれば、追加のオイルを補充することで、通常に近い形で走行できる場合があります。近くの修理業者に行くまでの応急処置として、エンジンオイルの補充を行いましょう。

エンジンオイルの補充はガソリンスタンドなどでも対応してもらえます!
添加剤を使用する
エンジンオイル添加剤のなかには、エンジンオイルの漏れを防止してくれるものがあります。エンジンオイルに添加剤を混ぜると一時的にオイルを固められるので、エンジンオイル漏れが生じたときの応急処置として有効です。

オイル漏れ防止用の添加剤を使用して、損傷箇所を塞ぎましょう。
ロードサービスを呼ぶ
エンジンオイルが漏れたままの状態で運転を続けると、走行に支障が生じます。状況が悪化するだけでなく、路上でオイルが漏れてしまうと、火災などの大きな事故につながる可能性があり危険です。症状がひどい場合は、ロードサービスを利用しましょう。
最終的には修理業者に修理を依頼する
エンジンオイル漏れは、応急処置をしたとしても、完全に修理できるとは限りません。エンジンオイル漏れの状態で走行し続けると、症状が悪化して修理に時間や費用がかかる可能性があります。
応急処置をしたうえで、最終的には修理業者に相談して、適切な対処をしてもらいしましょう。
車のエンジンオイル漏れの修理にかかる費用
エンジンオイル漏れは、基本的に修理業者に依頼して点検・修理をする必要があります。
軽微な修理であれば、数千円で済む場合もありますが、症状によっては100万円前後の高額な費用がかかることもあります。特に、エンジン自体を取り替えたり、組み直したりする修理の場合、高額になることも考えられます。
修理費用は「内部漏れ」か「外部漏れ」かでも異なるので、それぞれ詳しくみていきましょう。

修理費用があまりにも高額になる場合、修理するのではなく車自体を買い替える選択もあります。
内部漏れを修理する場合
内部漏れのなかでも「オイル上がり」はエンジンを取り外す必要があるため、修理費用が高額になる傾向があります。車種や依頼する業者によっても異なりますが、安くても20万〜30万円、高性能なエンジンであれば100万円以上かかるといわれています。
オイル下がりの場合、車種によってはエンジンを取り外さず、部品付け替えのみでも修理できる場合があります。費用としては、部品代と工賃を合わせて5万〜10万円程度かかると認識しておきましょう。
外部漏れを修理する場合
外部漏れの場合、漏れが発生している箇所によって費用が異なります。漏れている箇所ごとの修理費用の目安は以下の通りです。
オイル漏れの発生箇所 | 修理費用の目安 |
ヘッドカバーパッキン | 部品代+工賃 6,000〜5万円程度 |
ドレンボルトパッキン | 部品代+オイル代+工賃 3,000〜8,000円程度 |
オイルフィルター | オイルフィルター代+工賃 3,000〜7,000円程度 |
オイルパン | 部品代+オイル代+工賃 5,000円〜数万円程度 ※原因により大きく異なる |
オイルシール | 部品代+工賃 3万〜10万円程度 |

オイルシールから漏れている場合が最も工賃が高くなる傾向があります。
車のエンジンオイルの漏れを放置するとどうなる?
車のオイル漏れを放置したままにしておくと、以下のようなことが起こり得ます。
- エンジンに負担がかかる
- エンジンが動かなくなる
- ほかの部品が劣化する
- 車両で火災が起きる
- 修理費用が高額になる
- 車検に通らない
エンジンやほかの部品の症状が悪化するだけでなく、火災などの大きな事故を引き起こす危険性があります。放置して症状が悪化することで修理が難しくなるため、修理費用や日数がかかります。
また、車検ではエンジンオイル漏れがないかを確認するため、エンジンオイルが漏れていると車検に通過できません。車検が切れた車で運転すると、道路交通法違反となり、違反点数6点に加えて30日間の免許停止処分となります。

エンジンオイル漏れは放置するとさまざまなリスクを伴うので、気づいたらすぐに対処しましょう!
車のエンジンオイルの漏れを防ぐためには「適切な時期にオイル交換」をする
エンジンオイル漏れを防ぎ、漏れが起きた際に早めに気づくには、定期的にオイル交換を行うことが大切です。オイル交換の適切な時期は車種や使用状況によって異なるので、取扱説明書などで確認しておきましょう。
例として、トヨタ車のエンジンオイル交換時期の目安は以下の通りです。
ガソリン車(ターボ車除く):15,000km または 1年
ガソリンターボ車 :5,000km または6か月
ディーゼル車:5,000~20,000km または 半年~1年ごと

あくまでも目安となるので、オイル交換はできるだけ早めに行いましょう!
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よくある質問
車のエンジンオイル漏れが起きた際の対処法は以下のとおりです。
- エンジンオイルを補充する
- 添加剤を使用する
- ロードサービスを呼ぶ
- 業者に修理を依頼する
詳しくは「車のエンジンオイル漏れに気づいたときの応急処置」で解説しています。
車のエンジンオイル漏れが起きる原因は、大きく分けて「関連部品の劣化」と「事故などによる損傷」の2つがあります。
詳しくは「車のエンジンオイル漏れが起こる原因」で紹介しています。
オイル漏れの種類や、劣化または破損した部分によって費用が異なります。部品を交換するだけといった軽微なものであれば数千円程度で済む可能性も高いです。
エンジン自体を取り出して部品交換や損傷箇所の修復をする場合は、数十万円〜100万円以上の費用がかかることもあるので、覚えておきましょう。
車のエンジンオイル漏れを放置すると、エンジンが動かなくなるだけでなく、火災や事故のリスクがあり危険です。車検が通らず、道路交通法違反になる可能性もあるので、気づいたら早めの対処を行いましょう。
車の構造などの知識が豊富であれば、修理できることもあります。ただし、エンジンは構造が複雑で、修理方法を間違えてしまうと、オイル漏れをより悪化させてしまったり、ほかの部品にも損傷が起こしてしまったりする可能性があります。
症状が悪化するとより高い費用がかかるので、修理業者などのプロに依頼することがおすすめです。
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