車の塗装が劣化する原因は、紫外線や雨水、花粉などの自然なものから、鉄粉や融雪剤など人工的なものまでさまざまです。塗装の劣化が進行すると、ツヤ出しや保護をする「クリア」が剥げたり、塗装が剥げてサビたりと見た目が悪くなります。
塗装が劣化する原因・対策を把握し、車本来の美しさをキープしましょう。
この記事でわかること
- 車の塗装が劣化する原因
- 車の塗装を保護する方法
- 劣化しやすい、しにくい車のボディカラー
目次
車の塗装が劣化する原因
車の塗装が劣化する原因は、天候など外的要因によるものです。おもにこれらの原因があります。
- 紫外線
- 雨・水垢
- 鉄粉
- 小石や接触などによるダメージ
- 花粉・PM2.5
- 鳥のフン
- 融雪剤
- 海の塩分・潮風
紫外線
紫外線は、下地やカラーの上にある「クリア」を劣化させる原因のひとつです。
塗料の成分である樹脂が劣化した結果、ボディの表面が白くなる「チョーキング現象」が発生し、美しさを損ないます。クリアが劣化すると、色あせだけではなく塗装のひび割れが発生し、塗装の下地が見えてしまいます。
雨・水垢
雨で濡れたままにする、洗車後に拭き上げないままにすることも、塗装の劣化につながります。
雨水には大気中の汚れが含まれており、濡れたまま放置すると水垢が残ります。洗車後に水滴を拭き取らない場合も、水道水に含まれるミネラル分が水垢として残り白いシミになるのです。
水垢の状態では塗装の劣化にはなりませんが、そのままにしておくと「ウォータースポット」になり、塗装内部までシミが浸食します。
シミが塗装の内部までシミが浸食した状態。水垢を落とすクリーナーでは除去できないため、塗装面を研磨する必要がある
長時間水垢を放置すると、塗装が劣化する原因になります。
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鉄粉
線路、工場、鉄工所の側に車を駐めている場合、鉄粉がボディに付着し、塗装を劣化させます。線路ではレールや電車のブレーキから削れた鉄粉が、工場・鉄工所は金属を削った際に発生する鉄粉が発生します。
ボディに鉄粉がつくとクリアや塗装に浸食し、劣化が進むとサビの原因になることが特徴です。
鉄粉が付着してから時間が経過していなければ、洗車で落とせます。ただし、鉄粉を除去せずスポンジやタオルでこすると、クリアや塗装をキズつけるため注意が必要です。
小石や接触などによるダメージ
対向車がはねた小石や、壁などにぶつける・こするといったダメージも塗装の劣化につながります。
外部からのダメージは衝撃が強く、表面のクリアだけではなくボディの塗装が剥がれ、放置するとサビてしまいます。
ぶつける・こすることは気づきやすいですが、小石がはねたときは気づけないこともあるでしょう。走行中に何かが当たった音がしたときは、停車した際に確認してみてください。
花粉・PM2.5

花粉やPM2.5は付着しただけなら問題ありませんが、付着したまま雨などで濡れたときは影響が大きくなります。花粉がついた状態で濡れると、白・黄のシミになり、放置すると洗車だけでは落としづらくなります。
雨や水垢による影響同様に、ウォータースポットになりクリアや塗装面まで浸食します。花粉が多い季節はこまめに洗車をしましょう。
鳥のフン
鳥のフンは、塗装を劣化させる性質があります。
鳥のフンがついていると気づいたら、早めに除去することがおすすめです。
融雪剤
雪が降る季節、地域では、道路の雪を溶かすために融雪剤(凍結防止剤)を散布します。融雪剤には、「塩化カルシウム」という成分を含んでおり、タイヤ回りの塗装を劣化させやすいことが特徴です。
特に、塗装のキズがついた場所に融雪剤がつくとサビやすくなります。
雪が降る地域では融雪剤を避けて通ることはできませんが、週1回程度洗車をするなどして、できるだけダメージを防ぐようにしましょう。
また、ボディコーティングは塗装の劣化防止として有効です。ボディコーティングについては「ボディコーティングで汚れ防止と紫外線対策をする」で紹介しています。
海の塩分・潮風
海水や潮風に含まれる塩分は、塗装を劣化させサビの原因になります。
潮風の場合、ボディの塗装だけではなくホイールやマフラーなどの金属パーツにも影響を及ぼします。
海の近くに住んでいる方以外にも、海水浴で海に近い場所で長時間駐車していたときは、塩分が車に付着していることもあるでしょう。気になる方は、こまめな洗車がおすすめです。
車の塗装が劣化したときの対処法
車の塗装が色あせた、サビが発生したときは、ディーラーや車の整備工場、板金修理工場などに修理を依頼しましょう。
カラーワックスを塗る、エアブラシなどを使い色を塗るなど、キズの程度や範囲などに応じてプロが補修します。劣化が激しい場合、ボディ全体の塗装を行うことになり、修理は高額になることもあります。
DIYで車の塗装の劣化に対処する方法はある?

塗装が少し色あせてしまった程度の劣化であれば、コンパウンドをかけワックスで磨くことでツヤが蘇るためDIYでも対処できます。
しかし、クリアが剥げて塗装が真っ白になっている、塗装面が剥げてサビが出ているなど、劣化が進行した状態では、DIYで対処するのは難しいでしょう。
作業に慣れた方であればDIYでも補修できますが、表面が美しくならない、補修してもすぐ剥げるといったことも起こるため、プロに任せるのがおすすめです。
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劣化しやすいボディカラーがあるって本当?
黒などの濃い色や、赤・黄のボディカラーは劣化しやすいといわれています。その理由としては、紫外線を吸収しやすいということがあります。
反対に、白など明るい色は比較的劣化しにくいことが特徴です。
ただし、どのようなボディカラーの車であっても、洗車しないまま放置する、青空駐車をしていると、劣化につながります。本来の色やツヤを維持したい方は、定期的な洗車と塗装の劣化防止をしましょう。
塗装の劣化を防止する方法
塗装の劣化対策としてできることは、こちらの4つです。
- 定期的に洗車をして汚れを除去する
- 車体にカバーをかける
- 雨風・紫外線が防げるガレージやカーポートで保管する
- ボディコーティングで汚れ防止と紫外線対策をする
定期的に洗車をして汚れを除去する
雨や風、紫外線、花粉など外的要因を防止していても、屋外を走行すると汚れてしまいます。そのため、定期的に洗車をして汚れやシミが塗装面に浸食しないよう対策をしましょう。
洗車の頻度は1か月に1回を目安にし、汚れが目立つときは都度洗車するのがおすすめです。
海の近くを走行したあとは早めの洗車がおすすめ
海沿いは潮風により、ボディに塩分が付着し塗装を劣化させる原因になります。
海水浴や宿泊などで海の近くを走行したときや長時間停車したときは、早めに洗車をしましょう。
車体にカバーをかける
青空駐車をしている方は、車にカバーをかけて保管するのがおすすめです。
ただし、通勤などで車を毎日利用する場合、カバーの着脱が面倒になることもあります。そういった場合は、黄砂が多く飛来する前日や雨予報が続く日、長期間車に乗らないときなど、できる範囲でカバーをかけるのもよいでしょう。
雨風・紫外線が防げるガレージやカーポートで保管する

雨や風、紫外線などの影響を受けにくい環境で保管すると、塗装の劣化を遅らせることができます。
屋内のガレージであれば、雨が降っても横風で濡れることはなく、花粉やPM2.5を防げます。
カーポートは、雨や風を防ぐことは難しいですが、紫外線防止に役立つでしょう。青空駐車と比較すると、塗装の劣化を防ぐことにつながります。
ボディコーティングで汚れ防止と紫外線対策をする
ボディコーティングとは、塗装の上に被膜をつくり、塗装の劣化を防止する施工です。
コーティング被膜の成分は、ガラスやレジン(樹脂)といったもので、層を作ることでホコリや汚れ、紫外線などから守ります。
コーティングにより塗装の劣化を防ぐことはできますが、日時が経過すると被膜も劣化するため、数週間に一度の洗車と1~5年に1回の被膜メンテナンスが必要です。コーティングのメンテナンス頻度は、コーティングの種類により異なります。

コーティングは汚れ・キズ防止だけではなく、新車のようなツヤを出すこともできます。愛車に美しさを求める方に向いた施工です!
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車のボディコーティングはDIYできる?
ボディコーティングは、DIYでも可能です。DIYの道具は、カー用品店やホームセンターなどで揃えられます。
コーティング作業に不慣れな方の場合、被膜にムラができる、製品本来の効果が持続できない可能性があります。また、作業には半日~1日かかること、作業する場所が必要になることから、不安な方はプロに任せるのがおすすめです。
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よくある質問
塗装が白く変色する原因は、塗装面の上にあるクリアが劣化したものでしょう。
青空駐車で長期間紫外線に当たっている、水垢を除去しないままでいたときはクリアが劣化しやすく、白くなる「チョーキング現象」が見られます。
クリアや塗装の劣化を防ぐ方法は「塗装の劣化を防止するための対策」で紹介しています。
コンパウンド、ワックスといった道具を使用することで、塗装を補修することはできます。
ただし、塗装が劣化した面積が広い、サビが発生するなど劣化が激しいときはプロに依頼するのがおすすめです。塗装を補修するためには、下地処理が必要で、正しい手順・方法で行う必要があるため、経験や道具が必要です。
小石がはねた程度の小キズであれば、カー用品店やホームセンターなどで、ボディカラーと同じ色のタッチペンを使い、簡易的な補修をすることもできます。
コンパウンドでボディを磨くことで、キズついた部分や汚れを目立たなくすることはできます。
しかし、磨きすぎるとクリア面だけではなく塗装も剥げてしまうため、慎重に作業を行いましょう。
またコンパウンドは、水垢除去などの下地処理の手段としては適していますが、サビなど塗装が劣化した部分を直す方法としては不向きの可能性があります。劣化が深刻な場合は、再塗装などを行うことになります。
ボディコーティングは、大きく2つの効果が期待できます。
・キズや汚れを防ぎ、塗装の劣化対策
・塗装本来の色、ツヤの復活・キープ
ボディコーティングでは、塗装面にガラスや樹脂の被膜をつくります。被膜が汚れや紫外線などを防ぐため、塗装の劣化を防げるのです。
白などの明るいボディカラーは、紫外線を吸収しやすい黒などと比較して劣化しにくいといわれています。
劣化しにくいボディカラーであっても、定期的な洗車をしていないときや、紫外線に長期間当たっている環境で駐車しているときは劣化が進行する可能性があります。
塗装を劣化させないためには、ボディカラーを重視するよりも、定期的な洗車をするなど「劣化対策」を考えるようにしましょう。
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