「オートマとマニュアルの違いが、詳しくはわからない」「免許や車は、どちらがいいの?」
そもそもオートマ(AT)とマニュアル(MT)が何を指し、どう違うのかわからない人は多いでしょう。
自動車の購入や免許取得のシーンにおいても、どうすべきかと悩むこともあるはずです。
そこで今回は、オートマとマニュアルの違いとそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。

この記事を読めば、車の違いが理解できて、免許を取得する人や車の購入を検討している人も、あなたにとって最適な選択できます。
目次
オートマとマニュアルの違いとは?

オートマ(AT)とマニュアル(MT)の違いは、ドライバー自身がギアチェンジを行うかどうかです。
オートマはアクセルを踏むと自動的にギアチェンジを行い、マニュアルはドライバー自身でギアチェンジ(変速)をします。
マニュアル車を運転する際は、クラッチペダルを踏みながら手元にあるシフトレバーを操作して、ギアを変更します。
自動車の内部でいうと、オートマとマニュアルはトランスミッションと呼ばれる機構が異なることから、ギアチェンジの方法に差があるのです。
免許はオートマ限定とマニュアルのどっちがいい?
高校卒業前後や大学在学中に、自動車免許を取得する人は多いものです。
自動車教習所の広告を見ると、オートマ(AT)限定プランと、通常のマニュアル(MT)プランの2種類が記載されているでしょう。
取得の値段が違うことや乗れる車が制限されることを考えると、どちらの免許を取得すればよいのでしょうか。
おすすめはオートマ限定免許
これから免許を取得する人は、オートマ限定免許がおすすめです。
オートマ限定がおすすめな理由は以下のとおりです。
- 日本国内におけるオートマ車の普及率は約98%以上
- 免許取得にかかる値段が安く、取得期間も短い
- 昨今の自動車教習所における卒業者は、オートマ限定が約7割
- 必要に応じて「限定解除」の講習を受けてマニュアル免許に切り替えられる
日本国内の自動車は約98%がオートマ車であり、マニュアル車の普及は2%に満たないといわれています。
また、自動車免許の取得にかかる料金と時間にも若干の差があり、東京都にある教習所を例にすると、以下のような違いがあります。
オートマ限定免許 | マニュアル免許 | |
料金プラン | 約380,000円 | 約400,000円 |
技能実習 | 31回 | 34回 |
できるだけお金をかけず、免許取得までの時間を短くしたい人は、オートマ限定免許がおすすめです。
警察庁交通局運転免許課の「令和2年中の都道府県別指定自動車教習所の卒業者数」によると、普通自動車の免許取得で卒業した約109.0万人のうち、約76.6万人、69.7%がAT限定であると発表されています。
オートマ限定でも何らかの理由でマニュアル車に乗りたくなったときは、自動車教習所や運転免許試験場で「限定解除」講習・試験を受けて免許を取得できます。
マニュアル車が欲しいなどの理由がない限り、オートマ限定免許でも問題ないのです。
オートマ車のメリットとデメリット

オートマ車は、ギアチェンジがなく免許取得も比較的安いなど、たくさんのメリットがあります。
ではドライバーとして運転をするシーンでは、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット
・運転の操作が簡単で、日常的な運転が楽
・操作ミスによるエンストが起こりづらい
・変速ショックが小さい
オートマ車はクラッチの操作が必要なく、発進・停止が簡単です。
たとえば信号までの距離が短かったり渋滞にはまったりしたときでも、ブレーキとアクセルだけで運転できるため楽に感じるでしょう。
そしてクラッチ操作の必要がないオートマ車は、操作ミスによるエンスト(エンジンストール)は、ほとんどありません。
エンジンをかけている状態で、クラッチを踏むタイミングなどによって発生するエンジンの停止のこと。
マニュアル車では操作ミスによって起こりうることで、信号待ちなどでエンストすることがあります。
操作ミスによるエンストはすぐ回復できるものの、運転に慣れていないドライバーからすると、とてもあせるできごとでしょう。
そして変速ショックとは、変速時(ギアチェンジのとき)に起こる衝撃のことです。
オートマ車の場合ドライバー自身で変速はしないものの、軽い衝撃はありますがマニュアル車ほどではありません。
また、オートマ車の一種「CVT(無段変速機)」には機構にクラッチがないため、変速ショック自体が発生せず、よりスムーズな運転ができるでしょう。

買い物や、通勤・通学で使うくらいなら、操作が楽なオートマ車にしようかな。
デメリット
・エンジンブレーキを活用しづらい(Lレンジ・2レンジで対応可)
・踏み間違えで事故を起こす可能性がある
・オートマ車の修理は、高額になる可能性あり
エンジンブレーキ(エンブレ)とは、アクセルペダルから足を離したとき、エンジンの回転数が落ちて減速することを指します。

フットブレーキを踏まずに、減速させる方法が「エンブレ」ですね。
オートマ車ではエンジンブレーキが効きづらく、活用が難しいといった声もあがっています。
ただ、DレンジからLレンジや2レンジに切り替える、オーバードライブスイッチをオフにすることで、エンジンブレーキをかけやすくなるといった対処法はあります。
シフトレバーにあるP(パーキング)、R(リバース)、N(ニュートラル)など各ポジションのこと。通常走行時のDレンジ(ドライブ)から、2レンジ=セカンドやLレンジ=ローに落とすと減速する。
シフトレバーについている変速機のスイッチ。オンにしている(=トップギアに入れる)と加速する。基本はオンにしたままだが、下り坂でオフにするとエンジンブレーキがかかりやすくなる。
また「アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故」というニュースは、オートマ車ならではの事故です。
クラッチ操作が必要なマニュアル車では、単純な踏み間違いによる事故は発生しないのです。
ブレーキを踏みたいとき、Dレンジに入れた状態で誤ってアクセルを踏むと急加速をしてしまいます。
そして、オートマ車のミッションが何らかの理由で修理が必要になったとき、修理費用が高額になる可能性があります。
オートマ車のミッションに不具合が生じたとき、部品を全交換することもあり得るのです。
不具合はひんぱんに出るものではないため、大きな心配をする必要はありませんが、ひとつのデメリットとして認識しておくとよいでしょう。
マニュアル車のメリットとデメリット

免許取得のお金が高くなり、操作が難しいとなれば、これから免許を取得する世代からすると、マニュアル車のメリットが想像できないかもしれません。
ただ、マニュアル車にもいくつかのメリットがあります。
メリット
・操作している感覚が強く、運転が楽しい
・山道の運転が楽で、エンジンブレーキを活用しやすい
マニュアル車の大きな魅力は、ドライバー自身の操作で運転を楽しめることです。
車が好きで、操作を楽しみたいドライバーには、マニュアル車ならではの人馬一体を感じることが運転の喜びになるはずです。
また山道の運転では、勾配やカーブに合わせてコントロールしやすいギアに変えられて、上り下りが続く道でのストレスは軽減できます。
いずれも、クラッチ操作に慣れた前提のメリットではありますが、車を楽しみたい人にとって、オートマにはない魅力を実感できるはずです。

将来車を買ったら、運転を楽しみたいからマニュアル車でもいいかな。
デメリット
・マニュアル車の選択肢が少ない
・オートマ車と比べて運転が複雑
・渋滞の際には運転が面倒くさい
・車種によっては坂道発進が怖い
各自動車メーカーはオートマ車の販売がメインとなり、スポーツカーを中心にマニュアル車が販売されています。
ただ、ミニバンなど人や荷物を載せることを重視したファミリカーなどはほとんどオートマ車です。
オートマ車と比較すれば、どうしても車種の選択肢が狭まってしまうことは、デメリットのひとつかもしれません。
ここまで紹介しているとおり、クラッチ操作のないオートマ車のほうが簡単に扱えるため、マニュアル車は、どうしても操作の難しさや街乗りにおける面倒くささがあります。
特に坂道の途中で発進するとき、クラッチペダルを踏むタイミングを誤るとエンストしてしまいます。
最悪の場合、後ろの車にぶつかってしまう可能性があるため、やはり運転操作に慣れないときはデメリットになりかねません。
まとめ
・オートマとマニュアルの違いは、ギアチェンジの方法
・免許を取得するなら、オートマ限定がおすすめ(操作が簡単)
・車や運転が好きな人であればマニュアル車(免許)でもOK
オートマは自動で、マニュアルはドライバー自身でギアチェンジを行うことが大きな違いです。
また「どちらがよいか」という点では、免許の取得を考えている人には、オートマ限定免許をおすすめします。
車の購入においても「マニュアル車に乗りたい!」と思う人以外は、オートマ車を選択してよいでしょう。
日本国内のオートマ車の普及率、販売されている車のラインナップを見ても、多くの人はオートマ車に乗る機会が多いはずです。
今後マニュアル車に乗りたくなったときは、自動車教習所の限定解除の講習を受ければ、両方の車に乗れるようになるため、問題はないでしょう。
「とりあえず車に乗れればいい」という方はオートマ車、車に興味がある方はマニュアル車を選択するなど、あなたの好みに合わせて選択することがベストです。