改ざん車とは、主に走行距離を実際に走った距離よりも短く見せた車を指します。
アナログ式の走行メーターが使用された時期には横行していましたが、走行メーターの電子化や車検制度の変更などが行われたことで、改ざん車はほとんどなくなりました。
ただし、絶対にないとは言い切れないため、中古車の購入時には注意が必要です。
この記事でわかること
- ・車の走行メーターが改ざんされる理由
- ・改ざん車の見分け方
- ・改ざん車だとわかったときの対処法

改ざん車だと知らずに購入し、後に気づいたときには早めの対処が必要です。改ざん車の可能性がある場合は、まず購入した店舗に確認しましょう。
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目次
改ざん車とは
改ざん車とは、主に車の走行距離メーターを不正に操作した車を指します。
不正な操作とは、表示されているメーターを巻き戻す・電子操作するなどして、実際の走行距離よりも短く見せることです。
車の走行距離メーターを改ざんする理由
最も大きな理由は、一般的に車は走行距離が短いほうが高く評価されるからです。査定における走行距離の影響は車によってさまざまですが、査定額は50万〜100万円程度の差が生まれることもあります。
走行距離メーターを改ざんすることで、以下のようなメリットが得られる可能性があるため、行っていると考えられます。
- 中古車を販売する業者や人は、車を高く購入してもらえる
- 中古車を査定してもらう人は、査定額が減額されない、または高く評価してもらえる

ただし、走行距離メーターの改ざんは判明するリスクが非常に高く、詐欺などの罪に問われる可能性が高いため、絶対に行ってはいけません。
販売店が走行距離メーターを改ざんした事例としては、以下のようなものがあります。
オークションで約21万円で購入した走行距離約14万kmの車を、走行距離約6.8万kmに改ざんして約43万円で売却。販売者は、不正競争防止法違反と詐欺の疑いで逮捕。
中古軽ワゴン車のメーターを約29万kmから約2万kmに改ざんし、インターネットオークションで消費者に販売。約50万円をだまし取ったとして、不正競争防止法違反と詐欺の疑いで逮捕。
車の走行距離メーターの改ざんはどのように行われる?
昔はアナログ式のメーターだったため、巻き戻しがしやすいシステムとなっており、慎重に文字盤を回すだけで比較的簡単に改ざんが可能でした。
また、スピードメーターと走行距離を測る機械が連動する仕組みを利用して、スピードメーターのモーターを逆回転させることで巻き戻しを行うという方法もありました。
車検の仕組みを悪用する方法もありましたが、現在は車検の仕組みが変更され対策が行われているため不可能です。
また、走行距離メーターがデジタル式に移行していることもあり、走行距離の改ざんはほぼできない状態になっています。
さらに、巻き戻しが行えたとしても、改ざんの履歴が残るため、専門機関で検査をすれば明らかになる可能性が高いです。
改ざん車かどうか見分ける4つの方法
改ざん車かどうか見分ける方法は、以下の4つです。
見分け方1. 車検証とメンテナンスノートを確認
車検証やメンテナンスノートには、走行距離に関する情報が記載されており、改ざん車かどうか判断する重要な材料になります。
車検証とは、車が保安検査で定められている基準を満たしていることを証明する書類です。
新車時の登録年数や車検証が発行された年月日などが書かれており、「年式に比べて走行距離が短すぎないか」など、さまざまな情報をもとに判断しやすいでしょう。
平成29年1月には、メーター交換などで以前の走行距離を下回った場合に、車検証に最大走行距離が記載されるようになりました。
メンテナンスノートとは、メーカーの保証書と整備記録簿をまとめた総称です。メンテナンスノートには、以下のような情報が記載されています。
・点検を受けた日付
・何km走行している段階か
・どの整備業者か
・部品の交換・整備がされた場所
確認することで、メーターの走行距離と比較しておかしな点はないか判断できます。
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見分け方2. オイル交換のラベルを確認
車用品を売る業者や整備工場でエンジンオイルを交換した場合、交換時の走行距離と交換した年月日を記入したラベルが貼られることがあります。
ラベルは、運転席のドアを開けてすぐ見えるドアキャッチのあたりやエンジンルームなどに貼られている可能性があり、書かれた数値が改ざんを見極める目安となるでしょう。
走行距離メーターの数値が、ラベルの走行距離に「交換からの年数×1万km」を加えた数値からあまりにもかけ離れている場合は、改ざん車の可能性があります。(1年間に走行距離1万kmと計算した場合)

ただし、「自宅などで個人的に交換を行っている場合は貼っていない」「業者での交換であっても、貼らないところもある」といった事情から、ラベルが必ず貼られるわけではありません。ラベルなしの可能性があることも考慮しておきましょう。
見分け方3. タイミングベルトの交換タイミングを確認
タイミングベルトとは、エンジンの部品同士を円滑に進める部品のひとつです。
タイミングベルトの寿命は、10年または走行距離10万kmとされており、交換すると、整備記録簿に交換の履歴が書かれている場合があります。
また、「タイミングベルト ◯km」のように、交換した時点での走行距離が書かれたシールがエンジンルームのどこかや整備記録簿に貼られている場合もあります。交換している場合は10万km程度走行している可能性が高いです。
故障などによって早めに交換している場合や年数による劣化で交換する場合もあるため、確実に10万km相当を走行しているわけではありません。その際にも走行距離が書かれていたり、メンテナンスノートへの記載があるはずなので、確認しましょう。
見分け方4. 走行メーター管理システムで調査する
走行メーター管理システムとは、オークションに出品された中古車の走行距離データを蓄積し、該当するデータがないか照合できるシステムです。
中古車業界を健全に発展させることや消費者を保護することを目的としており、不正行為を未然に防ぐ役割を担っています。
手数料は1,500円かかりますが、全国にある日本自動車査定協会の支所に問い合わせることで調査してもらえます。大手の中古車買取店も利用するシステムなので、確実さを求めたいのであれば、この方法がおすすめです。

ただし、オークションに出品された経歴がない場合などでは、システムにデータがない可能性もあります。その可能性も考慮して調査を受けましょう。
個人でも利用可能ですが、中古車の査定を行う店に持ち込むことで調査してくれる場合もあります。
中古車購入後に走行距離の改ざんがわかった場合の対処法
中古車を購入した後に走行距離の改ざんが判明した場合は、まず購入した店舗に連絡して「返金と返品が可能か」を確認しましょう。
返金してもらえた場合はそれで解決しますが、対応してもらえなかったときには、以下の対処がおすすめです。
消費者生活センターや自動車公正取引協議会などの専門機関に相談
消費者生活センターや自動車公正取引協議会は、車の購入に関する相談室を設けています。解決できない場合は相談しましょう。
各相談機関の連絡先は、以下のとおりです。
消費者ホットライン 188
平日バックアップ相談 03-3446-1623(10:00〜12:00/13:00〜16:00)<土日祝を除く>
休日相談 188(消費者生活センターが開所していない場合)
電話受付時間 10:00~12:00/13:00~16:00(土・日・祝日を除く)
電話番号 03-5511-2115
必要に応じて弁護士への依頼
消費者生活センターや自動車公正取引協議会に相談しても解決しなかった場合の最終手段として、弁護士へ相談することも検討しましょう。
消費者契約法では、以下のように定められています。
(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第四条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。 当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認
衆議院 法律第六十一号(平一二・五・一二) ◎消費者契約法
走行距離の改ざんは、一の「重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認」にあたり、売買契約を取消できる可能性が高いです。
走行距離の改ざん以外に、中古車の購入で気をつけるべきポイント
中古車の購入時には、「改ざん車かどうか」を確かめる以外にも、注意すべき点がいくつかあります。
たとえば、以下で挙げたものは大きく影響するため、よく確認しましょう。
・修復歴車や冠水車は避ける
・走行距離と年式のバランスを確かめる
・整備記録簿を確認する
・何年分車検が残っているか確認する
・実車を目視で確認し、試乗する
・信頼できる販売店で購入する

詳しくは以下の記事で解説しています。中古車の購入前によく読んでおきましょう。
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よくある質問
改ざん車とは、主に車の走行距離を不正に操作することで、実際よりも短く誤魔化した車です。走行メータに記載されている走行距離よりも長い距離を走行しており、実際の走行距離を確認しておく必要があります。
対処法としては「購入した販売店に連絡する」「消費者生活センターや自動車公正取引協議会に相談」の2つが挙げられ、それでも解決しなかった場合には「弁護士への相談」が必要になります。詳しくはこちらで解説しています。
基本的に走行距離が短いほうが高く評価されるからです。販売側としては、高値で購入してもらえ、売却側としては査定額を減額されないことや買取店からの高評価が期待できます。
改ざん車かどうか見分ける方法は、「車検証とメンテナンスノートを確認」「オイル交換のラベルを確認」「タイミングベルトの交換タイミングを確認」「走行メーター管理システムで調査」の4つです。詳しくはこちらこちらで解説しています。
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