唯一無二の軽クロカンSUVとして圧倒的な人気を誇るスズキ ジムニーと普通自動車版のジムニーシエラ。その性能は大型のSUVを凌駕するほど。そのためレジャー用途はもちろん、スポーツ走行を楽しむ人、山岳部や雪深い地域で仕事をする人などからも重宝されています。
屈強なジムニーですが、一方でネットなどでは「燃費が悪い」という声を多く見かけます。実際のところはどうなのでしょうか?
2023年10月に1年間の納車待ちの末にジムニーが手元にやってきて、半年強ジムニーに乗っている(まだまだ新参者ですが)筆者が実際に乗った体験も踏まえて解説します。
この記事でわかること
- ・ジムニーとライバルモデルの燃費性能
- ・ジムニーの燃費が悪いと言われる理由
- ・新車/中古車で燃費重視で選ぶならどのジムニーか
監修・執筆
エディター ライター
高橋 満
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経て1999年にエディター/ライターとして独立し、自動車、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。また、企業の広報・販促活動のサポートも担当。愛車はフィアット500Cとスズキジムニー。
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目次
燃費について正しく知るうえでもまずはジムニーがどんな車かを知っておこう
ジムニーの燃費がいいか悪いかを考えるためには、まずジムニーがどのような車かを理解しておく必要があります。ジムニーの生い立ちやジムニーならではの特殊な設計について見ていきましょう。
唯一無二の軽クロカンSUV
現在、SUVの主流はオンロードでの快適性が高いことに主眼が置かれたクロスオーバータイプです。SUVといっても、主に走るのは街中や高速道路なので、乗り心地や走行時の安定感が求められます。ロングドライブではワインディングなどを走ることもあるため、ハンドリング性能の高さも重要。
一方、ジムニーはいわゆる不整地路のなかでも勾配がきつい山中や岩などが転がるガレ場のような場所に入っていくことも想定して開発されたモデル。現在は軽自動車でもSUVテイストを高めたモデルが流行っていますが、過酷な環境で使われることを前提にしているのはジムニーのみ。それが軽自動車唯一の本格クロカンモデルと言われる所以です。
実際にジムニーに乗ると、普通の車とは明らかに異なる乗り味があり、ジムニーがプロユースの道具であることを感じます。
ジムニーならではの伝統的な性能とは?
初代ジムニーがデビューしたのは1970年。プロのニーズに応える性能を確保するために、初代から続く伝統的な性能が受け継がれています。
代表的なものとして、ラダーフレーム構造が挙げられます。現代の車の多くはシャシーとボディが一体になっているモノコック構造ですが、ジムニーははしご型のフレームにボディやシャシーが取り付けられています。これにより、悪路で路面から強い衝撃が入ったときでも衝撃をしっかり吸収します。
左右の車輪が車軸でつながれたリジットアクスル式サスペンションは、一方の車輪が押し上げられると反対側の車輪に押し下げる力が働くため、雨などで削られて深い凹凸ができた不整地走行で威力を発揮します。
ほかにも高い脱出性能を実現するパートタイム4WDと機械式副変速機、大きなアプローチアングルを可能にするFRレイアウトなど、一般的な車とは異なる方式を継承し、その性能を高めてきました。
普段使いもしやすいように改良された部分もある
デビュー時にはトラックなどで採用されるリーフスプリング式サスペンション(板バネ)でしたが、1995年11月に登場したJA12/22型から、コイルスプリング式サスペンションを採用して乗り心地が向上しました。
現行型のJB64型では、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報機能などの先進安全装備を搭載。急な登り坂での坂道発進時に車両が後ろに下がらないようにするヒルホールドコントロールも搭載されています。さらに、細かいところでは先代まで装備されていなかったチルトステアリングがつくようになりました。
ジムニーの燃費をチェック!競合車種とも比較
現行型ジムニーは2024年4月に改良を受けて4型になりました。2022年6月の一部改良(3型)では、AT車だけでなくMT車にもアイドリングストップ機構が搭載されています。
現在のジムニーのカタログ燃費は、MT車で16.6km/L、AT車で14.3km/L(いずれもWLTCモード)となります。
競合車種との燃費比較
▼競合車種との燃費比較(2024年5月現在)
車種 | トランスミッション (変速機) |
駆動方式 | WLTC モード燃費 |
スズキ ジムニー | 5速MT | 4WD | 16.6km/L |
4速AT | 4WD | 14.3km/L | |
スズキ ジムニーシエラ | 5速MT | 4WD | 15.4km/L |
4速AT | 4WD | 14.3km/L | |
スズキ ハスラー (マイルドハイブリッド/NA) |
CVT | 2WD | 25.0km/L |
CVT | 4WD | 23.4km/L | |
ダイハツ タフト(NA) | CVT | 2WD | 21.4km/L |
CVT | 4WD | 21.1km/L |
前述したように、ジムニーは荒れたオフロードも走れるように特殊な設計がされたモデルで、厳密にはライバルモデルは存在しません。そのため、多くのユーザーが比較すると思われるモデルとの燃費差を取り上げました。
競合車種と比べてジムニーの燃費はなぜ悪いのか
上記の数字を見れば一目瞭然。ジムニーの燃費はハスラーやタフトに比べるとかなり悪くなります。ここにはいくつかの理由があります。
ひとつは車両重量の差。屈強なラダーフレーム構造を採用するジムニーの車両重量はMT車で1,040kg。AT車だと1,050kgあります。一方で、ハスラーはNAエンジンのハイブリッドXの2WDで820kg。車両重量は200kg以上の差があります。厚生労働省のデータによると26〜29歳男性の平均体重が70.4kgなので、ジムニーはハスラーに大人が3人乗っているようなものです。
ジムニーとハスラーのターボ車は同じR06A型エンジンになりますが、ハスラーは燃費に有利なマイルドハイブリッドシステムを搭載しているのに対し、ジムニーにはこのシステムが搭載されていません。
また、トランスミッションもハスラーが燃費性能に優れるCVTなのに対してジムニーは4速AT。AT車は街乗りや高速道路での快適性を重視しているとはいえ、オフロードでも駆動力をしっかり伝える設定になっているので、どうしても燃費性能は落ちてしまいます。
ただ、ワンボックスタイプと比較すると、燃費性能はそこまで悪くありません。たとえばスズキのエブリイワゴンはCVT採用モデルでWLTCモード燃費が15.1km/Lになります。
オーナーが語る「ジムニーの燃費は悪い?良い?」
筆者のジムニーは現行型(JB64)の3型、XCの5速MT車で、タイヤはまだノーマルです。上の写真は高速道路、一般道、ワインディングなどが混ざった、走行距離約2,500kmでの平均燃費。走行シーン別のものではなく、燃費向上を意識せずに走っているため、あくまで参考程度に見てほしいですが、WLTC燃費にかなり近い数値になっています。
5速MT車は1速と2速がラフロード走行のセッティングになっているので、4,000回転くらいまで引っ張っても想像以上にスピードに乗りません。そのためアクセルを踏み込んでしまうと、そのぶん燃費が悪くなります。
また、高速道路では5速に入れて80km/hで約3,000回転、道の流れに乗る100km/hで約4,000回転まで回ります。ハスラーなどに比べると当然燃費は悪くなります。
では、オーナーとしてジムニーの燃費をどう捉えているか。
確かに燃費がいいとは言えないが、それはジムニーに与えられた性能と引き換えになっているものなので仕方ないと思っています。
筆者の使い方では、荒れた場所を走る機会はなかなかありません。それでも、圧倒的な性能が備わっているジムニーに乗ることで所有欲が満たされますし、遊びに行ったときの絶対的な安心感もある。例えるなら、1,000m防水のダイバーズウォッチのようなハイスペックなギアを手に入れるような感覚です。他の軽自動車にはない性能があると思えば、この燃費性能は充分すぎると感じています。
スズキ ジムニー
車両本体価格105.0万円
支払総額110.0万円
諸費用5.0万円
スズキ ジムニー
車両本体価格158.6万円
支払総額168.8万円
諸費用10.2万円
スズキ ジムニー
車両本体価格155.7万円
支払総額164.3万円
諸費用8.6万円
スズキ ジムニー
車両本体価格129.6万円
支払総額139.9万円
諸費用10.3万円
スズキ ジムニーシエラ
車両本体価格229.0万円
支払総額240.8万円
諸費用11.8万円
スズキ ジムニーシエラ
車両本体価格285.0万円
支払総額296.3万円
諸費用11.3万円
スズキ ジムニーシエラ
車両本体価格228.4万円
支払総額239.6万円
諸費用11.2万円
スズキ ジムニーシエラ
車両本体価格239.2万円
支払総額248.8万円
諸費用9.6万円
現行型ジムニーを新車/中古車で選ぶなら?
ここからは、デビューから間もなく6年経つ現在でもなお、人気が衰える気配のないジムニーを手に入れようと思った場合に、どんな点に注目すればいいかを見ていきましょう。
現行型ジムニーの改良の変遷と中古車相場価格
2018年7月のフルモデルチェンジから現在まで、3度の改良が加えられています。そして改良ごとに1型、2型、3型、4型と呼ばれます。それぞれの改良内容と中古車相場価格がどうなっているかを紹介します。
1型(2018年7月〜)
WLTC燃費 | 4速AT車/13.2km/L 5速MT車/16.2km/L |
中古車相場価格 | 総額150万〜340万円 |
20年にわたり製造された先代のJB23型から満を持してフルモデルチェンジ。四角いボディラインと丸型ヘッドライトにより、無骨さのなかにもどこか愛らしいイメージが与えられました。歴代ジムニーが大切にしてきた本格的なクロスカントリー性能を継承しながら、快適性や安全性がアップしたのも注目すべき点です。
現行型ジムニーはデビュー前から大きな話題となり、デビューと同時に1年以上の納車待ちが発生しました。そのため、中古車市場ではプレミア価格で販売されるなど、社会現象になりました。
2型(2021年10月〜)
WLTC燃費 | 4速AT車/14.3km/L 5速MT車/16.2km/L |
中古車相場価格 | 総額180万〜340万円 |
1型と2型は、エントリーグレードのXGと中間グレードのXLに、先進安全装備であるスズキセーフティサポートを搭載したものと非搭載のものが用意されていました。1型では、スズキセーフティサポート非搭載車にはオートライトシステムが搭載されていませんでしたが、2型になり非搭載車にもオートライトシステムが搭載されました。
燃費に関する改良もされていて、4速AT車にアイドリングストップシステムを搭載。これにより、4速AT車のWLTC燃費が1.1km/L向上しています。
3型(2022年7月〜)
WLTC燃費 | 4速AT車/14.3km/L 5速MT車/16.6km/L |
中古車相場価格 | 総額180万〜400万円 |
3型では5速MT車にもアイドリングストップシステムが搭載され、これによりWLTC燃費が0.4km/L向上しました。また、アイドリングストップシステム搭載によりインパネ周りのスイッチレイアウトが少し変更されています。
4速AT車はブレーキを踏んで車が停車するとエンジンがストップし、ブレーキから足を離すとエンジンが再始動します。5速MT車では、停車してギアをニュートラルに戻し、クラッチペダルから足を離すとエンジンがストップ。そして発進のためにギアを入れようとクラッチペダルを踏むとエンジンが再始動します。
4型(2024年4月〜)
WLTC燃費 | 4速AT車/14.3km/L 5速MT車/16.6km/L |
新車価格 | 1,654,400〜2,002,000円 |
現在新車で販売されているのがこちら。今回の変更は2021年6月の保安基準改正でバックカメラやセンサーといった後退時車両直後確認装置の装着が義務化されたことによる法規対応がメインです。ジムニーはリアパーキングセンサーが全グレードに標準装備されました。
また、昨今の原材料価格の高騰などにより、新車価格が10万円ほどアップ。上級グレードであるXCの4速AT車は車両本体価格が200万円を超えました。まだ改良されたばかりということもあり、中古車はほとんど流通していません。
燃費性能重視で現行型ジムニーを選ぶならどれが正解?
本記事のテーマはジムニーの“燃費”。そこでジムニーに燃費性能を求めるのであればどれを選ぶのがいいかを考えていきましょう。
まず、新車に乗りたい人は迷わず新車を選ぶべき。現段階でもっとも燃費がいいので、燃費重視の人も満足できるはずです。
一方で予算の関係や、今乗っている車の車検タイミングなどですぐに納車できないと困るという人は、中古車を探すことになります。その場合、燃費重視ならどれを選ぶべきでしょうか。
これはトランスミッションの形式により変わってきます。
4速AT車を探しているなら、アイドリングストップシステムが搭載された2型以降がおすすめ。1型の13.2km/Lから1.1km/Lよくなっているのは燃費にこだわる人にとって大きな進化。
なかでもWLTCモードの市街地モードと郊外モードが向上しているのは日常使いが中心の人にとって嬉しいことです。
5速MT車もアイドリングストップシステムが搭載された3型を選ぶべきではありますが、こちらはそこまで気にしなくてもいいでしょう。なぜなら燃費向上はWLTCモードで0.4km/Lにとどまり、使っているとアイドリングストップをオフにするケースもあるからです。
筆者もアイドリングストップシステム付きの3型5速MTに乗っていますが、信号などで停車しエンジンが停止すると「わ、エンストした?」と焦ることが多いです。そのため、車に乗り込んでエンジンをかけるとまずアイドリングストップをオフにしています。燃費をよくしたいときは、低速ギアで高回転まで引っ張らずに早めにシフトアップするのがいいのかなと思います。
それよりも、とにかく燃費を重視したい人が中古車を選ぶ際に注目してほしいのがカスタム状況。ジムニーはラギットテレーンやマッドテレーンなどのオフロードタイヤを履き、リフトアップして大径タイヤにしている中古車が多くあります。なかには見た目だけでなくエンジンなどをいじっているものもあります。
オフロードタイヤ、なかでもマッドテレーンタイヤは不整地での走行性能を重視しているため、ノーマルタイヤに比べると燃費性能は落ちてしまいます。
先代ジムニーを中古車で選ぶなら?
ジムニーは現行型だけでなく、中古車でしか手に入れることができない歴代モデルも人気があります。それらがどのようなモデルだったのかを振り返ってみましょう。まずは1998年10月から20年にわたり生産された、先代モデルであるJB23型から振り返ります。
先代ジムニー、改良の変遷
軽自動車が現在の規格に改正された1998年10月にフルモデルチェンジ。新規格に合わせてボディサイズが拡大されたことで、衝突安全性が高まり、同時に室内空間も拡大されました。
実はJB23型ジムニーがデビューする10か月前に普通自動車版のジムニーワイド(後にジムニーシエラに名称変更)がデビューしていたので、こういうデザインになるというのはわかっていました。しかし、実車が発売されると改めて「ずいぶん変わったなあ」と感じたものです。
理由は、本格クロカン4WDでありながら、JB23型ジムニーは都会的なイメージになったからです。それ以前のジムニーが直線的なデザインだったのに対し、曲線を多用したデザインを採用しています。
JB23型ジムニーは1型から10型まであります。そこで、ここではある程度まとめて紹介していきます。
1型(1998年10月〜)、2型(1999年10月〜)、3型(2000年4月〜)
10・15モード燃費 | 4速AT車/14.6km/L 5速MT車/16.0km/L |
中古車相場価格 | 総額20万〜120万円 |
これらの世代のジムニーは、縦型スリットのグリルが特徴的で“ガイコツ顔”と呼ばれたりします。乗用車的なデザインになったのは、ライバルモデルである三菱 パジェロミニの影響が大きかったのではないかと感じます。
2型では排ガス規制への対応、3型ではABSユニットなどが変更されました。
4型(2002年1月〜)
10・15モード燃費 | 4速AT車/14.8km/L 5速MT車/16.4km/L |
中古車相場価格 | 総額30万〜140万円 |
4型ではフロントフェイスを大きく変更。ガイコツ顔のグリルから横スリットのグリルになり、ボンネットとグリルが分割されました。エンジンも改良され、インタークーラーが大型化されることで、低〜中回転域でのトルクアップが図られました。上級グレードのXCは電動格納式ドアミラーが採用されました。
5型(2004年10月〜)、6型(2005年11月〜)、7型(2008年6月〜)、8型(2010年9月〜)
10・15モード燃費 | 4速AT車/14.8km/L 5速MT車/16.4km/L |
中古車相場価格 | 総額30万〜190万円 |
5型への変更はマイナーチェンジにあたるもので、機構が大きく変わりました。
最大の変更点は2WDと4WDの切り替えがレバー式からインパネに配置されたスイッチで行うようになったこと。トランスミッションも変更され、4速AT車はゲート式のシフトノブになっています。外観ではグリルデザインを変更。3本の横スリットからメッシュと2本スリットを組み合わせたデザインになりました。
6型ではヘッドライトレベライザーを追加装備。7型ではエンジンのシリンダーヘッドなどの改良によりトルクアップが図られ、加速感と扱いやすさが向上しました。外観ではリアのスペアタイヤにシルバーのハーフカバーが装着されました。
8型ではエキゾーストフロントパイプが変更され、インテリアではシート表皮やステアリングのステッチ色が変更されています。
9型(2012年5月〜)、10型(2014年8月〜)
JC08モード燃費 | 4速AT車/13.6km/L 5速MT車/14.8km/L |
中古車相場価格 | 総額30万〜200万円 |
9型は衝突時に歩行者の頭部への衝撃を緩和するために、ボンネットの前側が高くなりました。合わせてフロントフェンダーのデザインも変更され、リアシートにISOFIX対応チャイルドシートを固定するためのアンカーが付けられました。
10型はメーターやシート表皮が新しいデザインに変更されています。
燃費性能重視で先代ジムニーを選ぶならどれが正解?
変遷で記した燃費を見てもわかるように、JB23型の燃費は大きくは変わっていません(9型・10型は燃費の計測方法がJC08モードに変わっているため数値が異なっています)。そのため、中古車を選ぶ際に燃費のことはあまり気にしなくてもいいと思います。
JB23型のデザインを気に入って街乗り中心に使うなら、エンジンが扱いやすくなった7型以降がおすすめ。長く乗るつもりならなるべく新しい9型・10型がおすすめです。
それよりも大事なのがコンディション。JB23型はすでにデビューから25年以上経過しているモデルです。そのため初期のものはそれなりに経年劣化が見られるでしょう。
JB23型はパーツが豊富に流通しているので、その気になればエンジンやトランスミッションの載せ替えも可能です。ただ、せっかく買うならいきなり大掛かりな修理は避けたいところです。購入時は販売店のスタッフと一緒に車両状態をしっかりチェックしてください。
特に気をつけたいのがボディのサビ。ジムニーは雪国で使用されることも多いモデルなので、凍結防止剤の影響などで下回りや荷室のカーペット下にサビが出ていることも少なくありません。
ボディは交換ができないので、あまりにもサビが酷いものは避けたほうがいいでしょう。
また、JB23型はカスタムされたものが多いのも特徴。カスタムは自分好みかだけでなく、車検に通る状態かも要チェック。MT車でリフトアップなどのカスタムが施されているものは、山でトライアルを楽しんでいた可能性もあるので、下回りなどの状態もよくチェックし、納得したうえで購入するようにしましょう。
おしゃれな人が注目する、ビンテージムニー
今、若者や自分のライフスタイルにこだわりを持つ人たちの間で旧車が支持されています。現代の車にはないレトロ感のある雰囲気は一度味わうと病みつきになる人も多くいます。ジムニーもビンテージ感が溢れるモデルの人気が高く、専門店も存在します。
一方で、部品が豊富なジムニーとはいえ、この時代のものはさすがに一部で部品が見つかりづらくなってきたという話もあります。
気軽にすすめられるものではありませんが、この世界に興味がある人ならどっぷりハマってみるのも楽しいかもしれないですよ。
SJ10型(1976年〜)
1970年に登場した初代ジムニー(LJ10型)の流れを汲むモデルで、SJ10型は初代の第3期モデルに位置付けられます。軽自動車規格の改正により、搭載される2サイクル3気筒エンジンの排気量が539ccにアップ。
ボディはフロントガラスを前に倒して文字通りフルオープンを楽しめる幌タイプと箱型のバンタイプが用意されました。幌タイプはドアも幌製になります。
SJ30型(1981年〜)
2代目へとフルモデルチェンジしたジムニーは、軍用車のようなスタイルからモダンなイメージに生まれ変わりました。そしてトランスミッション、トランスファー、ブレーキなども一新。ジムニーならではの「不整地でも躊躇なく入っていける性能」は継承されました。
ボディバリエーションは幌ドア、ハーフメタルドア、フルメタルドアという3種類の幌タイプと、個人ユースを想定したバンタイプ、業務仕様を想定したバンタイプが用意されました。
JA71型(1986年〜)
このモデルからエンジンが4サイクルの550ccターボに変更され、トランスミッションも5速MTになりました。これにより以前のモデルと比べると高速道路の走行が楽になっています。JA71型が登場後もSJ30型は併売されていました。
ボディバリエーションは幌タイプのフルメタルドア、2種類のバンタイプ、そしてハイルーフのパノラミックルーフが用意されました。
JA11型(1990年〜)
2代目ジムニーの第3期モデルとなるJA11型。この世代は軽自動車規格の変更により660ccエンジンが搭載され、全長も拡大されています。排気量アップに伴い、最高出力は58ps、最大トルクは8.8kg-mにアップしました。1991年6月の変更では最高出力、最大トルクがさらにアップしています。そして1992年7月にはジムニー初のAT車が追加されました。
ボディバリエーションはJA71型同様に幌タイプのフルメタルドア、2種類のバンタイプ、そしてハイルーフのパノラミックルーフが用意されました。
JA12型/JA22型(1995年〜)
ここまで紹介してきたジムニーはすべて、サスペンションが貨物車などで採用されるリーフスプリング(板バネ)になります。JA12/22型は快適性を高めるために、サスペンションが乗用車で採用されるコイルスプリングに変更されました。JA12型とJA22型の違いはエンジン。JA12型には従来から使用されていたSOHCターボのF6A型エンジン、JA22型にはDOHCターボのK6A型エンジンが搭載されました。
ボディバリエーションはJA12型が幌タイプのフルメタルドアと2種類のバン、JA22型はバンのみが用意されました。
よくある質問
2018年7月のデビュー時は4速AT車が13.2km/L 5速MT車が16.2km/Lでした。その後の改良でどちらもアイドリングストップシステムを搭載し、現在新車で販売されているものは4速AT車が14.3km/L 5速MT車が16.6km/Lになります。
ジムニー以外の一般的な軽自動車と比べると燃費性能は悪くなります。たとえばマイルドハイブリッドシステムを搭載するスズキ ハスラーはNAエンジンの2WD車のWLTCモード燃費が25.0km/L、ターボエンジンの2WD車で22.6km/Lになります。
ジムニーの燃費が悪い理由のひとつが車両重量の重さ。ハスラーとジムニーでは車両重量が200kg以上あるため、どうしても燃費が悪くなります。また、多くの軽自動車が燃費効率のいいCVTを採用しているのに対し、ジムニーは4速ATなことも燃費に影響しています。
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