譲渡証明書とは、車の所有者を名義変更(移転変更)するときに必要な書類です。様式は国土交通省によって決められており、正しい書き方で提出しないと受理されません。
なお、自分で譲渡証明書を記載するときには、旧所有者と新所有者の両者の情報を記載する必要があるため、記載漏れや誤りのないよう注意しなければなりません。スムーズに手続きを終えるためにも、譲渡証明書の書き方と記載内容をチェックしておきましょう。
この記事でわかること
- ・譲渡証明書の書き方
- ・譲渡証明書のダウンロード方法
- ・譲渡証明書や手続きに関する注意点
目次
譲渡証明書とは?

譲渡証明書は旧所有者から新所有者へ車を譲渡することを証明する書類です。譲渡証明書は、以下の場合に提出が求められます。
・中古車の購入するとき
・車を売却するとき
・家族や友人などに車を譲渡するとき(個人売買)
中古車販売店で車を売買する際は、販売店側が譲渡証明書を用意してくれるので準備の必要はありません。ただし、個人間の取引の場合は自分で指定の用紙を準備し、記入する必要があります。
譲渡証明書の入手方法
譲渡証明書は、運輸支局の窓口または国土交通省の公式サイトから入手できます。運輸支局の窓口は基本平日の日中にしか対応していません。管轄の運輸支局によって受付時間が異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。
国土交通省からダウンロードする場合は自分で印刷をし、記入をする必要があります。ただし、感熱紙で作成された譲渡証明書は受理されないので、必ず普通紙に印刷して作成するようにしましょう。
譲渡証明書の書き方
具体的に譲渡証明書の書き方を見ていきましょう。
▼譲渡証明書の書き方 例
譲渡証明書を記入する際は、必ず黒のボールペンを使用してください。こすって消せるボールペンは使用不可ですので注意しましょう。
ここでは、各記載項目の内容と書き方を詳しく説明します。
1.車両情報
自動車検査証(車検証)に書かれた情報をもとに、譲渡する車両の情報を記入します。ここで記入する情報は、以下の4項目です。
▼記入する車両情報
記入項目 | 書き方 |
車名 | メーカー名のみを記入する。 例:トヨタ、日産 など |
型式 | 車の種類を分類するためにアルファベットと数字の組み合わせで表記される識別記号。 型式によってどのメーカー、どの車種・モデルなのかがわかる。 例:DAA-000000 |
車台番号 | 車両一台ずつに割り当てられた、アルファベットと数字の組み合わせで表記される個別の識別番号。 例:AB000-00000 |
原動機の型式 | アルファベットと数字の組み合わせで表記されるエンジン諸元。 例:AA20 |
2.旧所有者の情報
「譲渡人及び譲受人の氏名又は名称及び住所」の最上段に旧所有者(譲渡人)の住所と氏名を記入します。

旧所有者(譲渡人)の情報は必ず最上段に書くのが決まりなので、注意してくださいね。
3.旧所有者の印鑑
譲渡人印の欄には、旧所有者の実印での押印が必要です。旧所有者のみ印鑑が必要なので、忘れないようにしましょう。
4.新所有者の情報
「譲渡人及び譲受人の氏名又は名称及び住所」の2段目に、新所有者(譲受人)の住所と氏名を記入します。同列の「譲渡年月日」の欄に、書類を提出する日付を和暦(例:令和4年10月1日)で記入してください。なお、譲受人の押印は不要です。

備考欄は基本的に空欄で問題ありません。ただし、車の型式の変更などがあった場合は、備考欄にその旨を記入するようにしてください。
譲渡証明書と一緒に必要となる書類

名義変更(移転登録)の際には、譲渡証明書以外にも必要な書類があります。譲渡証明書とあわせて準備しておくと、手続きがスムーズです。
名義変更で必要な書類は、以下のとおりです。
・譲渡証明書
・自動車検査証(車検証)
・旧所有者の印鑑証明書
・旧所有者の委任状
・新所有者の印鑑証明書(市役所で受け取り)
・車庫証明(警察署で受け取り)
・新所有者の委任状(国土交通省のサイトからダウンロード)
※委任状は本人以外が申請する場合のみ必要
各書類の入手方法や詳細は、以下のぺージをご覧ください。
自分で名義変更をする場合も委任状が必要?
委任状とは、申請者が直接申請を行えず、代理人に代行してもらうときに必要な書類です。本来、名義変更の手続きは旧所有者と新所有者の両者が行うものなので、どちらか片方だけで名義変更の手続きを行う場合は委任状が必要となります。

店舗で中古車を売買する場合は、店舗側が名義変更を代行するケースが多く、書類の準備も行います。店舗が代行で名義変更をする場合、受任者が店舗、委任者が自分となります。
委任状の原紙は、譲渡証明書と同様に国土交通省のサイトでダウンロードできます。書き方にも決まりがあるので、きちんと押さえておきましょう。
▼委任状の書き方 例
委任状を記載する場合には、手続きを行う人の内容を「受任者」の欄に、申請の代行を依頼する人を「委任者」の欄に記入してください。委任状は、旧所有者と新所有者のうち誰が名義変更をするかによって受任者・委任者になるかが異なるので、注意しましょう。
譲渡証明書や手続きに関する注意点

譲渡証明書を作成して名義変更の手続きを進める際には、以下3点に注意しましょう。
譲渡証明書の印刷には感熱紙を使わない
委任状を国土交通省のサイトからダウンロードして印刷する場合は、必ず普通紙を使用してください。感熱紙は熱や光で文字が変色や退色してしまい、保存上の問題があるため、譲渡証明書の用紙として使用できません。
修正テープなどを使わない
修正テープや修正液などで修正すると基本的には受理してもらえません。記載内容を間違えたときには、間違えた個所を二重線で消して訂正印を押し、近くに正しい内容を記入してください。
使用する訂正印は、書類に使用した印鑑と同じ印影である必要があります。譲渡証明書では旧所有者の実印を訂正印として利用してください。
名義変更は車を譲渡してから15日以内に行う
名義変更は、車の譲渡から15日以内に手続きをする必要があります。名義変更に必要な書類には、譲渡証明書のように個人でダウンロードできるもの以外に、警察署や市役所などに出向いて用意する書類もあります。全部の書類を揃えるのには時間がかかるので、譲渡が決まったらできるだけ早めに準備を始めましょう。
なお、名義変更の申請をする運輸支局は、平日の日中にしか受け付けていません。あらかじめ計画的に手続きを進めることが大切です。
まとめ
名義変更で必要な譲渡証明書は、形式や書き方が国土交通省によって定められています。旧所有者と新所有者の情報がないと受理されないので、記載漏れのないよう注意しなければなりません。
名義変更を自分で行うときには譲渡証明書以外にもさまざまな書類が必要です。取得に時間のかかる書類もあるので、できるだけ早く準備に取りかかりましょう。
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