更新日2022.10.27

エコカーの種類は?それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介

エコカーの購入や利用は年々広がっています。「地球環境に配慮すべき」という意識の高まりとともに、自動車税が減免されたり、燃料費が安く抑えられたりする経済的なメリットも、利用拡大の背景にあるといえるでしょう。

ただ一括りにエコカーといっても、種類はさまざまで動力の供給方法も異なります。エコカーの種類やメリット・デメリットを把握して、自分にあった車種を見つけてみましょう。

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おすすめのエコカーも一挙に紹介します!

この記事でわかること

  • エコカーの種類はこんなにもある
  • エコカーのメリット、デメリット
  • おすすめのエコカー3選

エコカーとは?

エコカーとは環境に配慮した車の総称で、環境省では「次世代自動車」と呼んでいます。二酸化炭素の排出削減のため、2030年までに新車の5~7割をエコカーとする目標が政府によって掲げられています。

国内でのエコカーの保有台数は年々増加しており、2015年の590万台から2020年には1,210万台に倍増しました。より多くのユーザーにとって身近な存在になってきたといえます。

出典:EV等 保有台数統計|一般社団法人次世代自動車振興センター

エコカーの種類と特徴

エコカーには、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車など、さまざまな種類があります。動力や特徴を次の表にまとめました。

名称略称動力代表的な車種
電気自動車EVバッテリーに蓄えた電気で
モーターを回転させて走る
日産:リーフ
ホンダ:Honda e
マツダ:MX-30EV
テスラ:Model 3 …など
燃料電池自動車FCV水素を空気中に含まれる酸素を反応させ、
燃料電池で発電させて走行
トヨタ:MIRAI
ホンダ:クラリティFUEL CELL
メルセデスベンツ:GLC F-CELL …など
ハイブリッド自動車HVエンジンとモーターの両方を搭載し、
動力源を組みあわせて駆動する
トヨタ:プリウス
ホンダ:ヴェゼル
スズキ:ワゴンR

日産:ノート …など
プラグインハイブリッド自動車PHEVバッテリーでモーターを動かすトヨタ:RAV4 PHV
三菱:アウトランダーPHEV
レクサス:NX450h+ …など
クリーンディーゼル自動車CDVガソリンエンジンに比べて燃焼効率が高いディーゼルエンジンを搭載し、
燃料に軽油を使用する
マツダ:CX-3 XD
三菱自動車:デリカD:5
トヨタ:ランドクルーザープラド …など
天然ガス自動車CNG都市ガスの原料でもある天然ガスを燃料として走る。
圧縮天然ガス(CNG)自動車がもっとも広く普及している
ダイハツ:ハイゼットカーゴ
フォルクスワーゲン:ゴルフ GTE
いすゞ:エルフなど

電気自動車(EV) 

電気自動車の特徴

・排出ガスがない
・走行による騒音が少ない
・部品数が少なく、自動車を小型化しやすい

電気自動車は鉛、ニッケル水素、リチウムイオンなど蓄電池にたくわえた電気でモーターを動かします。エンジンは搭載しないので音が静かで、ガソリンを使わないため排気ガスも出ません。毎年、保有台数は微増しています。

ガソリンの給油に比べて、充電にかかる時間は長くかかります。

燃料電池自動車(FCV)

燃料電池自動車の特徴

・排出されるのは水のみで環境負荷が少ない
・水素の充填は約3分なので、すぐ走行可能
・車体や水素のコストが高い

燃料電池自動車は燃料電池を搭載し、液体水素と空気中の酸素を化学反応させて電力を作り出します。走行時に排出されるのは水のみで、クリーンです。

電気自動車と比べて充電時間は短く、航続距離は長いものの、コスト面はやや高く水素ステーションの普及も課題といわれています。

ハイブリッド自動車(HV)

ハイブリッド自動車の特徴

・エンジンの能力を最小限に抑え、足りない走行性能をモーターで補助する
・減速時に回収したエネルギーを駆動用に再利用して、燃費向上と排出ガス削減を実現
・市場に販売されているエコカーのなかで圧倒的多数をしめる

ガソリンで動かすエンジンと、電力を使って動かすモーターの両方を積んでいるのがハイブリッド自動車の特徴です。始動時や坂を登るときのようにパワーを必要とする場面ではエンジンの力を使い、巡行時はモーターのみを動かすなど、シーンに応じてガソリンと電気を使い分けながら、少ない燃料で効率的に走行します。

ハイブリッド自動車は、エコカーの国内保有台数のうち約98%を占める、もっともメジャーなタイプです。

出典:EV等 保有台数統計|一般社団法人次世代自動車振興センター

プラグインハイブリッド自動車(PHV)

プラグインハイブリッド自動車の特徴

・家庭用電源など外部からも充電できる
・給電機能があり大型バッテリーにもなる
・メーカーによってはPHVとも呼ばれるが中身は同じ

ハイブリッド自動車のうち、家庭用のコンセントなど外部から充電できるタイプは、プラグインハイブリッド自動車と呼ばれます。身近なコンセントで手軽に充電できるので、専用の充電スタンドが近くになくても充電不足の心配を軽減できるでしょう。

給電機能があるのでアウトドアや停電時にも大型のバッテリーとして活用できます。

クリーンディーゼル自動車(CDV)

クリーンディーゼル自動車の特徴

・従来のディーゼル車より排出ガスの窒素酸化物(NOx)などを低減
・軽油を使用するためガソリン車に比べて燃料費が抑えられる
・2023年よりエコカー減税の優遇措置から外れる

従来のディーゼルエンジンは排気ガスの排出量が多く、環境負荷が高いとされてきました。クリーンディーゼル自動車はPM(粒子状物質)や窒素酸化物の排出量を抑えたものです。

ガソリンよりも燃料効率が高く、使用する軽油は価格も安くなっています。遠出することが多い人に向いている車です。

ただし、2023年からエコカー減税の優遇措置対象から外され、一般的なガソリン車と同じ扱いになることが発表されました。

天然ガス自動車(CNG)

天然ガス自動車の特徴

・硫黄酸化物(SOx)や粒子状物質をほとんど排出しない
・トラックやバス、軽自動車にも幅広く使われる
・一回の充填で走れる距離が短い

天然ガス自動車は、天然ガスを燃料にしてエンジンを動かす方式の車です。高圧の天然ガスを気体のまま燃料とする天然ガス自動車がもっとも多く、大型バスやトラックなどでも天然ガス自動車は実用化されています。

ガソリン車と比べて二酸化炭素や窒素酸化物などが削減できる点がメリットですが、ガスを補給できる場所が少ない点や、航続可能な距離が短い点などが課題となっています。

その他のエコカー

以上で紹介したほかにも、さまざまな種類のエコカーが登場しています。

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こんなに種類があるんだね!

動力特徴
バイオ自動車サトウキビやトウモロコシなど穀物を燃料としてエンジンを動かす排出される二酸化炭素は再生可能なエネルギー
水素自動車水素エンジンを搭載し、水素を燃焼させて直接の動力源とする排出されるのは水のみ。レーシングカーではすでに実現している
第3のエコカーガソリンを燃料としてエンジンを動かす車体を軽量化しハイブリッド自動車並みに燃費を高めたガソリン車

バイオ自動車

バイオ自動車は穀物を燃料源としています。バイオ燃料から排出される二酸化炭素は、ガソリン由来のものと異なり植物体内に吸収できるので再生可能エネルギーといえるでしょう。

欧米では、すでにバイオ燃料の生産は広まっています。 

水素自動車

水素を動力源とする水素自動車は、走行時に排出されるのが水のみなので環境への負荷が低いと期待されています。

水素と酸素で化学変化を起こしてエネルギーを得る燃料電池車に対して、水素自動車では水素を直接燃やして動力にしようという点が異なります。

実用化に向けては水素ステーションの普及のほか、水素を安定的に燃焼させる技術改良も必要です。

第3のエコカー

ガソリン車が、エンジンの改良や軽量化などの工夫を重ねてハイブリッド自動車並みまで燃費をよくしたものを「第3のエコカー」と表現します。

電気自動車でもハイブリッド自動車でもなく、燃料費と車両価格の双方を抑えることで環境に配慮した走行を実現したものです。

エコカーのメリット

ガソリン車と比較しながらエコカーのメリットを解説します。

環境にも家計にも優しいとうれしいですね!

燃料費の節約になる

ガソリン車に比べて、燃費がよいエコカーのほうが燃料費を節約できます。

年間で1万km走行する場合、レギュラーガソリンで160円/Lとして試算してみましょう。

  • ガソリン車燃費10km/Lのとき年間の燃料費は16万円
  • エコカー燃費18km/Lのとき年間の燃料費は約9万円

初期に必要な車両本体の購入費用はエコカーのほうが高い傾向ですが、燃料費で年間7万円の差が出ました。長い期間、エコカーを利用すれば節約できる燃料費が大きくなっていきます。

地球環境に配慮されている

自動車から排出される二酸化炭素や窒素酸化物は、温暖化や大気汚染の要因とされ、地球規模で排出削減に取り組むことが課題となっています。

エコカーはガソリンに代わる燃料や電気を動力とすることで、環境に悪影響を与える化石燃料の不使用もしくは使用量の軽減を図っています。

スタッフ吹き出し「次世代のためにも、環境にかける負荷を減らす意識、具体的な取り組みが一人ひとりに求められているといえるでしょう。」

税制優遇や補助金が適用される可能性がある

エコカーを購入すると減税が受けられたり、購入費用の一部に補助金が使えたりする場合があります。

燃費や排ガス性能が優れた電気自動車、天然ガス自動車、プラグインハイブリッド自動車のほか、ガソリン車やハイブリッド自動車の一部については「エコカー減税」の対象となります。燃費基準を達成している割合によって金額が異なりますが自動車重量税の一部または全部が優遇される制度です。

中古車や輸入車も対象となりますが金額は車種によって異なるので、くわしくは経済産業省のホームページ(大きく変わった、クルマの税。)や、自動車工業会のエコカー減税対象車一覧表を参照してください。

さらにエコカーには毎年かかる自動車税が優遇される「グリーン化特例」や「環境性能割」のほか、「CEV補助金」などの制度もあります。

CEV補助金は車種によって条件が異なりますが、購入時に最大で85万円の補助金が使える制度です。

出典:令和4年度 CEV補助金(車両)のご案内|一般社団法人次世代自動車振興センタ

エコカーのデメリット

次にエコカーのデメリットについても紹介します。

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購入費用が高そうだし電気自動車の充電はもつのか心配……。

パワー不足を感じる

電気自動車はガソリン車と比べると、アクセルを踏み込んでも加速が遅くパワーが不足しているといわれます。走りにこだわりがある人や運転が好きな人には、スピードを出したいときに物足りなさを感じるかもしれません。

ハイブリッド車は坂道などで、パワーが必要なときは自動的にエンジンモードに切り替わるので問題はないでしょう。

初期費用や部品が高い

同じ車種で、エコカーとガソリン車が用意されているケースがありますが、一般的にエコカーモデルのほうがやや値段は高めです。バッテリーなどはとくに高額で、車検時などのメンテナンスで交換が必要になると負担が大きくなります。

エコカーならではの税制優遇や補助金などを活用して自己負担額を抑えるとよいでしょう。

長距離移動には不向きなタイプもある

外部充電できるプラグインハイブリッドの登場や、バッテリーの性能向上によって、エコカーの航続距離は年々伸びてきました。

ただ、ガソリン車に比べるとまだ短めで、エンジンに切り替えられない充電式のみの車では、数百km以上の移動途中で充電が足りなくなってしまう恐れもあります。

エコカーを購入するなら中古車がおすすめ

ガソリン車に比べ初期費用の高いエコカーですが、中古車なら出費を抑えられます。

最近は中古車市場に出回る種類や台数も増えてきたので、多くの選択肢のなかから選べるでしょう。

中古車購入も補助金の対象になる

多くのエコカーは中古車でも「エコカー減税」「グリーン化特例」の対象になります。また、新車登録が2020年2月22日以降の車両はCEV補助金も支給されます。

中古車なら新車を購入するより車両価格が安いうえ、税額を抑えて補助金も活用できるのは大きなメリットです。

ハイブリッド自動車は中古の選択肢が多い

各メーカーが、多くの車種でガソリン車とハイブリッド車の選択肢を用意して販売しているため中古車としてかなりの台数が出回るようになりました。

走行距離やグレードもさまざまで、予算に応じて選択肢が豊富になったといえるでしょう。

【種類別】おすすめのエコカー

「エコカーを買いたい」という人のために、おすすめのエコカーを紹介します。

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EV・HV・PHEVからそれぞれ選抜しました!

【電気自動車(EV)代表】日産:リーフ

画像引用元:日産自動車公式サイト
▲「電気自動車リーフ」の名前は世界中で知られる、代名詞のような存在です。最新モデルは400kmの航続距離を実現

電気自動車のおすすめは、日産のリーフです。2010年に初代モデルが登場し、EVの先駆け的な存在として世界でも知られています。

バッテリーの容量を増やすなどして改良を重ねて航続距離を伸ばしてきたため、現在は400km以上の距離を走れるようになりました。

5人乗りのハッチバックで「コンパクトカーよりもやや大型でミニバンより小さい車が欲しい」という人にはぴったりです。

【ハイブリッド車(HV)代表】トヨタ:ヤリス

画像引用元:トヨタ自動車公式サイト
▲ヤリスはヴィッツの後継として発売されて以来、ヒットを続けている。ハイブリッド車の人気も高い

2020年に発売され、トップクラスの売り上げを記録し続けるヤリスは、トヨタを代表するコンパクトカーです。

ガソリン車のモデルもありますが、ハイブリッドモデルは35.8km/L(WLTCモード)というよい燃費を誇り、販売台数が多いために中古車も多く出回っています。

エコカーを安く購入し、維持費も抑えたいという人には適しているといえるでしょう。

【プラグインハイブリッド車(PHEV)代表】三菱:アウトランダー PHEV

画像引用元:三菱自動車工業公式サイト
▲エンジンでの発電も組み合わせると、ガソリン満タンで一般家庭の10日分以上の電力をまかなえる

三菱のアウトランダーPHEVは、SUVとしては国内初のプラグインハイブリッド車です。

専用の充電装置がなくても、家のコンセントなどから充電できるのはもちろんのこと外部給電できるので、アウトドアでの電源としても活躍します。地震など災害による停電時にも投光機や家電製品への給電役となり、災害時にも活躍した車です。

また高級感がありながら、悪路にも強い走行性能で人気となっています。

まとめ

世界的に環境問題への取り組みが重視されているなか、エコカーの利用は今後さらに広がっていくと予想されます。各メーカーも、さらに燃費や航続距離などの性能の向上を図るでしょう。

ひと口にエコカーといっても、さまざまな種類や特徴があるので、自身の生活や仕事のスタイルに合ったエコカーを選ぶことをおすすめします。

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