試乗車とは、車の購入検討者が乗り心地を確かめるために、試しに運転する車のことです。一定期間が過ぎたら試乗車としての役割を終え、ディーラーや中古車販売店にて中古車として販売されます。
試乗車落ちの中古車は、使用感が少なく状態はよいとされていますが、購入するうえではいくつか注意点があります。本記事を通して、自分は試乗車の中古購入が向いているのかどうかを判断してみましょう。
この記事でわかること
- ・試乗車とはどのような車か
- ・試乗車と展示車・登録(届出)済未使用車・新古車との違い
- ・試乗車を中古で買うメリット・デメリット
- ・試乗車を中古で買うときのポイントや探し方
目次
試乗車とは車の購入検討者が試しに運転するための車
試乗車とは、その車の購入を検討している方が運転して乗り心地を確かめるための車を指します。試乗は一般公道で行われるため、試乗車は新車登録がされ、ナンバープレートがついています。
運輸支局などで登録手続きをして、その車を公道で走れるようにすること。新車登録されていない車はナンバープレートが付与されず、公道を走れない。
試乗車として使われた車は、その後中古車として販売されます。試乗車落ちの中古車は、ディーラーや中古車販売店などで販売されています。

車は1度でも新車登録が行われれば、未使用車ではなく中古車扱いとなりますよ。
展示車や新古車などの違いは?混同しやすい車

試乗車と混同しやすい車として、「展示車」「未登録車」「登録(届出)済未使用車」「新古車」があります。それぞれの車の特徴について把握しておきましょう。
展示車 | 販売店に展示されている車(新車登録されていない) |
未登録車 | 新車登録されていない車 |
登録(届出)済未使用車 | 新車登録されただけで、実際には走行されていない車 |
新古車(※) | 登録(届出)済未使用車と同じ |
展示車とは
展示車とは、ディーラーなどの販売店で展示されている車です。ディスプレイの役割として展示され、その場で実際に乗り込むことも可能です。
展示車は、試乗車とは違ってナンバープレートが取得されておらず、試乗として公道を走ることはできません。

展示車はいつも販売されているわけではありませんが、タイミングによっては購入することも可能です。
未登録車とは
未登録車とは、新車登録がされていない車のことです。ナンバープレートがついていないため、公道を走ることができません。
なお、展示車は販売店の展示用として公道を走ることを想定していないため、未登録車に該当します。

未登録車は走行されていないので、車のコンディションは新車とほぼ同じととらえて問題ないでしょう。
登録(届出)済未使用車とは
登録(届出)済未使用車とは、新車登録されているものの、実際には走行されていない車です。一度登録されているため、分類としては中古車になります。
なお、試乗車は購入検討者によって運転されている車なので、登録(届出)済未使用車ではなく中古車として扱われます。
新古車とは(現在は使用NG)
新古車とは登録(届出)済未使用車のことで、販売店がディスプレイや試乗車用として新車登録している車を指します。なお、現在は新古車と表記することがNGとされています。
かつては新古車と呼ばれていましたが、新車との区別がつきにくく混乱を招くとして、広告として掲載する場合には「登録済未使用車」や「届出済未使用車」と表示するルールが決められました。
加盟販売店では「新古車」とは違う表記で販売されているので注意しましょう。
試乗車を中古で買うメリット

試乗車を中古で買うメリットは、以下5点です。
高年式の車をお得に購入できる
試乗車は、発売から1年程度などの高年式の車種であることが多いです。そのため、新しいモデルの車を、新車よりお得な価格にて購入できるのが魅力でしょう。
試乗車として使われていたとはいえ、車のボディや室内のダメージが少なく、車によってはほぼ新品と同じ状態で乗ることができます。試乗の利用者は試乗車である点を念頭に置いて丁寧に運転することがほとんどなので、車の状態もよいでしょう。
品質に安心感がある
試乗車はディーラーや販売店がきちんと管理していた車なので、品質に安心感があります。事前の点検や品質管理などもきちんと行われ、タイヤやエンジンオイル、ブレーキパットなどの消耗品もよい状態に保たれていることが多いです。

旧所有者の乗り方が詳しく把握できない通常の中古車と比べて、品質に安心感があります。
過去に事故を起こしたり、走行メーターを改ざんしたりするようなこともないため、試乗車は安心して購入できます。
走行距離の少ない車を購入できる
試乗車に使われていた車なので、一般的な中古車に比べて走行距離も少ない傾向があります。
店舗によって異なりますが、ディーラーが対応する試乗時間は15~20分程度が一般的です。このことからも、長距離運転はされておらず、新車に近い状態を保たれていることがわかります。
魅力的なオプションがついていることもある
試乗車は、購入検討車が乗り心地を試す車であるため、魅力的なオプションをつけていることがあります。中古車ながらも比較的充実した装備を手に入れることができます。

オプションがついている車をお得に買いたい場合には、試乗車落ちの中古車の購入が向いています。
納車までが早い
試乗車であれば、車両に問題がなければ契約から数日、遅くとも1〜2週間ほどで納車できることが多いです。
新車でも納車までの期間が短いこともありますが、メーカーオプションをつけた場合だと手続きも含めて3週間〜1か月ほどかかります。人気車種によっては、納車が半年〜1年以上先になるケースもあるようです。
もちろん、試乗車でも繁忙期や時期によっては納車までの期間が延びる場合もあります。車をなるべく早く手に入れたい場合には、ディーラーや中古車販売店にあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
試乗車を中古で買うデメリット

一見メリットが多そうにみえる試乗車ですが、事前に把握しておきたいデメリットもあります。
選べる車種・車両デザインが限られる
試乗車はそもそもの母数が少ないので、自分の好みの車種を購入できる可能性が低いです。取り扱いのある限られた車のなかから選ぶ必要があります。
流通する背景から、試乗車は販売需要が高い車種のほうが市場によく出回る傾向があります。そのため、マイナーなデザインや、珍しい色・機能が備わった車両にはなかなか出会えません。
また、試乗車落ちの車は中古車としての人気が高く、特に人気の車種だとあっという間に売り切れとなります。ほしいと思った商品が在庫切れになってしまえば、手に入れることができません。
グレードやメーカーオプションが選べない
試乗車は、グレードやメーカーオプションを自由に選べません。在庫にあるものから選ぶため、つけられるオプションはディーラーオプションと呼ばれる後付けのものに限られます。
・電動スライド
・純正ナビ
・先進安全装備
・バックモニター
・自動格納ドアミラー
・スマートエントリーシステム
・本革シート
・サンルーフ
新車購入の場合は、グレードやメーカーオプションなどを自由に選択できます。安全性を担保する装備を自由に組み合わせることも可能です。
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不特定多数の人が運転しているため使用感がある
試乗車は、新車購入を検討している不特定多数の人が、購入前の判断材料として試乗しています。試乗には販売員などが同乗しているため荒い運転をするケースは少ないですが、車種によっては急加速や急ブレーキなど試す場合もあります。

不特定多数の人が運転していることに抵抗を感じる方には不向きでしょう。
試乗車は一般的な中古車より状態はよいものの、新車と比べるとやはり使用感はあります。車の状態が不安な場合は、事前によく確認しておきましょう。
試乗車の中古車購入が向いているのはこんな人

試乗車落ちの中古車の購入は、メリットとデメリットの両方があります。試乗車の特徴を押さえたうえで、自分に向いているか・向いていないのかを判断しましょう。
向いている人
・高年式の車をできるだけ安く購入したい
・新モデルをできるだけ早く納車したい
・メーカーオプションにこだわらない
試乗車落ちの中古車は、一般的な中古車より比較的新しいものを安く手に入れられる点が魅力でしょう。店舗で整備や点検が行われているため、品質にも問題がないことが多いです。
向いていない人
・希望のボディカラーやグレードがはっきりしている
・不特定多数の人が利用したことが気になる
・幅広い選択肢のなかから車を選びたい
試乗車は、やはり台数が限られているぶん選択肢が少ない点がデメリットです。カラーやオプションなども選べないので、自分が欲しいと思う車が見つからないかもしれません。
自分に合った車を見つけたいなら、試乗車だけに絞らず中古車に広げて探すのがおすすめです。選択肢が広がるので、自分に合う1台が見つかる可能性も高まります。

弊社カーセブンでは品質のよい中古車を多数取り扱っています。お客様が気持ちよく使えるよう、納車前には点検はもちろん、消臭・抗菌処理などを実施していますよ。
試乗車落ちの中古車を選ぶときのポイント

試乗車落ちの中古車を選ぶときには、以下のポイントを押さえておきましょう。

購入してから後悔しないためにも、事前に確認しておきましょう。
車両価格だけでなく点検など諸費用の総額を確認する
試乗車を購入する場合、車両価格だけでなく点検費用や登録費用などがかかります。これらの費用は販売店によって異なるため、費用を抑えたい場合はいくつかの販売店を比較したうえで購入を検討するとよいでしょう。
このほかに、自動車取得税や自賠責保険、自動車リサイクル税などの税金も必要です。これらの費用をすべてあわせると「新車で購入する場合とそこまで値段の差がない……」という場合もあります。

購入の際は必ず諸費用の総額を確認するようにしましょう。
試乗して車の状態を確認する
試乗車落ちの中古車を購入する場合は、実際に店舗へ訪れ、試乗してから決めるようにしましょう。
試乗車に関する情報をWebサイトで確認できるケースもありますが、その情報だけを頼りに購入を決断するのはおすすめできません。試乗車はまったくの未使用車ではないので、部分的にキズやヘコミがある場合もあります。どこまで許容できるかは、自分の目で見て判断する必要があります。
店舗で確認する際には、まず外観・内観における全体的な汚れやキズを見て、見た目に問題がないかを確かめましょう。その後、試乗して動作や走行感を確認し、問題がないかどうかを判断してください。

車の状態については、店舗のスタッフにもよく確認を取りましょう。
アフターフォローや保証を確認する
試乗車として使われていた車であるため、購入後にトラブルや不具合が起こることもゼロではありません。購入後に万が一故障したり不具合が起きたりした際に対応してもらえるのか、販売業者のアフターフォローの内容を確認しましょう。

アフターフォローや保証が充実しているほうが、安心して納車できますよ。
試乗車落ちした中古車の探し方

試乗車落ちの中古車を買いたいと思っても、なかなか見つけられないケースも少なくありません。ここでは、試乗車落ちした中古車を扱う店舗を紹介します。
ディーラーやディーラー系中古車販売店
ディーラーやディーラー系中古車販売店では、その店舗の試乗車として使われていた車を中古で販売しています。

ディーラー系中古車販売店のWebサイトなどで、最新モデルの試乗車落ちの車の情報を掲載していることがありますよ。
ただ、ディーラーで販売する試乗車の情報はチラシやネットに載らないケースも多いです。ディーラーから購入したい場合には定期的な情報収集が重要となるでしょう。
中古車販売店
試乗車は、ディーラー以外にも中古車販売店で購入することが可能です。試乗車は中古車に位置づけられているため、中古車販売店での取り扱いが充実しています。また、ディーラーよりも販売価格が安い傾向にある点も魅力です。
いくつか車種を見比べながら購入を検討したい場合は、中古車販売店に問い合わせるとよいでしょう。また、各社が運営する中古車情報サイトを参考にするのもおすすめです。
試乗車が購入できるタイミングは?流通の多い時期とは

試乗車落ちの中古車が出回るタイミングの目安は、新車登録から6か月~1年程度たった時期です。また、モデルチェンジによる試乗車の入れ替え時期もひとつの目安となります。
狙っている車種・モデルで試乗車の購入を検討しているなら、この2点を意識しておくとよいでしょう。

気になる車がある場合は、まずディーラーや中古車販売店に相談してみることをおすすめします。
中古車購入ならカーセブンへ
試乗車落ちの中古車は、品質のよい車を安く購入できるのが魅力ですが、数は少ないので希望通りの車を購入できるとは限りません。試乗車だけでなく、一般的な中古車まで視野を広げると自分に合った車が見つかりやすくなるでしょう。

試乗車落ちでなくても、中古車で状態のよいものが見つかるケースもありますよ。
中古車販売店のカーセブンは、お客様が安心して中古車を購入・納車できるよう工夫しています。納車前には公正・公平な立場の第三者機関が車の状態を検査し、消臭・抗菌処理を必ず行います。
「中古車の購入について不安がある」「自分に合った中古車を紹介してほしい」というときには、ぜひカーセブンへお気軽にご相談ください。
よくある質問
試乗車とは、その車の購入を検討しているお客が運転して乗り心地を確かめるための車です。試乗は一般公道で行われるので、新車登録がされ、ナンバープレートはついています。
試乗車を中古で購入するデメリットは、以下の3点です。
- 選べる車の車種が少ない
- グレードやオプションが選べない
- 不特定多数の人が運転しているため使用感がある
このことから、希望のボディカラーやグレードがはっきりしている方や、不特定多数の人が利用したことが気になる方には向いていません。
詳しくは「試乗車の中古車購入が向いているのはこんな人」をチェック
試乗車落ちの中古車が出回るタイミングは、新車登録から6か月~1年ほど過ぎた時期です。試乗車として使われるのは約1年とされているため、試乗車として1年ほど使われた車は中古で販売されます。
また、モデルチェンジによる試乗車の入れ替え時期もひとつの目安です。狙っている車種・モデルがある場合は、モデルチェンジの時期を把握しておくとよいでしょう。
試乗車落ちの中古車を選ぶときには、以下の3点に注意して選びましょう。
- 車両価格だけでなく点検など諸費用の総額を確認する
- 試乗して車の状態を確認する
- アフターフォローや保証を確認する
詳しくは「試乗車落ちの中古車を選ぶときのポイント」をチェック
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