軽自動車は、普通自動車と同じように高速道路を利用できます。
普通自動車と比較すると、ドライバーや同乗者の疲れやすさや、車の設計上走行時の音の大きさなど、快適性が劣ると感じる方も少なくありません。ただ昨今は、車に搭載されている運転支援機能により、高速道路の運転がより快適で安全になっています。
そこで今回は、軽自動車で高速道路を走行する際の注意点と、おすすめの車種を紹介します。

安全に配慮をしながら、軽自動車で高速道路を運転しましょう!
目次
軽自動車で高速道路は走行可能!
軽自動車は、高速道路を走行可能ですが、排気量の大きな普通自動車と比較すると異なる点が見えてきます。時速100km以上で走行すると、エンジン音が大きく驚くかもしれませんが、壊れる心配はありません。
メリットとデメリットの観点から見た、軽自動車の高速道路の走り方について紹介します。
メリットは高速料金の安さ
一部の有料道路を除き、軽自動車は普通自動車と比較して高速道路の料金が約20%安くなります。以下は、2022年2月現在の東名高速道路「東京IC⇔御殿場IC」間の通常料金です。
・軽自動車:2,130円
・普通自動車:2,620円
→差額:490円
通勤で高速道路を利用する方、週末の外出で高速道路を使って移動する機会が多い方は、差額がより大きく感じるでしょう。
デメリットは疲れやすさと動力性能の低さ
軽自動車は、以下の理由から高速道路の走行に一部不向きな面があります。
- 普通自動車と比較して、排気量が小さくパワーが弱い
- 車体の軽さや車高の高さで、風の影響を受けやすい
- 長時間運転するのには不向きなシート
軽自動車の排気量は660cc以下です。おおよそ1,000cc以上ある普通自動車と比較すれば、常にアクセルを深く踏み込んでいる状態です。追い越しをする際、思うように加速できないケースもあります。大人4人乗ると重量が大きくなり、さらに加速しづらいでしょう。また、エンジンの回転数が上がり、走行時の音もより大きくなります。
軽自動車は普通自動車より軽量です。街乗りをするぶんには問題ありませんが、高速道路上で速度を出すと、横風に煽られやすくなります。運転に不慣れな方は、風に煽られてハンドルをとられると不安に感じるかもしれません。
車を長時間運転していると、腰や肩が痛くなる方もいます。特に軽自動車の場合、シートの設計が長時間・長距離向きではないため、普通自動車と比較すると疲れを感じやすいです。
軽自動車で高速道路を走るときの注意点

軽自動車で高速道路を走行するデメリットを見ると不安になりますが、注意点を理解して利用すれば問題ありません。あせらず、余裕をもって運転することを忘れないようにしましょう。
追い越し車線はなるべく走らない
高速道路の追い越し車線とは、一番右側にある道路です。軽自動車はパワーが少ないため、追い越し車線よりも左側の走行車線を走るようにしましょう。
十分な加速ができないなかで行う追い越しは危険です。追い越しに時間がかかると、後続車の邪魔になり急ブレーキを踏ませてしまう危険性もあります。
風にあおられても慌てない
高速道路を走行していると、突風や大型トラックが横切る際の風の影響で車体が揺れることがあります。そこで必要以上にハンドルを動かしたり、急ハンドルを切ったりすると、ほかの車にぶつかる危険を伴います。
車が横移動して車線をはみ出しそうになりますが、慌てずにハンドルを制御しましょう。風に煽られたときは、ハンドルをしっかりと握り少し速度を落とし、安定するように運転をしてください。

軽ハイトワゴンのように、車高が高い車は風の影響を受けやすいです。風が強く心配なときは、サービスエリアなどで様子を見るか、高速道路の走行に慣れている同乗者に運転を代わってもらうとよいでしょう。
速度を出しすぎない
軽自動車が高速道路を走行するとき、最高制限速度は時速100kmです(速度指定がある区間は指示に従う)。最高制限速度は普通自動車と変わりませんが、安全を重視するためには、無理に速度を出さないようにしましょう。
2019年3月からは一部で試験的に時速120kmでの運用が開始。(新東名高速道路の新静岡~森掛川、また東北自動車道の花巻南~盛岡南)
左側の走行車線を走りながら、周囲の車の流れに合わせて走ると、速度を出しすぎることなく比較的安全に走行できます。
車間距離を十分にとる
高速道路の走行時、前の車との車間距離は100m以上が望ましいとされています。その理由は、時速100kmで走行している車が、乾いた路面でブレーキをかけて止まるまでに約100m走ってしまうからです。
そして軽自動車の場合、普通自動車と比較して車体が小さく、大型トラックなどからは見えづらい可能性があります。ほかの車からの視認性を高め、追突防止のためには充分な距離が必要です。車間距離を充分にとる必要性は軽自動車に限ったことではありませんが、車間距離を意識した運転を行いましょう。

雨などで路面が濡れているときや傾斜走行時、2倍以上の距離をとると安全性が保たれます。
運転計画をしっかり立てる
高速道路の運転や、長時間、長距離の運転に慣れていないドライバーは、特に余裕をもった計画を立てることが大切です。「早く目的地に到着したい」という気持ちはあっても、無理をせず、以下のポイントに気をつけましょう。
- どのようなルートで目的地まで行くか
- 出発から到着までどれくらい時間がかかるか
- どのサービスエリア、パーキングエリアで休憩、給油をするか
ある程度目安を決めておくと、初めて走行する高速道路でも安心でしょう。サービスエリアによってはガソリンスタンドがない場所もあるため、ガソリンメーターは常に確認をしておいてくださいね。
高速道路の運転は意外と疲れます。帰路は疲れが出やすいため、こまめに休憩を行いましょう。
高速道路を走るのにおすすめの軽自動車3選
軽自動車が高速道路に不向きな一面がある一方で、比較的走りやすく長距離の運転に向く車種もあります。なかでも、以下の特徴をもつ車は高速道路の運転におすすめです。
- ターボ車
- 車高が低めの車(クーペ、ハッチバック、SUV等)
- ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)など、運転支援システムが搭載された車
ここでは、高速道路の走行におすすめの軽自動車3種類を紹介します。
ホンダ:N-BOX

・ターボを搭載したグレードがあり、パワーの低さを感じづらい
・安全運転支援システム搭載車では、より安全に走行できる
・車内の広さやシートのアレンジなど、高い利便性をもつ
ホンダ N-BOXは、2011年12月に発売をスタートした軽ハイトワゴンです。利便性の高さから高い人気を誇る車種で、軽販売台数7年連続No.1を獲得しています。ターボを搭載したグレードは、初代モデルから現在まで存在しており、高速道路での走行に向いた車を見つけやすいです。
また2017年9月から発売されているモデルでは、安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」を搭載したグレードもあり、新しいモデルでは全車に標準装備されています。
・ACC:前を走る車に対して加速・原則を行い、適切な車間距離をキープする機能
・路外逸脱抑制機能:車線を検知してはみ出さないように支援
・衝突軽減ブレーキ:車両や歩行者、自転車との衝突回避を支援
N-BOXの人気の高さは高速道路での走行だけではなく、街乗りの利便性です。広い室内空間で、後部座席でも快適に座れて、子どもの乗り降りや大きな荷物の積み込みにも便利です。
40~170万円

ターボ車ではないNA(ノーマル・アスピレーション)エンジンを搭載したグレードでも、力強い加速を実感できるでしょう。
日産:デイズ

・高速道路の走行をサポートする「プロパイロット」搭載モデルなら、より安心感を得られる
・コンパクトな車体で街乗りに適している
・おしゃれなシートや充実した装備で、日々の運転を楽しめる
日産 デイズは、2013年6月に発売をスタートした軽ワゴン車です。多彩なボディカラーや小回りが利き、利便性が高く、グレードによっては普通車に劣らない充実した装備が魅力です。
他車と同様に、グレードごとにターボ車とNAモデルが選べます。街乗りより高速道路での走行性を重視するのであれば、ターボ車を選択しましょう。
安全性を重視したい方は、日産の運転支援技術が搭載されたグレードがおすすめです。
・プロパイロット:前を走る車との車間距離をキープ、車線の中央をキープ
・インテリジェントアラウンドビューモニター:車を上空から見下ろすような映像で、駐車をサポート
・踏み間違い衝突防止アシスト:ブレーキとアクセルの誤操作により、人や物との衝突回避をアシスト
デイズは、2019年3月のモデルチェンジを機にプロパイロット搭載モデルの発売がスタートしました。2019年以降発売されたモデルから選択するとよいでしょう。
30~150万円

デイズは新総合評価(自動車安全性能2020)で、軽自動車として初めて最高評価ファイブスター賞を獲得しました。プロパイロット搭載モデルであれば、これまで高速道路を運転した経験がない方でも安心感を得られるでしょう。
スズキ:アルトワークス

・加速力の高さで、高速道路の合流がしやすい
・車高の低さやターボ搭載である点が、高速道路の走行向き
スズキ アルトワークスは、2021年に生産が終了した軽自動車で、現在は中古車から探す必要があります。特徴は、普段使いとしては不向きな面もあり、運転が好きな方向けの車であること。利便性よりも走る楽しさを実感したい方向けの軽自動車です。
ここまで紹介したN-BOXやデイズとは異なり、ハッチバック車で車高が低く、風に煽られにくい点がメリットです。ターボが搭載されているため、高速道路で合流する際や追い越しは楽にできるでしょう。
20万円~

アルトワークスは、軽スポーツカーとしての位置づけです。ほかの車と比較すると、走りの楽しさを実感できる車であるため、車好きの方向けの車種であると認識しておきましょう。
高速道路の料金を抑えるポイント
高速道路の料金は、ETCを利用することで安くなります。NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本の3社が管理する高速道路のみではありますが、休日割引や深夜割引が適用されて、30%割引が適用されます。
・休日割引:土日祝日、毎年1月2日、1月3日
・深夜割引:0時~4時
※休日や深夜であっても、対象外となる期間があります
ほかにもETCマイレージサービスに登録をしていると、東京や大阪近郊の区間以外で「平日朝夕割引」が適用されます。
・平日朝:6時~9時
・平日夕:17時~20時
※月曜日から金曜日に適用、祝日を除く
対象となる走行区間の最大100km相当分に対し、還元されるシステムです。月5回~9回の利用で約30%分、10回以上の利用で約50%分が無料走行分として翌月に付与されて、高速道路料金の支払いに充てられます。このサービスは、ETC割引のように、その場で安くならないサービスであるため覚えておきましょう。

平日朝夕割引の利用は、マイレージサービスへの登録が必須です。また、ETCマイレージポイントが付与されるのではなく、無料走行分として還元額が直接付与される点に注意しましょう。
まとめ
・軽自動車のパワーの都合上、無理な追い越しなどでスピードを出しすぎない
・高速道路での運転に慣れていないドライバーは、焦りと疲労に要注意
・ターボ車、運転支援機能がついた車種は、軽自動車特有のデメリットを解消しやすい
・一部区間を除き、軽自動車は高速道路の料金が安い
軽自動車でも、高速道路を問題なく走行できます。ただし、普通自動車よりも目一杯アクセルを踏み込まないと加速しづらいため、速度を出すときは安全性を優先した運転を心がけましょう。

高速道路だからと気負いすぎることなく、いつもどおり落ち着いて運転をしてくださいね。
総在庫3,000台以上から
ぴったりの一台が見つかる!
ご相談・ご質問だけでもお気軽に!