ガソリン車から排出されるCO2削減のため、今後ガソリン車の生産が中止される可能性は否定できません。しかし、すぐに姿を消すわけではなく、切り替えは徐々に行われていくと予測されます。
自動車市場にはハイブリッド車や電気自動車(EV車)などのエコカーが次々と登場していますが、2022年5月現在全体の流通量が多いのはやはりガソリン車です。車両本体価格がハイブリッド車などと比べて安く、選択肢が広がるため車の購入を考えているならガソリン車も検討してみましょう。
この記事でわかること
- 2035年前後を目処にガソリン車の新車販売が廃止された場合の影響
- ガソリン車を今購入する理由
- 5つの項目で比較!ガソリン車・ハイブリッド車・電気自動車の特徴
目次
ガソリン車が廃止される?いつまで乗れる?

現時点(2022年5月)では断言できませんが、将来ガソリン車が廃止される可能性があります。地球温暖化の原因となるCO2の削減、環境保全のために、各自動車メーカーはガソリンに代わるエネルギーを使用した車の開発に取り組んでいます。
後述の政府が発表した宣言により、これから先も脱ガソリンの動きは進んでいく傾向です。すぐにガソリン車が廃止されることはありませんが、今後少しずつガソリン車が減っていく可能性は充分にあることを知っておきましょう。
2030年半ば以降は生産されない可能性がある
2020年に政府が発表した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」には、次のように表記されています。
遅くとも2030年代半ばまでに、乗用車新車販売で電動車100%を実現できるよう包括的な措置を講じる。
参考資料:2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略
・2035年前後をめどに、ガソリン車の新車販売を廃止
・電動車100%の実現を目指す
上記の発表内容ははつまり、すぐにガソリン車が廃止されるわけではないものの、新車のガソリン車を生産・販売するのは2035年頃までを目安にすることを示しています。
この発表で言及されているのは新車の生産・販売についてのみです。所有規制に関しては書かれていないので、中古でのガソリン車の購入はできる可能性があるといえます。
世界の動きについては、2021年に発表された共同声明に以下のような表記があります。
販売される全ての新車を、主要市場で2035年までに、世界全体では2040年までに電気自動車(EV)などのゼロエミッション車とすることを目指す
参考資料:COP26新車販売のゼロエミッション化に関する共同声明
この声明には英国やスウェーデンなどの先進国24か国が賛同しています。また、ドイツのメルセデス・ベンツや米国のゼネラルモータースなど、大手自動車メーカーを含む11の会社や団体がこの声明に署名しました。
日本だけではなく世界的に2035年頃までにガソリン車の新車販売をやめ、環境保全に配慮した車に切り替える動きが活発になる傾向にあります。

ゼロエミッション車とは有害物質を排出しない車のことです。おもに電気自動車や燃料電池車を指します。
将来はガソリン車に乗りにくくなる
将来的に電気自動車などの開発が進みガソリン車の流通が少なくなると、ガソリン車に乗りにくくなることが予想されます。
・古い車は自動車税や自動車重量税が高くなる
・ガソリンスタンドが減少する
新規登録から13年が経過した車には、毎年支払う自動車税や自動車重量税がすでに重課されていることをご存じでしょうか。たとえば、東京都では新規登録から13年を超えるガソリン車、および11年を超えるディーゼル車などに対し「環境負荷の大きい自動車に対する重課」として、おおむね15%の税金が加算されています。
今後ガソリン車の生産が中止になると、将来的には13年以上が経過したガソリン車しか手に入らなくなることもありえます。2022年5月現在の税制では、登録から13年以上が経ったガソリン車は重課されるため、このままであれば必然的にガソリン車の維持費は高くなるでしょう。
経済産業省資源エネルギー庁の調査では、年々ガソリンスタンドの数が減少していることがわかっています。ガソリンスタンド減少の原因としては、ひとりあたりの車の保有台数が減っていることや、車の燃費がよくなったことなどが挙げられます。
今後ガソリン車の生産が少なくなれば、さらにガソリンスタンドが減少していく可能性が高いです。気軽に燃料を入れられなくなると、ガソリン車に乗り続けるのは難しくなるでしょう。
ガソリン車を今買う理由
・エコカーに比べて車両本体価格が安い
・市場に多く流通していて選択肢が幅広い
政府がガソリン車廃止の目標を打ち出しているものの、将来どうなるかはまだわかりません。ハイブリッド車に比べて車両本体価格が安く、自動車市場には多くのガソリン車が流通していることから、現在(2022年5月時点)でもガソリン車を選択する理由は充分にあります。
ただしもし今後、政府の取り組みにより目標通りに電気自動車への切り替えが行われ、ガソリン車の所有規制がかかれば近い将来にガソリン車の台数は減ってしまうでしょう。
ガソリン車がこれまで通り購入できるとは限らないため、走りやエンジン音を楽しみたい方は今のうちに乗っておくことをおすすめします。
ガソリン車・ハイブリッド車・電気自動車の特徴を比較!

ガソリン車は税制優遇がないうえ、年式が古い車は増税されますが、車両本体価格が安いのが特徴です。ハイブリッド車と電気自動車には税制優遇が適用されますが、車両本体価格が高いためそれぞれにメリットとデメリットがあるといえます。
比較ポイント | ガソリン車 | ハイブリッド車 (PHEV※1を含む) | 電気自動車 |
動力源 | ガソリン | ガソリン+電気 | 電気 |
車両本体価格 | 安い | やや高い | 高い |
エコへの貢献度 | 低い | やや高い | 高い |
税制優遇 | なし | エコカー減税※2の対象 | エコカー減税※2の対象 |
重課 | 登録から13年以上の車は増税 | なし | なし |
おすすめの人 | ・初期費用を抑えたい ・ガソリンエンジンを楽しみたい ・あまり車に乗らない | ・車によく乗る ・燃費性能を重視したい ・ランニングコストを抑えたい | ・街乗りに使いたい ・環境性能を意識したい ・静粛性を重視したい |
※1 PHEVはプラグインハイブリッドの略で、従来のハイブリッドカーよりも電気だけで長く走れるようになった車のことです。
※2 エコカー減税は燃費や排ガス性能が優れた自動車に対し、初回車検の際などの自動車重量税の税率を減免するしくみです。
ガソリン車
・車両価格が安い
・エンジン特有の音や振動を楽しめる
・車種が豊富で選択肢が広い
・エコカー減税を受けにくい
・燃費性能はエコカーに劣る傾向がある
ガソリン車は初期費用を抑えたい方や、ガソリンエンジンを楽しみたい方におすすめです。
車に乗る機会が少ない場合にも、ガソリン車は経済的です。たまに近場で乗る程度であれば、ハイブリッド車を購入するよりも本体価格が安いガソリン車のほうが安上がりになる可能性があります。
ハイブリッド車
・燃費性能が高い
・エコカー減税を受けられる
・静粛性が高い
・車両価格が高い
・駆動用バッテリーを交換すると高額
・ガソリン車より車内が狭い傾向がある
ハイブリッド車は、燃費性能が高く税制優遇もあるため、ランニングコストを抑えられます。車両本体価格はやや高いものの、車によく乗る方なら燃料代や税金が減額される点で差額をカバーできる可能性があります。
ただし、駆動用バッテリーが劣化すると燃費性能が落ちてしまうので、ある程度の距離を走ったり、年数が経過したりした時点でバッテリーを交換しなければなりません。車種やバッテリーの種類にもよりますが交換の費用が高い傾向があり、数万~数十万円かかることもあります。
電気自動車
・燃費性能や静粛性がハイブリッド車より高い
・充電スタンドがまだ少ない
・給電に時間がかかる
電気自動車は、環境性能を意識したい方や、静粛性を重視したい方におすすめです。電気自動車は電気の力だけで走るため、走行中はCO2を排出しません。環境保全への貢献度が特に高い車であるといえます。
電気自動車はモーターを駆動させて走行するので、ガソリン車のような振動や音がなく静粛性にも優れています。それにもかかわらず、ガソリン車に比べて走行性が劣るわけではないこともポイントです。スムーズな発進、力強い加速ができるところも電気自動車の魅力です。
ガソリン車を買うなら中古車も検討しよう!

ガソリン車の購入を考えているなら、中古車も検討してみてください。
・ハイブリッド車よりも車両価格が安め
・車種も多く豊富な条件から選べる
新車と同様にハイブリッド車は中古でも値段が高めですが、ガソリン車なら状態のよい掘り出し物が見つかる可能性があります。
中古車市場ではガソリン車が多く流通しているため選択肢が広く、好みの車種や機能から自分に合った1台を見つけられます。

数多くの中古車から自分に合った車を探すのは難しい」「じっくり探す時間がない」という方は、車探しのプロがあなたに合った1台を提案するカーセブンの「車お探しコンシェルジュ」を活用してみてください。
まとめ
ガソリン車は環境保全の観点から今後減少し、電気自動車などのエコカーへ切り替わる可能性があります。日本を含む世界各国で、2035年頃までにガソリン車の生産をやめるとの目標が打ち出されており、脱ガソリンへの取り組みがいっそう進むことも否定できません。
しかし、2022年5月現在では、新車市場・中古車市場ともにガソリン車の流通が豊富です。車両本体価格が安く済み、選択肢が多いので、お気に入りの1台を見つけるためにはガソリン車の購入を検討するのもおすすめです。
すぐにガソリン車すべてが廃止されることは考えにくいため、ガソリン車、ハイブリッド車、電気自動車のなかから、ライフスタイルや用途に合わせて選びましょう。
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