ブレーキパッドの交換時期は、車種や走り方によって異なります。ブレーキをかけたときに異音がしたり、ブレーキパッドが薄くなっていたりする場合は、交換の目安である可能性が高いです。車の安全を左右する重要な部品であるため「不具合が起きていないか」を確認する方法や交換の目安も知っておくことが大切です。
この記事では、ブレーキパッド交換の目安を確認する方法や、交換できる場所、交換費用を安くする方法などを解説します。
この記事でわかること
- ブレーキパッドは摩擦により車の速度を調整する部品で、使用するごとに少しずつ摩擦する
- ブレーキをかけたときに異音がしたらブレーキパッド交換の合図
- 車検や点検の際にブレーキパッドを交換すると、単体で交換するよりも費用を抑えられる場合がある
目次
ブレーキパッド交換はなぜ必要?

ブレーキパッドはディスクブレーキの部品のひとつで、車を減速・停止させるための制御装置です。ホイールと一緒に回転するブレーキローターを挟み、摩擦でブレーキをかけて車の速度を調整することがおもな役割です。
ブレーキパッドはブレーキをかけるたびに少しずつ摩擦します。摩擦により摩耗しすぎるとブレーキが正常に効かなくなったり、不具合や故障の原因となったりするため、定期的な点検・交換が必要です。
ブレーキにはディスクブレーキのほかにドラムブレーキもありますが、近年の車はほとんどの場合、ディスクブレーキが採用されています。
ブレーキパッド交換の目安
ブレーキパッドの交換時期は、車種や走り方によって異なります。交換が必要かどうかを見分ける方法としては以下の5つがあげられます。
それぞれ詳しく説明します。
ブレーキをかけたとき異音がする
ディスクローターとブレーキパッドが触れたときの接触振動により異音が発生することがあります。「キーキー」という音が聞こえた場合、機械式ブレーキパッドの交換合図なので早めの交換が必要です。
もし「カラカラ」「ゴー」などの異音が発生する場合は、ブレーキパッドが割れていたり、さびていたりする可能性が高いです。ブレーキをかけたときに異音がしたら、早めに点検を受けるようにしましょう。
ブレーキパッド交換の警告灯がついている
一部の高級車や輸入車は電気式ブレーキパッドを使っており、一定以上ブレーキパッドが摩耗すると、警告灯で教えてくれます。警告灯のマークは車の取扱説明書などに記載されているため、確認しておきましょう。
ブレーキパッドが薄くなっている
ブレーキパッドは新品でおおよそ10mmの厚みがあり、この厚みが3mm以下まで減ったら交換の目安です。5mm以下になったら次回の車検などで交換しましょう。
ブレーキパッドの厚みは、ホイールを取り外してブレーキキャリパーの点検窓から確認できます。冬用タイヤへの交換などを自分で行う場合は、交換時にチェックしておくのがおすすめです。点検整備記録簿で点検時のブレーキパッドの厚みを確認できるので、ホイールの取り外しが難しい場合は参考にしてみましょう。
前回の交換から50,000kmほど走行している
車種や走り方にもによりますが、ブレーキパッドは10,000kmの走行で1mmほど消耗するとい言われています。前回の交換からの何km走ったか確認することで、おおよその摩耗量を予測できます。50,000kmほど走行したら、ブレーキパッドの厚みを点検してみましょう。
ブレーキフルードの量が少ない
ブレーキパッドが摩耗するとブレーキフルードにも影響が出る可能性があります。ブレーキパッドが摩耗すると、ブレーキフルードを使用することによりリザーバータンクの水面が下がります。
油圧式ブレーキを動かすためのオイルのこと。ブレーキオイルとも呼ばれる。
車の部品のひとつ。冷却水の逃げ道として活用される補助用のタンクのこと。
ブレーキフルードのリザーバータンクがMINラインに近い場合は、ブレーキパッドが寿命に近づいているサインです。ただし、ブレーキフルードの量が少ない原因には液漏れの可能性もあるため、点検の際は液漏れがないかも見ておくと安心です。

ブレーキパッド交換前にフルードの継ぎ足しをしている場合は液漏れかどうかわからないので、ほかの方法でチェックしましょう。
ブレーキパッドの交換はどこで依頼できる?

ブレーキパッドの交換は、国の認証を受けている店舗でのみ交換できます。指定整備工場あるいは認証整備工場で依頼できるので、交換の際は以下で依頼しましょう。
それぞれメリット・デメリット、おすすめな人を紹介します。
ディーラー
メーカーの正規販売店であるディーラーは、メーカーの水準を満たした技術力をもつ整備スタッフが在籍しており、品質やサービスに安心感があります。メーカー指定の部品や純正パーツを利用した修理やメンテナンスが受けられる点もメリットです。また、ディーラーで買った車でメーカー保証の対象であるなら、無料で修理を請け負ってもらえるケースもあります。
ただし、ディーラーはほかの業者と比べて修理期間が長くなる傾向があるため、急ぎで修理したい場合は不向きかもしれません。
メリット | ・整備スタッフの技術力があり、交換部品も純正品で安心感がある。 ・ディーラーで買った車でメーカー保証対象であれば無料で修理できる場合がある。 |
デメリット | ・整備工場やカー用品店と比べると費用が高い傾向がある。 ・ほかの業者と比べて修理期間が長くなる。 |

ブレーキパッド交換前にフルードの継ぎ足しをしている場合は液漏れかどうかわからないので、ほかの方法でチェックしましょう。
街の整備工場
整備工場は、ユーザーから直接修理を請け負うことで中間手数料が不要になるため、ディーラーと比べて費用を抑えられる点がメリットです。店舗によってはディーラーにも劣らない技術力があり安心感もあります。
整備工場では、生産が終了した部品や希少なパーツでも、同じ働きをする部品を見つけて対応してくれるケースもあるので、パーツにこだわりたい人や珍しい車の修理を依頼したい人にもおすすめです。
一方で、整備工場は店舗や技術者によって品質やサービス内容にばらつきがあるため、見極めが重要です。付き合いのある整備工場がある人には向いているといえるでしょう。
メリット | ・ディーラーと比べて費用は安い。 ・店舗にもよるが、ディーラーにも劣らない技術力で安心感もある。 ・持ち込みでの取りつけやブレーキパッドの相談も可能な場合が多い。 |
デメリット | ・店舗やスタッフによって、対応や技術力のばらつきがある。 |

付き合いのある整備工場がある人、パーツにこだわりたい人におすすめです。
大手カー用品店
大手カー用品店は、ほかの業者と比べて修理費用を抑えられる点がメリットです。大手カー用品店は、汎用性の高い商品を扱っており、純正パーツを使用しないことで修理費用を抑えられます。
ただし、輸入車や改造車などの場合、別料金になったり、修理を断られたりする可能性があります。気になる場合は、事前に店舗に問い合わせて確認してみましょう。
メリット | ・費用が安い傾向がある。 ・店舗の在庫からブレーキパッドを選べる場合は選択肢が広い。 |
デメリット | ・対応できる車種が限られる場合がある。 ・輸入車などは別料金となり、費用が高くなる可能性がある。 |

できるだけ費用を抑えたい人におすすめです。
あわせて読みたい
ブレーキパッドの交換にかかる費用と時間の目安

ブレーキパッド交換にかかる費用は、以下のようにブレーキパッド本体の部品代の工賃に分けられます。
ブレーキパッド本体の部品代(左右セット) | 6,000円〜 |
ブレーキパッド交換工賃 | 5,000円〜 |
使用するブレーキパッドや店舗によって費用が変わりますが、ブレーキパッド本体が左右セットでおおよそ6,000円〜、工賃は5,000円〜が目安です。左右2か所セット交換で合計11,000〜15,000円ほどかかります。
ただし、車両重量が重いミニバンやSUV、高い制動性能を求められる高級車やスポーツカーは、ブレーキパッド本体のの部品代が高くなる可能性があります。
交換にかかる時間は車種や業者の種類に関わらず30〜40分程度で、ブレーキフルードも一緒に交換する場合は1時間が目安です。
ブレーキパッド交換費用を安くする方法
安いブレーキパッドを購入して持ち込む
ブレーキパッドはネットショップなどで半額程度で購入できることがあります。安価なブレーキパッドを購入して店舗に持ち込むことで、交換を依頼することで部品代を抑えられます。
ブレーキパッドには適合車種が決まっているので、自分の車が対応しているかをしっかり確認しましょう。整備を依頼する店舗によっては持ち込みに対応していない場合もあるため、事前に問い合わせておくと安心です。

ブレーキは命に係わる部品なので、信頼性の高いメーカーの商品を選ぶことも大切です。
車検などと一緒に依頼する
車検や定期点検などでは、ブレーキパッドを交換する際に必要となる「車体をリフトアップしてタイヤを外す作業」を行います。そのため、ブレーキパッド交換のみを依頼するより、車検や定期点検の際に一緒に依頼するほうが工賃を抑えられる場合があります。
車検や定期点検がブレーキパッドの交換時期と近ければ、一緒に依頼するとよいでしょう。
自分でブレーキパッドを交換する
ブレーキパッドの交換は自分で行うことで交換費用を節約することが可能です。ただし、交換には専門的な知識や技術、工具が必要なので、基本的には店舗に交換してもらうことを推奨します。正しく交換できていないと、走行不能になったり、事故につながったりする危険性が高いパーツであることを認識しておきましょう。

初めて自分でブレーキパッドを交換する場合は、専門知識のある経験者に教えてもらいながら行うことをおすすめします。
よくある質問
ブレーキをかけたときに異音がする場合や、ブレーキパッドが薄くなっているときが交換の目安です。そのほかの見極め方は「ブレーキパッド交換の目安」をご覧ください。
ディーラー、街の整備工場、大手カー用品店で交換できます。費用を重視する場合はカー用品店、技術力を重視する場合はディーラーや街の整備工場がおすすめです。
依頼する店舗によって異なりますが、右2か所セット交換で11,000〜15,000円程度が目安です。輸入車や改造車など、車の種類によっては15,000円以上になるケースもあります。
総在庫3,000台以上から
ぴったりの一台が見つかる!
ご相談・ご質問だけでもお気軽に!