中古車購入時の手付金とは？相場やキャンセル時の返金、注意点を解説

中古車を購入する際、販売店から手付金の支払いを求められることがあります。手付金の取り扱いは販売店によって異なる場合があので、請求された場合は手付金の意味や役割をきちんと確認することが重要です。

中古車購入では手付金以外にも、「頭金」や「内金」など、さまざまな形の前払金が存在します。混同しないようにそれぞれの意味や目的も確認していきましょう。

中古車購入時に支払う「手付金」とは

中古車を購入する際、販売店から「手付金」の支払いを求められることがあります。手付金の扱いは販売店によって異なる場合がありますが、一般的にどのような意味や役割を持つかを見ていきましょう。

手付金とは車を購入する意思を証明するお金

手付金とは、車を購入するという意思を示すために支払うお金です。手付金を支払うことは、売買契約に合意したと見なされます。

支払った手付金は、車両の購入費用に充てられ、購入時には手付金を差し引いた残額を支払うことになります。

支払った手付金を放棄することで契約成立後のキャンセルが可能となる

通常、中古車の売買契約はクーリング・オフの対象外で、契約成立後のキャンセルには原則として応じられません。

しかし、売買契約に「手付金を返却しないことを条件にキャンセル可」という条項がある場合、買主は手付金を放棄することで契約をキャンセルできることがあります。これは、車の引き渡し前であれば、買主の都合でもキャンセルが可能となるということです。

一方で、売主側が契約をキャンセルする場合は、買主に手付金の2倍の金額を支払う必要があります。

車の売買の場合、買主側は代金を支払うことで契約を履行し、売主側は契約内容に基づいた状態で車を引き渡すことで履行したといえます。

手付金の有無は店舗により異なる

中古車販売において、手付金の支払いは法律で義務付けられているわけではないため、どの店舗でも請求されるわけではありません。

手付金を支払うことでキャンセルできる権利が与えられますが、手付金を請求しない店舗の場合は契約後のキャンセルは受け付けないことが多いです。

また、一部の店舗では「申込金」という名目で手付金と似た役割を持つ金額を請求することがあります。申込金は契約の意思表示として機能するものであり、手付金とは異なり契約が成立しない場合には返金されることが一般的です。

中古車の手付金と申込金・頭金・内金の違い

前述したように、販売店によっては手付金ではなく「申込金」を請求する場合があります。

さらに、中古車購入時に支払う前払金には「頭金」「内金」などもあります。これらは支払いのタイミングが似ているため混同されやすいですが、以下のように異なる意味を持つので確認しておきましょう。

• 申込金：希望の中古車を優先的に購入するためのお金
• 頭金：ローンで購入するときのみ支払うお金
• 内金：車両代金の一部を前もって支払うお金

申込金：希望の中古車を優先的に購入するためのお金

申込金は、特定の中古車に対して購入意志を示し、予約する目的で店舗側に預けるお金です。申込金は売買契約成立の証ではないため、キャンセル時には返金されることが一般的です。

頭金：ローンで購入するときのみ支払うお金

頭金は、ローンで車を購入する際に最初に支払うお金です。頭金は車の購入代金に充てられるため、頭金を除いた金額でローンを組むことになります。

頭金を支払うことは必須ではありませんが、支払うことでローンを組む金額が減るため、審査に通りやすくなったり、返済負担が軽減されたりするメリットがあります。

内金：車両代金の一部を前もって支払うお金

内金は、購入予定の車両の代金の一部を事前に支払うお金です。内金を支払うことは契約の履行とみなされるため、その後は一方的にキャンセルすることができません。

ただし、業者によっては内金を手付金として取り扱う場合があります。内金を請求された場合は「手付金と同じものか」「キャンセルできるか」などを確認しておくと安心です。

手付金の種類

手付金は大きく分けて「解約手付」「違約手付」「証約手付」の3種類があり、それぞれ以下のように異なる意味を持っています。

• 解約手付：条件を満たすことで契約破棄が可能
• 違約手付：契約違反時の罰則に充てられる
• 証約手付：契約締結の証明

解約手付：条件を満たすことで契約破棄が可能

「解約手付」は、あらかじめ定められた条件を満たした場合に、契約を解除することができる手付金です。

中古車販売における手付金は解約手付が使用されており、売買契約前の口約束によるトラブルを避けるために活用されます。

手付金を支払った後、条件を満たせば手付金を放棄することで契約を解除できます。

違約手付：契約違反時の罰則に充てられる

「違約手付」は、契約違反があった際に適用される「違約金」の意味を持つ手付金です。

買主が契約内容に従わなかった場合、すでに支払った手付金が違約金として売主に渡ります。逆に、売主が契約を遵守しない場合は、手付金の2倍の金額を買主に支払うことになります。

証約手付：契約締結の証明

「証約手付」は、契約が成立したことを証明するために支払われる手付金で、主に不動産取引で用いられます。

不動産の場合、契約成立のタイミングが明確でないことが多いため、この種類の手付金が契約開始の明確な証として機能します。

中古車購入の手付金の相場はいくら？

手付金の相場は中古車購入価格の10〜20％が一般的です。たとえば100万円の中古車の売買契約を結ぶ際の手付金は10万〜20万円です。

車体価格ごとの手付金の相場を見てみましょう。

車体価格	手付金の相場
100万円	10万〜20万円
200万円	20万〜40万円
300万円	30万〜60万円
400万円	40万〜80万円
500万円	50万〜100万円

支払った手付金は購入代金に充てられるので、100万円の車を購入するために10万円の手付金を支払ったなら、残り90万円を支払うことになります。

請求される手付金は販売店によって異なる場合があるので、いくら支払うべきか不明な場合は、販売店のスタッフに確認してみましょう。

中古車の手付金を支払うタイミングと支払方法

中古車の手付金は、契約が成立した時点で支払うことが一般的です。その後、手付金を差し引いた残額を納車時に支払います。

ただし、店舗により異なる場合があるので、契約前に確認しておきましょう。

なお、車の購入代金の支払いは現金一括かカーローンが主流ですが、手付金はクレジットカードで支払えることが多いです。

中古車販売店以外で購入する場合の手付金

中古車の購入は販売店だけでなく、オークションや個人売買を利用する手段もあります。

ここでは、オークション代行や個人売買で中古車を購入する際の手付金について説明します。

オークション代行：支払うケースが多い

オークション代行サービスを利用する際は、手付金を請求されることが多いです。サービスを依頼した時点で手付金を支払い、中古車を落札した場合、支払った手付金が購入代金の一部として充てられます。

希望の車を落札できなかった場合、手付金は通常返金されますが、オークション代行にはさまざまな手数料が発生するため、手付金からこれらの手数料が差し引かれます。また、落札後にキャンセルした場合は返金されないことが多いです。

個人売買：個人により異なる

ネットオークションやフリマアプリでの個人売買では、手付金の扱いは個人によって異なります。

中古車の個人売買は金額が大きいため、トラブルを避けるために代金の一部を手付金として請求するケースも見られます。

中古車の手付金を支払う前に知っておきたい注意点

中古車の手付金を支払う前に、以下の注意点を知っておきましょう。

• 手付金以外の名称で請求される場合がある
• キャンセルしても手付金は返金されない
• 個人売買の場合はトラブルのリスクがある

手付金以外の名称で請求される場合がある

中古車販売店によっては、手付金以外の名称を用いて前払いを請求することがあります。中古車購入時に請求されるお金は「手付金」「申込金」が一般的ですが、店舗によっては「申込証拠金」「申込保証金」などの名称が使用されることもあります。

「申込証拠金」「申込保証金」は「申込金」として扱われ、契約が成立しなければ返金されることが多いです。ただし、店舗によっては扱いが異なる場合があるので、意味や条件をきちんと理解したうえで支払うことが重要です。

中古車購入において前払金が発生する場合、見積書に内訳と金額が記載されます。見積書を受け取った際には内訳を確認し、記載されている前払金が「キャンセル時に返金されるか」「購入代金から差し引かれるか」など、不明な点は支払い前に確認しておきましょう。

キャンセルしても手付金は返金されない

中古車買取店で手付金を支払うと、その後キャンセルした場合は返金されません。

「別の車に変更したい」や「ローンが通らなかったため購入を見送りたい」といった買主側の都合によるキャンセルは、契約の履行前であれば可能ですが、この場合でも手付金の返金は行われません。

手付金は、車の購入に対する真剣な意思を示すために支払うものです。購入の意思が固まっていない場合は安易に支払いをせず、購入の意思を固めてから支払うようにしましょう。

個人売買の場合はトラブルのリスクがある

中古車の個人売買は、トラブルが起きるリスクが高い傾向にあります。特に、手付金の有無や金額は売主と買主の話し合いで決めるため、トラブルの要因になりやすいです。

たとえば、手付金が相場よりも極端に低い場合、売主側も少額の支払いで契約を解除できるので、自分は購入の意思を固めていたのに車が手に入らない可能性があります。売主の都合で車が購入できなかった場合に、支払った手付金が返金されないリスクも考えられます。

個人売買における手付金のトラブルを防ぐには、領収書を発行してもらうことが重要です。

中古車は信頼できる販売店から購入しよう

中古車販売店のなかにも悪質な業者は存在します。トラブルなく車を購入するなら、信頼できる販売店を選ぶことが大切です。

カーセブンでは「お客様に安心して素敵なカーライフをスタートしていただきたい！」という思いから「中古車販売安心宣言」として以下の4つの約束を定めています。

不要な車を売却して購入資金に充てるのもおすすめ

車の買い替えを検討している場合は、所有している車を高額で査定してもらい、買い替える車の購入費用に充てるのがおすすめです。

カーセブンでは販売だけでなく買取も行っています。車を売却した契約金額の半分を当日中に前払いすることが可能です。前払金の上限は50万円で、土日祝日や14時以降になった場合は、金融機関の翌営業日の振り込みとなります。

カーセブンの買取実績と安心宣言

カーセブンでは、高価買取の実績が多数あるので、「できるだけ高く買取してほしい」「納得いく金額で売却したい」という人におすすめです。

さらに、以下の安心宣言を掲げているので、安心して買取査定にお申し込みいただけます。

安心宣言について詳しくはこちら

「契約後の減額なし」「7日間キャンセル可能（キャンセル料なし）」といった点に加えて、無料査定だけでも可能な点は、お客様に大きく評価されています。

ご契約いただいた際には、ご契約金額の半額（上限50％）を当日中に前払いできるので、できるだけ早く買取金を受け取りたい人にもおすすめです。

よくある質問

Q

中古車購入で手付金を支払うのはいつですか？

A

契約成立時に手付金を支払い、手付金を差し引いた残りの金額を納車時に支払うことが一般的です。しかし、店舗によっては異なる場合があるため、不明な点は店員に確認することをおすすめします。

Q

中古車をローンで購入するときは手付金と頭金の両方が必要ですか？

A

ローンで購入する際には、両方が必要になることもあります。手付金は「車の購入意思を示すもの」、頭金は「ローンの借入金額に含まず、購入代金の一部を現金で先に支払うもの」であり、それぞれ役割が異なります。

ただし、どちらも購入代金から差し引かれる点は同じです。

Q

中古車の手付金を支払った後にキャンセルした場合、手付金は返ってきますか？

A

手付金を放棄することがキャンセル条件となるため、キャンセルしても手付金は返金されません。手付金は購入の意思を固めてから支払うことが重要です。

Q

ディーラーで新車を購入する場合の手付金はいくらですか？

A

ディーラーで新車を購入する際の手付金は、1〜2割が一般的です。ただし、店舗によって金額は異なるため、詳細が気になる場合は直接確認してみましょう。