更新日2023.04.13

中古車の支払総額には何が含まれる?総額表示の義務化も解説

中古車 支払総額_アイキャッチ

中古車の支払総額とは、車両価格と諸費用を合計した費用のことです。税金や車検の点検・整備費用など、支払総額に含まれない費用が発生するケースもあり「最終的に表示価格から、いくら上乗せされるのか」と、不明点があった経験がある方もいるかもしれません。

2023年10月からは「支払総額の表示義務化」といったルールが施行されます。予算内で車を購入したい方は、中古車販売価格の見方を把握しておくと安心です。

この記事でわかること

  • ・支払総額に含まれる費用、含まれない費用
  • ・支払総額以上に費用を支払うケース
  • ・2023年10月から施行される「支払総額の表示義務化」の意味と経緯

中古車販売価格の「支払総額」表示の義務化が2023年10月からスタート

2023年10月から「自動車公正競争規約・同施行規則の改正」により、中古車の販売において支払総額を表示することが義務付けられます。

スタッフ

2023年4月より支払総額を表示するルールが周知され、半年かけて推進される予定です。

従来は、支払総額ではない諸費用を除いた価格を目立つように表示し、見積もりの際に諸費用を含めた総額を提示されることも少なくありませんでした。

支払総額の表示義務化に至った経緯

中古車販売において支払総額の表示が義務化される理由は、一部の販売店で不当な価格表示が行われていたからです。

中古車販売店で展示されていたプライスカード(表示された価格)よりも大幅に金額が異なったり、商談の際に補償や整備費用の支払いを強いられたりと、消費者の不利益を問題視していました。

この問題を解決するために、価格表示のルールを策定し、総額表示を義務付けることになったのです。

プライスボードの「支払総額」表示例

「支払総額」の表示に伴い、「車両価格」「諸費用」が内訳として表示されるようになります。
レイアウトやデザインは販売店によって異なりますので、支払総額とあわせて、定期点検整備の有無や保証、車検証の有効期限などをチェックするようにしましょう。

プライスボードの「支払総額」表示例

参照:一般社団法人 – 自動車公正取引協議会

中古車販売価格の支払総額とは

支払総額とは、車両価格と諸費用をあわせた価格です。

中古車 支払総額_支払総額の意味
  • 車両価格:消費税を含めた車両本体の価格。装備品などの価格も含む
  • 諸費用:自賠責保険料や税金、車の登録に伴う費用

車を購入する状況によっては、支払総額を超える金額で購入するケースもあります。

車検なしの車は整備費用がかかる

自動車は、車検を受けなければ公道を走行してはいけない法律があります。車検が切れた中古車を購入する際は、車検を受けた状態で納車されます。

「支払総額の義務化」が施行されるまでの2023年10月以前は、車検の点検・整備に関する費用は諸費用に含まれていないため、別途費用が請求されることを認識しておきましょう。ただし「車検整備付」と記載されている場合は、車検が切れている車でも車検の点検・整備費用が支払総額に含まれています。

支払総額に車検の点検・整備費用が含まれるかを確認したいときは、販売店のスタッフに確認するとよいでしょう。

スタッフ

車検期間が残っている車は、車検期間の満了日が記載されます!

中古車販売価格の支払総額に含まれる諸費用

支払総額に含まれる諸費用とは、保険料・税金・車の登録に伴う費用を指します。

中古車 支払総額_支払総額に含まれる諸費用

自賠責保険料

自賠責保険とは、車の所有者に加入が義務付けられた保険です。自賠責保険に加入していなければ公道を走行できない、車検を受けられないといった特徴があります。

自賠責保険料は、加入する保険会社に限らず一律です。1か月単位で加入できますが、車検のタイミングにあわせて保険を更新するために、24か月または25か月で契約するケースが多いです。中古車を購入する際は月割で算出した保険料を支払います。

■自賠責保険料の一覧表

保険期間 乗用自動車
(普通車)
軽自動車
12か月 11,500円 11,440円
13か月 12,010円 11,950円
24か月 17,650円 17,540円
25か月 18,160円 18,040円
36か月 23,690円 23,520円
37か月 24,190円 24,010円

参照:自賠責保険基準料率表|損害保険料率算出機構
※令和5年(2023年)4月1日以降契約の保険料。離島や沖縄県の一部地域を除く

自賠責保険が切れることを防ぐために、期間を1か月プラスして加入するケースもあります。

スタッフ

自賠責保険に加入する目的は、車の運転により他人を負傷・死亡させたときの損害賠償責任を負うためのものです。

税金に関する費用

車を購入する際には、さまざまな税金に関する支払いが必要です。

自動車重量税 自動車の重量、用途、経過年数に応じて支払う税金
自動車税種別割 自動車の車種、用途、排気量などに応じて支払う税金
自動車税環境性能割
または軽自動車税環境性能割
自動車の燃費性能に応じて支払う税金
法定費用 車庫証明(証紙・印紙代)検査登録(証紙・印紙代)
リサイクル預託金相当額 廃車時に必要な排気費用

車種により費用は異なります。金額が定められた税金であり、どの店舗で車を購入しても費用が変わることはありません。

登録に伴う費用(代行手数料など)

車の登録に伴う費用には、「検査登録手続代行費用」と「車庫証明手続代行費用」の2種類があります。

いずれも車の購入者が手続きできますが、販売店に依頼し代行してもらうことが一般的です。

中古車販売価格の支払総額に含まれない諸費用

中古車 支払総額_支払総額に含まれない諸費用

分類としては諸費用と呼びますが、支払総額に含む「諸費用」とは異なり、購入者の必要に応じて金額が定められます。支払総額には含まれないため、ここで紹介する費用は、支払総額にプラスして支払う必要があります。

任意保険料

任意保険とは、自動車事故で発生した損害を補償するための保険です。自賠責保険とは異なり加入は任意で、自賠責保険では受けられない損害をカバーする目的があります。

任意保険の料金は、保険の契約内容や契約者の年齢などさまざまな要素で変わります。

吹き出しアイコン_スタッフ
スタッフ

保険の加入は「任意」ですが、万が一の事故やトラブルに備えて加入している方が9割近く(※)です。

※損害保険料率算出機構「損害保険料率算出機構

法定費用

ここで紹介する法定費用とは、支払総額に含まれる諸費用の「税金に関する費用」で紹介した法定費用とは異なり、おもに以下の2つを指します。

  • 希望ナンバーの申請費用(ナンバープレート)
  • リサイクル料金

ナンバープレートのナンバーを変更しないとき、すでにリサイクル料金を預託しているとき、これらの費用はかかりません。

登録に伴う費用

車の登録などに伴う費用とは、おもに以下のようなものがあります。

下取車諸手続代行費用 信販会社またはほかの販売店の所有権留保車両を下取る場合の解除費用
下取車査定料 車を下取りする際の査定料
管轄外登録(届出)費用 管轄外の運輸支局に届出をするときの追加費用
納車費用 購入者が指定した場所に納車するための手数料

車を下取りに出す、県外登録など管轄外の地域で車を購入する場合、手続きに関する費用がかかることもあります。ほかにも、自宅など指定の場所に納車を依頼するときも費用がかかるケースがあるでしょう。

下取りや県外登録などをしない場合、これらの費用がかかることはありません。

諸費用に含めてはいけない費用もある

2023年10月の規約改正以降、以下で紹介する3つの費用は「諸費用」としては不適切であり、車両価格に含めるようルールが定められました。

販売店が中古車として販売する際に発生する費用

例:洗車、車内清掃、クリーニングなど

納車前に最低限必要な点検・整備の費用

例:オイルやバッテリーの交換など

本来中古車の車両価格に含めるべき費用

例:土日祝日納車費用、履歴、販売手数料など

これらを諸費用として購入者に請求した場合、販売店は重大な規約違反になります。

支払総額以上の費用がかかる理由

支払総額とは、車両価格と諸費用をあわせた金額であり、車を購入するための最低限の費用です。

支払総額を超えた支払いが必要になる例は、以下のとおりです。

中古車の支払総額を抑える方法はある?

少しでも安く中古車を購入したい方は、支払総額を抑える方法を実践してみるとよいでしょう。

スタッフ

法定費用や自賠責保険料は、どの販売店で購入しても一律です!

手続きを自分で行う

車の購入に伴う手続きのなかで、車庫証明や運輸支局での車両登録は購入者自身で行うことが可能です。

ただ、書類を作成したり各施設へ足を運んだりする必要があるため、販売店に代行してもらうことが多いです。代行費用として車の購入者に請求をしていますが、自ら手続きをすることで代行費用を抑えることができます。

手続きには時間や手間がかかるため、不慣れな場合は販売店に依頼したほうがよいでしょう。

スタッフ

購入者自身で手続きできるかどうかは店舗により異なるため、購入前に確認しておきましょう。

安くなるタイミングで購入する

中古車は、時期により需要が異なるため安く購入できるタイミングを狙うのもよいでしょう。

たとえば、中古車の需要が高くなる時期を超えた4月、5月は、需要が高い2、3月と比較して価格が落ち着いている可能性があります。お盆やお正月のセール、販売店のキャンペーン時もおすすめです。

ほかにも、フルモデルチェンジした後のモデルも狙い目でしょう。新型モデルに注目が集まると、旧型は値下がりすることもあります。欲しい車種が決まっている方であれば、モデルチェンジの時期などを調べておくとよいでしょう。

スタッフ

安くなるタイミングは、あくまでも傾向です。必ず安くなるわけではないので、ひとつの目安にしてくださいね。

中古車を購入するときに確認したいポイント

2023年10月より支払総額の義務化がスタートしますが、それまでの準備期間は店舗により、価格の表示方法が異なる可能性があります。

4月から10月の間に中古車の購入を検討している方は、3つのポイントに気をつけて車選びをしてみましょう。価格含め不安な点があれば、販売店スタッフに相談するのがおすすめです。

中古車 支払総額_中古車を購入するときの確認ポイント

車検の有無

車検期間がある場合「車検満了日」の年月が記載、車検が切れている場合は「なし」と記載されています。傾向として、車検が切れた車のほうが価格は安く設定されていることが一般的です。

車検切れであれば車検を受けなければならず、その際は表示された価格に点検・整備の費用が含まれているかを確認しましょう。

店頭やwebサイトで記載された金額に、車検に関する費用を含んでいるかは直接販売店スタッフに聞いてみることをおすすめします。

車検に関する費用は「車検なしの車は整備費用がかかる」を確認してみてください。

各種手数料の金額設定

中古車を購入するときは、さまざまな手数料や代行費用がかかります。これらの金額は、税金や法定費用と異なり店舗が決められるため、どの費用にいくらかかっているのか、しっかり確認しておきましょう。

なかでも、納車費用などの支払総額に含まれない諸費用は、相場よりも高額ではないか調べておくのもよいでしょう。たとえば納車費用の場合、遠方への納車でも3万円程度が相場といわれています。

購入後のサポート

欲しい中古車が安く購入できたとしても、販売店のアフターサービスが満足に受けられない、不親切な対応をされてしまっては、今後のメンテナンスなどで困ることもあるでしょう。

安く購入できればうれしいですが、オイル交換やタイヤ交換、車検、そのほか困ったときに頼れる店舗で購入することも大切な要素です。

中古車を購入するときは、困ったらときに気軽に相談できる販売店であるかもチェックしておくと安心です。見積もりや来店の前に、店舗の口コミなどを見ておくとよいでしょう。

スタッフ

カーセブンでは「4つの中古車販売安心宣言!」を掲げており、お客様が安心してお車を購入、乗っていただけるサポートをしています。初めて車を購入する方や、車を買いたいけど車種が決まっていないといった方でも、ぜひ一度お気軽にご相談ください!

よくある質問

Q
中古車の支払総額とはなんですか?
A

支払総額とは、車両価格と諸費用をあわせた価格のことです。

総額ではありますが、必要な費用がすべて含まれた「乗り出し価格」とは異なります。車を購入する条件によっては、支払総額に金額がプラスされることもあります。

Q
中古車の支払総額と車両本体価格の違いを教えてください
A

支払総額とは、車両価格+諸費用です。

車両本体価格とは、車両本体の価格のみを指します。保険料や税金などの諸費用を含んでいないため、車両本体価格に10万~20万円ほど上乗せされ「支払総額」となります。

Q
支払総額以外に必要な費用はありますか?
A

ナンバープレートのナンバーを希望のものに設定したり、ナビなどの装備を後づけしたりしたときは、支払総額にプラスされた費用の支払いを行います。

支払総額以上になるケースは、「支払総額以上の費用がかかる理由」で詳しく紹介しています。

Q
中古車販売価格の諸費用には何が含まれますか?
A

諸費用には、「支払総額に含む諸費用」と「含まない諸費用」の2種類があります。

■支払総額に含む諸費用
・自賠責保険料
・税金に関する費用
・登録に伴う費用(代行手数料など)

■支払総額に含まない諸費用
・任意保険料
・希望ナンバーの申請、取得などの法定費用
・下取り、管轄外の届出、納車費用などの登録費用

「支払総額に含まない諸費用」は、店頭やwebで表示された「支払総額」を超えてかかる費用となります。

詳しくは「中古車販売価格の支払総額に含まれる諸費用」「中古車販売価格の支払総額に含まれない諸費用」で解説しています。

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