中古車であれば、軽自動車・普通自動車ともに50万円以下で購入できる車はたくさんあります。少し古いモデルの車から選ぶことになるかもしれませんが、条件を広げることにより、さまざまな車の中から選べるのは中古車ならではです。
安全装備や快適性を高める装備が搭載されているため、昨今は中古車であっても価格は想像よりも高いかもしれません。しかし、中古車の正しい選び方さえ把握しておけば、あなたが納得する1台は見つかるはずです。
この記事でわかること
- 車両の本体価格が50万円以下でも諸費用に15万円前後必要
- 低価格の車を購入する際の6つの注意点
- 50万円予算で購入できるおすすめの車種6選

50万円でも車の購入は可能です。あなたにぴったりの中古車を見つけましょう!
監修・執筆
エディター ライター
高橋 満
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経て1999年にエディター/ライターとして独立し、自動車、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。また、企業の広報・販促活動のサポートも担当。愛車はフィアット500Cとスズキジムニー。
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目次
車両本体価格50万円以下の中古車ってどんな車?
車両の本体価格(車本体のみの税込価格)が50万円以下の中古車には、一般的に以下のような条件がある車が多くなります。
- 低年式:年式が古い車。10年落ち程度
- 過走行:10万km以上。または新車から計算して、走行距離が1年1万km以上走行している車。8年なら8万km以上走行した車
- 修復歴あり:車のフレームを修復した修復歴車など
軽自動車や新車価格が比較的安価な軽自動車やコンパクトカー、ハッチバックであっても、本体価格が50万円以下の車から探すとなれば、条件の一部は妥協するという選択肢が必要かもしれません。それでも、条件を見直しながら車探しを進めていくと、想像以上によい条件の中古車と出合える可能性は十分にあります。
そして購入後は、定期的にディーラーやカー用品店へ行き、オイル交換やバッテリーのチェック、12か月点検を受けて車の状態を把握するなど、適切なメンテナンスをすれば、何年も乗り続けられます。
車体本体以外にも諸費用がかかる
中古車を購入する際は、車両の本体価格に加えて諸経費が必要です。すなわち、車両の本体価格を50万円以内に抑えるのか、支払総額を50万円以内にするのかによって選択肢が異なります。
- 車両本体価格:車の本体(税込)のみ
- 支払総額:車両本体価格以外にかかる費用のこと。別料金のオプション品の設置、陸送納車費用、管轄外でのナンバー登録、車検切れなら車検の新規取得など
車の条件にもよりますが、支払総額は車両本体価格に加えて15万円前後プラスになるでしょう。このことから、50万円では車両価格50万円の車は買えないと覚えておいてくださいね。

車両価格が50万円の中古車であれば、支払総額が60~65万円ほどになるとイメージしておきましょう。
メンテナンスされた車ならまだまだ走る!
車の寿命は走行距離10万km、10年落ちといわれることもありますが、メンテナンスされている車であれば、これらの数字は過度に気にする必要はありません。
中古車を購入する際は、店舗スタッフに「きちんとメンテナンスをされていた車か」をしっかりと確認をしながら選びましょう。

車の寿命について詳しく知りたい方は「車の寿命は何万km?走行距離や年数から寿命の目安を解説」をチェックしてみましょう
50万円以下の中古車を選ぶときのポイント
中古車を購入する際の、基本的なポイントは「中古車選びの注意点とは?購入前に知っておきたいポイントを解説」の記事で紹介しています。
ここからは、50万円以下の中古車を購入する際、特に注意したい6つのポイントを見ていきましょう。
定期点検整備記録簿は必ずチェック
定期点検整備記録簿とは、車検など法定点検を行った記録をするものです。メンテナンスノートとも呼ばれており、多くの人は車検証とともに車のグローブボックスに保管しています。
定期点検整備記録簿を確認する際は、定期的にメンテナンスが行われているか、どの消耗品がいつ交換されているのかをチェックできます。スタッフなど車に詳しい人に話を聞きながら、適切にメンテナンスがされていたかを確認してみてください。
タイミングベルト(エンジン内部にある部品)が採用されている車の場合、走行距離が10万km前後になると、タイミングベルト交換時期の目安です。部品は安価ですが手間のかかる作業で工賃が高くなり、コストがかかる可能性もあります。
そのため、走行距離が10万km以上でも、タイミングベルトが交換された中古車を選択すると後々の費用は抑えられます。
修復歴・冠水歴がある車は慎重に判断
- 修復歴:フレーム(形状を保つために重要な役割を果たす部分)の修復や交換をした履歴。修理歴(ボディの傷やへこみなど深刻度の低い修理)とは異なる
- 冠水車:洪水などの水害で車内まで浸水した車のこと。水没車ともいう
修復歴のある車は、車体のゆがみによりハンドル操作に異常をきたすなど影響が出る可能性もあります。不安な方は避ける、または問題がないように修復されているかを確認してください。
修復歴がある車を検討しているのであれば、どのような修復をしているのかを聞くことが大切です。価格とともに走行性、安全性においてリスクがある点を理解・納得したうえで購入するかを判断しましょう。
冠水車は車内まで浸水した経験があるため、電装系の部品に不具合が出たり、サビやカビが出る可能性があります。修復歴のある車同様に、走行や安全での問題がないよう直されているかを確認、リスクを理解したうえで購入をしましょう。

修復歴のある車のメリット・デメリットや注意点を詳しく知りたい方は「修復歴ありの中古車選びは慎重に!購入するメリットや注意点を解説」をチェックしてみてください。
年式が古い車の税金の高さ
年式が古い車は、車両本体価格が抑えられます。しかし、自動車税や自動車重量税の面から見ると、コストが大きくなるケースもあります。古い車は一定年数が経過すると、税金が高くなってしまうのです。
自動車税および軽自動車税は、新車登録(初度登録)のタイミングによって税額が異なります。
▼乗用の自動車税(普通車)
排気量 | 2019年10月1日以降 新規登録された車 | 新規登録から 13年未満 | 新規登録から 13年以上(15%増税) |
~1,000cc以下 | 25,000円 | 29,500円 | 33,925円 |
1,000超~1,500cc以下 | 30,500円 | 34,500円 | 39,675円 |
1,500超~2,000cc以下 | 36,000円 | 39,500円 | 45,425円 |
2,000超~2,500cc以下 | 43,500円 | 45,000円 | 51,750円 |
2,500超~3,000cc以下 | 50,000円 | 51,000円 | 58,650円 |
3,000超~3,500cc以下 | 57,000円 | 58,000円 | 66,700円 |
3,500超~4,000cc以下 | 65,500円 | 66,500円 | 76,475円 |
4,000超~4,500cc以下 | 75,500円 | 76,500円 | 87,975円 |
4,500超~6,000cc以下 | 87,000円 | 88,000円 | 101,200円 |
6,000cc超 | 110,000円 | 111,000円 | 127,650円 |
▼乗用の軽自動車税
新規登録年月 | 新規登録から 13年未満 | 新規登録から 13年未満 |
平成27年(2015年)3月31日以前 | 7,200円 | 12,900円 |
平成27年(2015年)4月1日以降 | 10,800円 | 12,900円 |

環境への負荷を低減するための施策として、13年以上経過した軽自動車は、約20%の税率が上乗せされています。
さらに、車検の際に一緒に支払っている自動車重量税は、新車登録から13年のタイミングで高くなります。
▼自動車重量税(エコカー以外の2年自家用車)
車両重量 | 新規登録から 13年未満 | 新規登録から 13年以上 | 新規登録から 18年以上 |
軽自動車 | 6,600円 | 8,200円 | 8,800円 |
0.5トン以下 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
~1トン | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
~1.5トン | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
~2トン | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 |
~2.5トン | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
~3トン | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
自動車は、新車登録時(中古車の場合は最初のオーナーの購入時)から13年または18年のタイミングで、車にかかる税金が増加します。新車登録から13年近い車の場合、数年所有していると自動車税や自動車重量税が増えると想定して購入しましょう。

自動車税は毎年、自動車重量税は2年に1度の車検のタイミングで必要です。ガソリン代やメンテナンス費用とともに、税金を含めて金額のシミュレーションをしてみてください。
不人気だが好条件の車も狙い目
不人気な車種やボディカラーの車は、人気車と比較して安価な傾向にあります。人気はなくても性能や安全性に問題があるといったことはないため、コスパの高い1台が見つかるかもしれません。
「人気車ではなくてもよい」「色にこだわりがない」という人であれば、安くより好条件の中古車を選択できるチャンスがあります。

人気が高い車種は需要もあることから、値段は高くなります。絶対に欲しい車種がなくコストを重視するなら、あまり注目を集めていない車種がおすすめです。
保証をつけられるか確認
有償・無償は店舗により異なりますが、50万円以下の中古車を買うときも、車に保証をつけられる可能性があります。車につける保証とは、車両の点検は無料、購入時から◯km以内の走行は不具合の修理が無料といったものです。
保証内容、金額はサービスや車により異なるため、実車確認で店舗を訪れた際は確認をしてみましょう。
株式会社トーサイが運営するカーセブンの店舗では、トーサイ独自の保証が用意されています。車の状態に合わせた保証プラン、保証対象の部品を無償で修理をしてくれるなど、中古車購入時に検討できます。
カーセブンで中古車の購入を検討されている方は、店舗スタッフに保証の有無や内容を聞いてみてください。
先進安全装備つきの車は入手困難
自動車の先進安全装備とは、運転時の事故などのトラブルを未然に防いだり、より安全な運転をしたりするためのサポート機能です。各社で名称は異なり、トヨタは「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」、ホンダは「Honda SENSING(ホンダセンシング)」として搭載されています。
50万円以下の車では、最新の先進安全装備が搭載されていない車種やグレードが多いです。安全性を重視したい、便利な機能が欲しい方は、50万円以上の予算で探したほうがよいでしょう。

50万円以下で先進安全装備が搭載された中古車もありますが、販売台数は少なめです。コストと機能、どちらを重視するか考えてみましょう。
【軽自動車】50万円以下で買えるおすすめの中古車
ここでは、カーセブンで登録・販売されていた台数が多い、50万円以下で購入できる軽自動車を紹介します。数が多く流通している車は、よい条件の車を見つけやすくなります。
車両によっては、支払総額が50万円台で収まる車もあります。気になる車は、これから紹介する車種の詳細ボタンから在庫をチェックしましょう!
ダイハツ:ムーヴ

・古い年代でも安全装備が搭載された車種も選択できる
・インテリア、外観ともに高級感のあるデザインが魅力的
・燃費性能が高く、コストを抑えながら乗りたい人におすすめ
ダイハツ ムーヴは、広い室内空間が特徴の軽トールワゴンです。1995年から販売している人気の軽自動車であり、各世代のムーヴが中古車市場に多く出回っています。
5代目の中でも2012年12月から発売されたモデルでは、軽自動車初の衝突回避支援システム「スマートアシスト」を搭載したグレードが販売されました。当時は約4~30km/h以下で、走行時に衝突警報機能などが作動するシステムで、最新の車種とは異なる点があります。
50万円以下の車両が探せる軽自動車でありながらも、高級感のあるデザインも魅力的でチープな印象は感じさせません。
1~150万円

自分や家族のために安全性を重視したい、免許を取得したばかりで運転に不安な人は、スマートアシストが搭載されたグレードがおすすめです。
ダイハツ:タント

・子どもや高齢者も乗り降りしやすい設計
・天井が高く広い空間で、子どもの送迎や買い物など多様に活用できる
・コンパクトな軽自動車と比較すると大きく見えるが、小回りが利く
ダイハツ タントは、スーパーハイトワゴンと呼ばれており、軽自動車の中でも特に広く、後部座席まで快適な車です。
タントの大きな魅力は、助手席側の後部はスライド式ドアで、センターピラー(助手席と後部座席の間にある柱)がなく、ドアの開口が大きくなる点です(運転席側はヒンジ式ドア)。センターピラーレスは、2007年に発売された2代目から搭載されています。
大開口ドアにより、大きな荷物の積み下ろし、子どもや高齢者のサポートもしやすくなります。さらに、天井は高くステップが低いため、より安全に乗り降りが可能です。
1~180万円

タントは大容量な軽自動車です。「友達や恋人と行くドライブを楽しみたい!」「セカンドカーとして、もう1台便利な車を安く手に入れたい」といった人に便利でしょう。
スズキ:ワゴンR

・燃費がよくガソリン代を節約しやすい
・コンパクトでも天井が高く室内が広いため、快適性に優れている
・車両の本体価格が安いグレードもあり、比較的安価で購入できるチャンスもある
スズキ ワゴンRは、誕生以降高い人気を誇る軽自動車であり、現在までさまざまな改良を重ねています。50万円以下で購入する際の狙い目は、5代目以前です。
2012年発売の5代目ワゴンRは、軽ワゴン車低燃費No.1を開発コンセプトにしており、。当時の軽ワゴン車の中では28.8km/L(JC08モード)の低燃費を誇っていました。さらに2013年から登場したモデルでは、スズキでは初めて衝突被害軽減ブレーキを採用しています。
1~120万円

ワゴンRは、人気車種であり中古車市場に多く出回っているため、50万円前後でもさまざまな条件から選べます。
【普通自動車】50万円以下で買えるおすすめの中古車
新車価格になると、軽自動車より高価になりやすい普通自動車ですが、中古車であれば50万円以下で購入できる車種もあります。
ひとりで乗ることがメインの人も、ファミリーカーとして活用したい人にもおすすめの、普通自動車3台を紹介します。
日産:ノート

・軽自動車以上に積み込みできる容量と走るパワーをもちながらも、車体はコンパクトで小回りが利く
・1,200ccまたは1,500ccであるため、普通自動車の中では税金が抑えやすい
・狙い目の初代~2代目も中古車市場に多く、条件に合う車が探しやすい
日産 ノートを50万円以下で購入を検討しているのであれば、初代モデルを狙いましょう。2代目であれば、前期モデルが50万円以下で探しやすいです。マイナーチェンジ後は、ハイブリッドシステム「e-POWER」が搭載されており人気が高いため、50万円を超える車体が多いです。
コンパクトな車体でありながら、多くの荷物を整理して積める2段マルチトランクが装備されており、買い物や旅行にも活躍します。大人5人が乗ると少し窮屈に感じるかもしれませんが、通勤や街乗りがメイン、2~3人で乗る人には便利な車です。
20~200万円

初代ノートが、50万円以下で探しやすいです。2代目で探すのであれば、前期の「DIG-S」グレードは、高い走行性と燃費を両立したコスパの高い1台としておすすめです。
ホンダ:フィット

・車体は小さいが車内は広いため、窮屈さを感じにくく快適性が高い
・荷室も広くシートアレンジが豊富で、後部座席を倒せば車中泊やゴルフバッグの積み込みも可能
・低燃費でパワーもあり、快適な街乗りを叶える1台
ホンダ フィットは、2001年の発売当初から20年以上経過して、今もなお高い人気を誇る車です。フィットの魅力は、車体はコンパクトでありながら、室内空間が広く快適にドライブを楽しめる点。
フィットの広さの秘密は、前席の床下に燃料タンクを納めた「センタータンクレイアウト」によるもので、後部座席のシートも広々としています。
後部座席のシートはアレンジがしやすく、大きく長い荷物の積載も可能です。助手席を倒せば、大人が寝られるほどのスペースもできて、車中泊もできます。
10~220万円

車両の本体価格が50万円以下のフィットを狙うなら、初代か2代目を検討しましょう。初代は自動車税を考慮する必要はありますが、特に通勤や送迎におすすめの1台です。
ホンダ:フリード

・50万円以下で購入しやすいミニバンの一種
・大きいイメージのあるミニバンだが、5ナンバーサイズでコンパクト
・初めて普通車を運転する人でも、取り回しがしやすいミニバン
ホンダ フリードは、ファミリーカーとして活躍する1台です。
フリードは2001年~2008年まで発売されていたモビリオの後継として発表されました。ミニバンというと大型で高級ミニバンをイメージする人もいますが、フリードは初代であれば50万円以下で探せるでしょう。
ミニバンの中では比較的コンパクトでありながら、3列シートで7人乗車可能なモデルもあります。ステップが低く両側スライドドアである点など、小さな子どもと一緒に出かける際の利便性が特徴です。
10~250万円

「フリード+(プラス)」「フリードスパイク」と呼ばれるモデルは、2列シート5人乗りタイプであるため、乗車定員や仕様が若干異なります。価格や必要な機能の有無を比較してみましょう。
まとめ
・条件の幅を広げることにより、車両の本体価格が50万円以下の中古車はさまざまな車種から選択できる
・「車両の本体価格が50万円以内」と「支払総額が50万円以内」では、選択肢が大きく異なる
・古い車の場合、車が安くても自動車税が高い、部品の交換など、トータルで見た際のコストがかかる可能性を考慮する
走行距離が多い、年式が古いだけでは、悪い車だと判断はできないため、距離や古さだけで選択肢から外さずに中古車を探してみてください。また極端に安い車を購入しても、部品代や取り付け工賃の高い修理をすると数万円かかり、結果的に大きなコストを負担することになりかねません。
「50万円」はひとつの基準ですが、前オーナーによる車の扱いや現状なども考慮したうえでベストな車を見つけましょう。わからない点は、店舗スタッフに相談をしてくださいね。
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