日産 エルグランドの買取相場まとめ

日産 エルグランドは、1997年5月に初代が登場して以来、ゆとりある室内空間とほかと異なる強い存在感、そして高級ミニバンとしての快適性能を兼ね備えたフラッグシップモデルです。デビュー当初から「キング・オブ・ミニバン」と呼ばれ、VIP送迎やファミリーカーとして幅広い層に支持されてきました。

2002年に発売された2代目では、「夢とくつろぎと感動を提供できる最高級ミニバン」をテーマに室内空間の快適性をさらに進化させ、「カーウイングス」や「インテリジェントキー」などの便利機能も採用。走行性能においてもV型6気筒ガソリンエンジン（VQ35DE）を搭載し、パワフルかつ環境性能に配慮したモデルとして人気を集めました。

2010年に登場した3代目は、ラグジュアリー性を大幅に強化。トリプルオットマンつきシートやBose®サラウンドシステムを備えた後席プライベートシアターなど、まさに「移動する高級リビング」と呼べる装備を採用。一部のモデルでは当時のエコカー減税に適合するなど環境性能も高く、快適性と先進性を両立しています。何度かのマイナーチェンジも行われており、2024年3月には最新の安全技術やデザイン性を取り入れたモデルが発売されました。2026年度には新型が発売予定になっており、ブランド価値を維持しています。

買取市場においては、世代や年式によって価格差が大きく見られます。カーセブンの査定実績では、最も古い1990年代モデルは10万円程度が中心です。2000年代前半の2代目は10万～30万円程度となっています。2010年以降の3代目は人気が高く、30万〜200万円程度が相場ですが、上級グレードのハイウェイスターやライダー、ハイウェイスター アーバンクロムなどは200万円超、場合によっては300万円以上の査定実績も見られます。直近の2020年式以降では、新車価格に近い300万～360万円程度の高額取引も確認されています。

エルグランドの買取相場は 5万〜364万円 と幅広く、装備内容やグレード、走行距離、メンテナンス履歴によって評価が大きく変動します。車両本体価格が最低でも400万円クラスのモデルであることを考えると、リセールバリューは比較的高水準といえます。特に需要の高い上級グレードや低走行または良好コンディションの車両は高額査定が期待できるため、売却を検討する際は複数業者の査定を比較し、タイミングを見極めることが重要です。

年式別の買取価格目安と傾向

日産エルグランドの買取相場は、年式によって大きな開きがあり、新しいモデルほど高値が期待できます。

最新の2023年式では360万円超の査定実績があり、新車価格に近い水準で取引されるケースも見られます。2020年〜2021年式の5年〜6年落ちは175万〜310万円と比較的安定しており、装備や走行距離次第で高額査定が狙えるモデルです。2017年〜2019年式は150万〜260万円程度が中心で、ファミリー需要が根強いこともあり、まだまだ市場価値があります。

2010年代前半になると100万円程度が上限となり、10年以上落ちの車両では状態次第で大きく差が出る傾向が強まります。2000年代モデルは10万円程度に落ち着きますが、一部コンディション良好な車両は20万円以上の査定額がつくこともあります。1999年〜2001年式はほぼ下限に近い査定水準です。全体的に、近年のモデルは需要が高く高額買取が期待できる一方、古い世代は低水準に落ち着きます。例外的に、上級グレードや特別仕様車であれば高めの査定がつくケースもあるため、所有していて売却検討中の方は早めに査定してもらうとよいでしょう。

カーセブンの年式別の査定実績（目安）

• 2023年式：360万～363.6万円
• 2020年～2021年式：175万～310万円
• 2018年～2019年式：120万～260万円
• 2016年～2017年式：30万～240.5万円
• 2014年～2015年式：14万～190万円
• 2011年～2013年式：5万～128.6万円
• 2009年～2010年式：5万～90万円
• 2006年～2008年式：5万～17.8万円
• 2003年～2005年式：5万～21万円
• 2002年式以前：5万～11万円

走行距離による査定額の違い

走行距離も査定額を大きく左右します。1万km未満の低走行車は最大360万円以上と、新車に近い高水準の取引が確認されています。2万〜4万kmでも70万〜270万円程度とまだ高額を維持しており、実用性と状態のよさが評価されやすい区間です。5万〜7万kmに入ると査定の幅が広がり、10万円以下から200万円以上と大きく差が出ることもあるため、整備記録の有無や使用状況が重要になります。8万〜10万kmの車両はおおむね100万円以下に落ち着きますが、人気グレードや特別仕様であれば200万円以上になるケースも確認されています。10万km以上では5万〜90万円と大幅に低下しますが、メンテナンス状態がよければ実用車として一定の需要があるため、必ずしも価値がゼロになるわけではありません。

カーセブンの走行距離別の買取実績（目安）

• 1万km未満：65万～360万円
• 1万～2万km未満：10万～363.6万円
• 2万～3万km未満：70万～250万円
• 3万～4万km未満：90万～270万円
• 4万～5万km未満：10万～280万円
• 5万～6万km未満：10万～175万円
• 6万～7万km未満：5万～210万円
• 7万～8万km未満：8万～170万円
• 8万～9万km未満：8万～225万円
• 9万～10万km未満：8万～160万円
• 10万km以上：5万～90万円

グレード・仕様による買取価格差

グレード構成も査定額に大きく影響します。エルグランドは世代ごとにグレードの変更や追加がなされています。たとえば、初代のエントリーグレードのXやVは年式も古いため、5万～20万円程度と控えめです。2代目から導入された人気のハイウェイスターや、3代目で追加されたライダーは高額査定が狙える代表格です。特に、250ハイウェイスターSでは、300万円超の査定実績も確認され、最新モデルに近い年式ほど高く評価されています。また、特別仕様車のブラックレザーエディションなども限定性があり査定アップ要因となります。加えて、アーバンクロムはブランド価値が高く、200万〜300万円程度の実績もあります。全体的に、ハイウェイスターやライダーを中心とした上位グレードや特別仕様は中古市場での人気が根強く、状態次第では高額取引が期待できます。

カーセブンのグレード別の査定実績（目安）

• X・V：5万～20.3万円
• 250ハイウェイスター：7万～130万円
• ライダー：10万～150万円
• ライダー ブラックライン：85万～180万円
• 350ハイウェイスター：13万～270万円
• 250ハイウェイスター アーバンクローム：7万～260万円
• 250ハイウェイスターS：45万〜300万円
• 250ハイウェイスター プレミアム アーバンクローム：60万～360万円

エルグランドの世代別特徴と買取市場での評価

日産の最高級ミニバン「エルグランド」は、1997年の初代登場以来、豪華で広々とした室内空間と力強い走行性能で高い人気を誇ってきました。その買取市場での評価は、年式や世代によって大きく異なります。

初代（1997年〜2002年）は市場価値が低めですが、コンディションがいい個体は希少価値から需要があります。2代目（2002年〜2010年）は、上級グレードや特別仕様車が比較的高い評価を受ける傾向にあります。そして、3代目（2010年〜）は、買取相場に大きな幅があり、特に人気の高い「ハイウェイスター」や「ライダー」といったグレードは、高額査定が期待できます。車両状態がよければ、新車価格に近い価格での取引も珍しくありません。エルグランドの買取相場は、モデルごとの特徴を理解することが重要です。

初代（1997年5月〜2002年5月）

初代エルグランドは、1997年に登場した日産のフラッグシップミニバンです。存在感のあるボディスタイルに加え、広々とした室内空間と高い走行性能を兼ね備え、当時の高級ミニバン市場を牽引しました。特にウォークスルーも可能なゆとりのあるキャビンや、クリーンな廃棄を実現したディーゼルエンジンまたは力強いVG33Eエンジンによる余裕の走りは、家族層だけでなく送迎用途やVIP移動車両としても支持を集めました。

現在では20年以上が経過しているため市場価値は低めで、査定相場は5万〜20万円程度が中心です。ただし、コンディションが良好な個体やメンテナンス履歴がしっかり残っているものは、希少性から安定した需要が見込まれる場合があります。

2代目（2002年5月〜2010年8月）

2002年に登場した2代目エルグランドは、「夢とくつろぎと感動を提供できる最高級ミニバン」をコンセプトに、より豪華で洗練された高グレードのミニバンへと進化しました。リビングルームのようなくつろぎ空間を実現するセカンドマルチセンターシート、強い存在感を放つ外観デザイン、そしてVQ35DEエンジンによる力強い走行性能が特徴です。さらに、カーウイングスやインテリジェントキーなどの快適装備を採用し、利便性を大きく向上させました。

査定市場では2010年程度のモデルでも10万～90万円程度が目安で、上級グレードや特別仕様車であれば比較的高めに評価されます。一方で年式が古いモデルは価格が伸びにくく、状態のよし悪しが査定額に直結します。

3代目（2010年8月〜）

2010年にフルモデルチェンジした3代目エルグランドは、「キング・オブ・ミニバン」としての地位をさらに確立しました。堂々としたエクステリアと高級感あふれるインテリアを備え、ドライバーの高揚感と乗員の快適性を両立。後席にはトリプルオットマンつきシートや大型ワイドモニター、Bose® 5.1chサラウンドを組み合わせたプライベートシアターシステムを採用し、移動空間そのものを上質なリビングへと昇華させました。また、2.5Lと3.5Lの両モデルがクラストップレベルの燃費性能を実現し、発売当時のエコカー減税にも適合。環境性能と高級性を両立したモデルです。

査定相場は幅広く、2010年代前半のモデルで30万～120万円程度、直近の2016年式以降では200万円超の実績も見られます。特にハイウェイスターやライダーなどの人気グレード、アーバンクロムなどの特別仕様は高額査定につながりやすく、300万円を超える事例も存在します。状態がよければ長期的に安定したリセールバリューを期待できる世代といえるでしょう。

マイナーチェンジや特別仕様車が査定額に与える影響

日産エルグランドは、発売以来「キング・オブ・ミニバン」として高級感と快適性を兼ね備え、多彩なマイナーチェンジや特別仕様車を投入してきました。これらの仕様変更は中古車市場でも注目され、査定額に大きな影響を与える傾向があります。

たとえば、2016年12月に登場した特別仕様車「ハイウェイスター ホワイトレザーアーバンクロム」は、上質なホワイトレザーやブラックメープル加飾を施した特別な内装を採用。さらに安全装備や快適機能も追加され、通常モデルに比べて高級感と利便性が増したことで、買取市場でもプラス査定につながりやすいモデルです。

2018年1月には「ハイウェイスター ジェットブラックアーバンクロム」が設定され、漆黒の外装パーツや専用アルミホイール、プレミアムタンレザーシートを備えた仕様で登場。より存在感を強めたデザインと充実装備は、中古市場での人気が高く、同年式の標準モデルより高値で取引されるケースもあるでしょう。

また、2020年10月のマイナーチェンジでは、エクステリアを刷新するとともに、360°セーフティアシストを全車に標準装備。最新の安全技術が搭載されたモデルは需要が高く、旧型と比べて大きな評価差が生まれやすいのが特徴です。同時に人気が高いアーバンクロムも新たに設定され、存在感あるデザインと特別装備から査定評価が上がりやすい仕様といえるでしょう。

2022年11月には抗菌仕様シートを全車に標準化するなど、ユーザーのニーズに合わせた改良が実施されています。こうした日常的な快適性や衛生面での装備向上も、家族利用を想定したミニバンではプラス査定に直結する要素です。

エルグランドはマイナーチェンジや特別仕様車によってデザイン性や快適性、安全性を高めてきた歴史を持ち、それらは中古市場においても、標準モデルとの差別化ポイントとして評価されます。売却を検討する際には、特別仕様車であることや追加装備の内容を正確に伝えることで、より高い査定額を期待できるでしょう。

エルグランドの査定評価につながるポイント

エルグランドを少しでも高く売るためには、基本的な車両の状態を整えることに加えて、車種ならではのポイントを押さえることが重要です。ここからは、査定でプラス評価を得るためのコツをご紹介します。

ボディカラーが査定額に与える影響

3代目エルグランドでは、高級感のあるツートンカラーをはじめとした、5つのカラーバリエーションが設定されています。一般的に、ピュアホワイトパールやミッドナイトブラックといった定番カラーは市場での人気が高く、安定した高額査定が期待できます。

また、ディープクリムゾン/ミッドナイトブラックのツートンカラーなどの特別塗装色として設定されているものもあり、希少性からプラス評価につながる可能性があります。

世代ごとに限定カラーもあるため、需要次第では高く評価される可能性もあるでしょう。

エルグランドのボディカラーの例

• ディープクリムゾン/ミッドナイトブラック 2トーン
• ディープクリムゾン
• ミッドナイトブラック
• ピュアホワイトパール
• ダークメタルグレー
• インペリアルアンバー
• ダイヤモンドシルバー

どの色もそれぞれに魅力がありますが、重要なのは色褪せやキズ、ヘコミがないかといったボディの状態です。日頃から丁寧に扱っていることが、査定員の印象をよくし、査定額アップに繋がります。

売却前の準備と車両状態の最適化

査定前に車両の状態を整えるだけで、査定員の印象がよくなり、査定額アップにつながる可能性があります。特に高級ミニバンであるエルグランドは、内外装の清潔さが重要です。

まず、内装と外装の清掃を丁寧に行いましょう。シートの汚れや車内のホコリ、外装の泥汚れなどをきれいにしておくことで、「この車は大切に扱われていた」という印象を査定員に与えられます。また、エルグランドは車体が大きいため、見落としがちな下回りのチェックも重要です。

さらに、定期点検記録簿や整備手帳を準備しておくことも非常に重要です。オイル交換や消耗品交換などのメンテナンス履歴がしっかりと残っていれば、車両の状態が良好であることを証明でき、査定でプラス評価を得られるでしょう。

エルグランドならではのアピールポイントを整理

査定の際には、エルグランドならではの強みを明確に伝えることで、査定額のアップが期待できます。

まず、装備についてです。エルグランドの魅力である後席プライベートシアターシステム、トリプルオットマンつきシート、BOSEサウンドシステムなどの豪華な装備は、査定に大きく影響する重要なポイントです。

次に、車両の使用履歴も有効なアピール材料となります。丁寧な運転を心がけ、車両への負担が少なかったことを伝えましょう。また、ワンオーナーであることもプラス評価につながります。

最適な売却タイミングと市場動向の見極め方

エルグランドは、中古車市場での人気が根強い車種ですが、新型モデルが発表されると、旧モデルの市場価値が下がる可能性があります。2026年度には新型が発売されるとされているため、売却を考えている方は慎重に時期を見極めるといいでしょう。このように、モデルチェンジの情報は事前にリサーチしておくことが重要です。

また、決算期にあたる時期（9月や3月）は、買取業者が在庫を強化するため、買取を強化する傾向があります。市場の動向をリサーチし、需要が高まるタイミングを見極めることが重要です。

修復歴・事故歴車の正しい売却方法

修復歴や事故歴があるエルグランドでも、売却は可能です。大切なのは、査定時に事実を正直に申告することです。

軽微な損傷であれば、大幅な減額にならないケースもあります。ただし、フレームに損傷が及ぶような大きな修復歴がある場合は、数十万円単位で査定額が下がることもあるでしょう。

買取業者のなかには、修復歴車を専門に扱う業者も存在します。複数の業者に査定を依頼することで、適正な評価を受けられる可能性が高まります。正直に申告し、透明性を持って説明することが、納得できる価格での売却を実現する鍵となります。

日産 エルグランドの売却で後悔しないための業者選び

買取とディーラー下取りの違い

エルグランドを売却する際、ディーラーでの下取りと中古車買取専門店での買取という2つの選択肢があります。

ディーラーの下取りは新車購入が前提となるため、価格が控えめになりがちです。一方、中古車買取専門店では、市場での需要や車の状態、オプション装備などをより細かく評価してもらえるため、下取りよりも高値がつくケースが一般的です。

愛車の適正価格を把握するためにも、最初から下取りに絞らず、複数の買取業者に査定を依頼することをおすすめします。

複数査定の効果的な活用方法

エルグランドに限らず査定額を見極めるためには、複数の買取業者に査定を依頼することを意識しましょう。同じ車でも、業者によって在庫状況や販売ルートが異なり、提示される金額に差が出ることがあります。

ただし、一括査定を利用すると、一度に複数の業者から電話がかかってきて対応に追われることもあります。そうしたストレスを避けるためにも、むやみに多くの業者に依頼するのではなく、事前に口コミや公式サイトで信頼性を確認したうえで、数社に絞って査定を依頼するのが賢い方法です。

サービスや口コミから信頼できる業者か調べる

業者選びでは事前のリサーチが重要になります。インターネットでの口コミ確認や、業者の公式サイトでの取扱実績の確認を行いましょう。

特に、査定時に即決を迫る業者には注意が必要です。焦らずに「一度持ち帰って検討する」と伝え、冷静に判断するようにしましょう。また、査定士の対応が丁寧か、説明がわかりやすいか、充分な時間を確保してくれるかなども、信頼できる業者を見極めるうえで重要なポイントです。

エルグランドが売れない場合の対処法

状態次第では、査定価格がつかない、または期待を大きく下回る場合もあります。売却できない、査定額が低いといったときには、まず原因を分析し、修復歴の影響、走行距離の多さ、車両状態の悪化などの要因を特定します。

こうした状況であっても、適切な業者に相談することで、思わぬ高値がつく可能性があります。エルグランドは人気車種のため、エンジンや内外装パーツなどに価値が見出され、個別で売却できるケースも少なくありません。まずは、無料査定でプロの目でしっかりと見てもらい、愛車の本当の価値を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

※本記事は2025年9月時点の情報をもとに作成しています。中古車の相場は市場動向により変動するため、最新の価格と異なる場合があります。